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2011年11月25日

九州は東北復興に寄与するか〜節電で進む「省エネ・創エネ・環境」対策〜7

耐震改修はリノベーションの新機軸になるか

大震災以降、耐震性が気がかりな人は少なくない。

 耐震性を確認するためには、まずは自治体の窓口に相談したり、建築防災協会などのサイトを調べたりして耐震診断を受けることが求められる。

 さらに、耐震改修をする際には、必ず数社の見積もりをとって悪質業者に注意すること。自己負担を少しでも軽くするために、地元自治体の助成制度を調べることが重要だ。断熱や水まわりなども合わせて改修するならば、全体的なコストは控えられる。

 所得税や固定資産税の控除もあるため、確定申告などの手続きも忘れないようにすることも留意点だ。


病院等の耐震対策

 今年7月13日、厚生労働省は災害拠点病院の整備基準について、耐震性のレベルを引き上げるなど、大幅に見直す方針を発表した。

 これは、大震災で被災した多くの拠点病院の医療活動に支障が出たため、緊急診療棟だけに義務付けられている現在の整備基準を、病院すべての建物に適用し、全国の拠点病院で機能強化を図るためだ。

 このような病院や学校、マンションなど人が多く集まる建物の耐震補強は、綿密な構造計算や現地調査のほか、メンテナンス・産業廃棄物の処理・コストダウンなどの注意すべき点があり、やはり、信頼できる業者選定が鍵となる。

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2011年11月21日

九州は東北復興に寄与するか〜節電で進む「省エネ・創エネ・環境」対策〜6

家電としてのLED照明

7月1日「電気用品安全法施行令の一部を改正する政令」が閣議決定された。これによって、LEDランプは電気用品安全法に基づく電気用品として新たに規制対象に追加された。企業は、取り扱うLED照明器具が2012年7月1日施行される同法をクリアしているかなどの専門知識が必要となる。


省エネ対策で新築・リフォーム

 九州の住宅投資は、大震災の資材の供給制約による影響が薄らいで、ようやく緩やかに持ちなおしつつある。

 また、大震災後の電力事情を背景に、省エネ・創エネ・蓄エネを積極的に取り入れたリフォーム・リノベーションや新築が増えると予測されている。

 すでに、大手メーカーの新築住宅は約80%が太陽光パネル付きだ。

 住宅エコポイントは、予定より5カ月も早く受付を終了した。国土交通省は、早くも耐震化やバリアフリー化の工事、さらに現在最も重視されている省エネ住宅やリフォームを支援する新制度の検討に入っている。

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2011年11月18日

九州は東北復興に寄与するか〜節電で進む「省エネ・創エネ・環境」対策〜5

LEDが証明する「見える化対策」

 「環境対策の見える化」で、節電の一番の対象となったのが、照明だ。

 今年6月、LED電球の販売個数が白熱電球を初めて上回った。大震災後の節電意識の高まりが需要を後押ししたと考えられている。

 LED照明は、従来の白熱照明に比べて、同じ明るさをつくるために必要な電力は8分の1程度で、約4倍の寿命という消費電力が抑えられ長持ちする点が強みだ。昨今は世界市場の激しい競争によって低価格化が進み、改正省エネ法に苦慮する企業にとっては買い換えやすくなった。住宅においても同様だ。家庭用白熱灯との交換ならば、1~2年で初期投資は回収できる。

 とはいえ、エコポイント制度や税制優遇措置、補助金などの導入支援策が有効であり、むしろ現段階では不可欠と考えられている。

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2011年11月16日

九州は東北復興に寄与するか〜節電で進む「省エネ・創エネ・環境」対策〜4

待たれる強力な普及政策と制度設計

 今年8月末に「再生エネルギー特別措置法案」の修正案が成立した。電力会社に再生可能エネルギーを固定価格で買い取ることを義務付け、その費用を電気料金に上乗せする制度が、2012年7月から施行される。現段階では、電力会社が一定価格で長期間買い取ることだけが決まっている。種別で異なる自然エネルギーの買い取り価格などの詳細はこれから設定されるが、利用者の負担増になる可能性もある。
 
 また、電力事情の悪化とともに「発送電分離問題」も取りざたされている。この送電部門と発電部門を分けて電力を供給する方法は、すでに欧米や中国・インドで導入済みだ。発電部門に新規参入を認めて、競争による価格低下が期待できると考えられている。しかし、公共インフラとして整備するコストをどうひねり出すのか。本当に価格は下がるのか。導入後の欧米で頻繁に起きている、不安定な電力供給による大規模停電を阻止できるのか等の懸案事項が山積している。

 いずれにせよ、再生可能エネルギーが普及するためには、強力な政策支援と長期的視野に立つ制度設計が不可欠だ。

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2011年11月14日

九州は東北復興に寄与するか〜節電で進む「省エネ・創エネ・環境」対策〜3

先陣切る九州の風力発電

 2009年12月、九州エリアの風力発電の設備導入量は、354メガワットと全国の2186メガワットの約16%を占めている。これは東北エリアの581メガワットに次いで大きい。
 特に、陸上よりも阻害要因が少なく、今後の開発が期待される洋上風力の電力供給エリア別の導入ポテンシャルは、九州エリアが最も高く、全体のほぼ30%を占める。(九州経済産業局 前掲報告書)
 福岡市と九州大学は、洋上風力発電では初となる「風レンズ風車」を使って5年以内の実用化を目指し、実証実験を始めた。
 風まかせの風力発電だが、製品の小型化・高効率化は劇的に進んでいる。大都市圏よりも地方のほうが地の利を生かした稼働も期待できる。太陽光発電と同様に風力発電は「小規模・分散型」産業のために、火力発電などの「大規模・集中型」よりははるかに雇用効果が大きいという試算もある。
 ただし、導入コストや設置場所の確保、周辺住民へ健康被害を及ぼすとされる低周波問題、2010年度から導入補助金が打ち切られたことなどから、風力発電の国内市場は低迷している。
 ちなみに、欧州風力エネルギー協会(EWEA)は、欧州連合(EU)の風力発電による電力創出が、2020年までに現在のほぼ3倍の581テラワット(100万キロワットの原子力発電が1000基分)に達するという予測を発表した。これはEU主要5カ国全世帯の電力需要に相当し、2030年までにはEUヨーロッパ25カ国の総電力需要の約30%を風力発電で賄う計画だ。このような世界の流れをかんがみれば、国内の風力発電政策に見直しが求められるのも無理は無い。

※単位について 1キロワット=1000ワット、1メガワット=100万ワット、1ギガワット=10億ワット、1テラワット=1兆ワット。

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2011年11月11日

九州は東北復興に寄与するか〜節電で進む「省エネ・創エネ・環境」対策〜2

家電量販店に登場した太陽光パネル

 太陽光発電のコストが下がっていることは、家電量販店の太陽光パネルの価格が証明する。技術革新と量産効果、さらに国の補助金政策が価格競争を後押ししているからだ。

 1キロワットあたり60万円以下の製品でなければ国の補助金が出ないため、メーカーはこぞって価格を下げようとする。

 一方、現在設定されている余剰分の買い取り価格1キロワットあたり42円ならば、消費者が売電によって元がとれるのは約10年後だが、審議中の法案によって来年の買い取り価格が下がれば、10年では元がとれない可能性が出てくる。補助金頼みの普及政策とはいえ、駆け込み需要の増加が期待される。

 注意しておきたいのは、自治体によって太陽光パネルの助成制度が異なる点だ。利用者は、国や市の補助金制度で太陽光発電をお得に使いたい。事業者には、利用者のニーズに沿った製品をお勧めすることが求められる。

 普及に伴い増えているのが、雨漏りなどのトラブルだ。住宅用太陽光パネルの施工段階での拙速な据え付け作業によるとみられる。

 そのため、普及の阻害要因を取り除く対策が急務となっている。経済産業省資源エネルギー庁では、太陽光発電システムの標準化や設計・施工ガイドラインの策定、PV施工士等、資格制度の構築などの検討を進めている。

※環境省は、『太陽光発電の賢い使い方~停電・災害時の自立運転コンセントの活用~』を同省のウェブサイトに公開した。二次災害を出さないための注意事項も分かりやすくまとめている。

記事は東経ビジネスに掲載中です。

2011年11月09日

九州は東北復興に寄与するか〜節電で進む「省エネ・創エネ・環境」対策〜1

 私たち国民の暮らし方を変えた東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故。節電の動きが加速された今夏であった。「3・11」を境に、私たちの価値観や物事の考え方はさらに変わりつつある。
7月1日、1974年以来、実に37年ぶりの電気事業法に基づく「電力使用制限令」が東京・東北の2電力管内に発動された。その後、7月20日には関西ほか九州など各電力管内にも節電要請が広がった。
 
 先進主要国のなかでもエネルギー自給率が4%と格段に低く、国内総発電量の約30%を原発に頼っていた日本。「3・11」と呼ばれるようになった原発事故以降、「創エネ」と「省エネ」がこれまで以上に求められている。

 そこで注目されているのが、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーだ。CO2を排出せず、地球温暖化を防ぐ切り札とされる。

 このような状況下、豊かな自然と先端技術が共存する九州の存在感が増している。いまこそ九州の産業が東北を盛り立てるときだ。

九州の太陽光発電普及率は国内トップ

 低炭素社会実現のため、わが国では住宅を中心に、2020年に2800万キロワットの太陽光発電を導入する目標を掲げている。

 九州エリアは、太陽光発電システム普及の先進地だ。

 2009年12月の住宅用太陽光発電システム普及率のランキングでは、トップ10に佐賀、熊本、宮崎、長崎、福岡と5県が入っている。九州では、住宅用・非住宅用ともに太陽光発電の普及率や設置件数、設備容量の平均が高い。太陽電池メーカー大手4社が生産拠点を置き、200以上の関連企業も立地している九州は、さながら「ソーラークラスター」だ。
(九州経済産業局「地域EMS課題調査報告書」)

 太陽光発電とは、太陽電池を利用して太陽光を電気に変える発電システムのこと。その主要構成材料のうち、保護シート等の周辺部材は日本の建築素材メーカーの得意分野だ。これらを扱う企業が多く、産業のすそ野も広いとなれば、関連事業での雇用創出も期待される。農家の後継者問題等で広大な低・未利用地もあるため、九州で太陽光発電の一大産業が形成されていく下地は十分ある。

 なお、電気事業連合会は、2020年度までに全国約30地点(電力会社10社合計)で約14万キロワットの太陽光発電設備を設置する計画を公表している。
(電気事業連合会『電気事業と新エネルギー2010 ― 2011』より)

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