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2011年01月26日

中四国地区の主な倒産を振り返る

 【7月 老舗業者の倒産】

 7月に入り、倒産が相次いだ。

 明治43年創業の中川木材㈱(広島県三原市)が、10億1,000万円の負債を抱え破産手続開始の申立を行った。債権者数は110名にのぼる。当社は地元備後地区を中心としたエリアで、建設関連業者を対象に木材や建材の販売を行ない、その永年の実績により、地場トップクラスに数えられるまでに成長を遂げた。本業以外にも、ホテルやキャンプ場の経営を行う等、事業を多角化。その一方で積極展開のツケが重荷となり、収益面を圧迫した。平成9年7月にはホテルを売却し、リストラによる立て直しを図るも、日には広島地裁福山支部に和議を申請し再建を続けていた。しかし、近時の景気後退の影響で、先行きの見通しが立たなくなり、事業継続を断念した。


 管工事の老舗㈱西備(広島県福山市)が破産手続開始の申立を行ったのも7月であった。

 当社は、昭和2コン筋や地場大手企業の下請けを中心とした受注基盤を構築し、ピーク時となる平成4年9月には10億円を超える売上高を計上。しかし、業界不況の波には太刀打ちできず、近年は減収推移で赤字に転落。売り上げ規模はピーク時の5分の1にまで減少しており、限界に達した。 また、同じく備後地区の老舗、原田建設㈱(広島県世羅郡)が事業を停止。事後処理を弁護士に一任し、破産手続開始の申立を行った。


 当社は、業歴50年を数える業者で、世羅郡や尾三地域事務所発注の公共土木および舗装工事を主体とした受注基盤を構築。しかし、広島県の北東部に位置する、もともと民需の少ない地域であり、受注環境は厳しく、近年は減収で推移。有利子負債は年商並みに達しており、厳しい経営を強いられていたが、力尽きた。

 広島市内では、老舗地場ゼネコンの日成建設㈱が広島地裁に破産手続開始の申立を行った。

 昭和21年9月設立、同45年には広島市安佐地区で1,000区画規模の宅地開発および分譲を手掛け、地場中堅の業者に数えられるようになっていた。また、関東地区へも進出するなど、エリア拡大による積極展開を行い、平成9年3月には過去最高の80億9,800万円内外の売上高を計上。しかし、その後は市況低迷により業績は悪化し、同15年6月、社長が責任を取り辞任した。


 一方、同年8月には不動産部門を分割すると同時に主力銀行からの出向者を迎え、金融機関主導の立て直しを図ってきた。出向者が退出して以降、独自に再建を続けるも、資金繰りは逼迫し支払い遅延が慢性化。対外的な信用も低下する中で、先行きが注目されていたが、限界に達した。


【9月 ホテル業界も業況厳しく・・・】

 昭和46年3月に設立した㈱岡山国際ホテル(岡山市中区)が、岡山地裁に対し民事再生手続開始の申立を行った。負債総額は14億3,900万円内外にのぼる。

岡山国際ホテルの名称で事業を開始。地元財界の出資を受け“迎賓館機能を持つ高級ホテル”をコンセプトとしたグレードの高い経営を続けてきた。平成18年4月にはホテルオークラのチェーンに入り、同19年10月には「ホテルオークラ岡山」へと名称を変更した経緯を持っており、岡山市では相応の知名度を有するホテルへと成長を遂げてきた。しかし、長引く景気後退の影響で利用客は減少。また、宴会部門など当ホテルの利用を継続してきた企業も、経費削減を強いられており、客単価は低下していた。同22年3月期には3億円内外の大幅赤字決算となり、債務超過に転落。経費削減策等、自助努力による立て直しを図るも、根本的な解決には至らず自力再建を断念した。



  ㈱シモカネ(山口県下関市)が山口地裁下関支部に破産手続開始の申立を行い、49億3,000万円内外の負債を抱え倒産。


 昭和26年創業の当社は、もともと金物販売を行ってきたが、時代の流れとともに家電製品の販売および住宅設備機器の販売へと主軸を移行させ商社へと転身。平成14年頃からはインターネットを活用した商品販売に参入し、同1は97億円内外の売上高を計上するまでに成長。好調な業績を背景に、不動産投資にも進出し業容を拡大した。しかし、この動きにより有利子負債は45億円規模にまで膨れ上がっていた。近年では景気の後退も進み、好調な動きをみせていたインターネット販売の売上が激減。同22年1月期の売上高は60億円内外にまで減少し赤字に転落していた。厳しい経営が続く同21年末頃には取引先への大口焦げ付きが発生。金融機関に対し返済のリスケジュールを申し込むとともに、山口県中小企業支援協議会を介した再建に取り組んでいた。先行きが注目される中、同22年7月の決済が不調に終止し、資金的な限界を迎えたため法的手段に踏み切った。


【9月 国内初、金融機関の倒産】


 通算業歴112年を数える老舗業者の㈱井東船具(広島市南区)が事業を停止し、広島地裁に対し破産手続開始の申立を行った。


船具用品や塗料、金物など造船関連商品の取り扱いに加え、カキ養殖用資材の販売も行い、地元業者を中心とした基盤を構築。永年の実績により、地元業界内では相応の知名度を有する企業であったしかし、業績は厳しく過去から取引先が当社所有の不動産に担保を設定するなど、与信面では今一歩の状態。造船業界やカキ養殖業界の市況も厳しく、その影響により当社も資金面、財務面ともに軟化が進んでいた。


 備後地区では老舗で地場上位に数えられる佐竹工業㈱(広島県三原市)が広島地裁尾道支部に対し破産手続開始の申立を行った。帝人㈱や東中国菱重興産㈱など大手企業からの受注基盤を構築してきた。しかし、近年の厳しい業績を強いられる中、平成18年6月期には過去の粉飾決算が発覚し与信が低下。その後も業界市況低迷の影響から連続赤字を計上する等、厳しい経営を強いられ、限界に達した。


 中四国地区以外であるが、日本振興銀行㈱(東京都千代田区)が民事再生手続開始の申立を行い、国内では初となる金融機関の倒産へと至った。 また、東証1部上場の㈱武富士(東京都新宿区)が負債総額4,336億円内外の負債を抱え会社更生手続開始の申立を行ったのも昨年9月。厳しい市況はついに金融機関の破綻といった事態を引き起こした。


【10月 違法行為の果てに】


㈲イッシンランバー(広島県廿日市市)が広島地裁より破産手続開始の決定を受けた。


 もともとログハウスの建築工事を主体としていたが、平成12年頃より健康食品の材料となる自社ブランド健康食品の“サンモリンガ”の販売を開始し業容を拡大した。しかし、この“サンモリンガ”の販売に関し、医薬品販売の許可を得ずに「がんに対する科学的予防能力剤」とうたったことが薬事法違反となり、同2神奈川県警に逮捕される事件が勃発。これにより対外的与信は著しく低下していた。なお、同製品はインターネットを通じ、5年間で約600人に販売され、4,000万円内外の利益を得ていた。


 メッシュ金型工事、建築用金物販売の㈱西部ニチラス(松江市)が従業員を解雇し事業を停止した。


 ㈱ニチラスの指定工事店として山陰地区で稼働を続ける一方で、平成1㈱関東ニチラスを立ち上げ販路を拡大してきた。しかし、建設業界市況低迷のあおりを受け業績は悪化。多大な有利子負債の負担も重く、事業継続を断念した。なお、当初は法的申立を行う方針であったが、自社で請け負った現場が残っているため、裁判所に対する破産手続開始の申立は取りあえず見送り。現場を完成させた後に、法的手段による清算を行うとしている。また、当社の倒産に際し、取引先との不明瞭な手形操作が行われていた模様で、これらの業者は後に手形決済が不調に終止。当社倒産の波紋が広がっている。


【11月 エコ分野でも大型倒産】


  ㈱ジュオン(広島市安佐南区)と、その関連㈱コスモエース(同所)が事業を停止し、事後処理を弁護士に一任した。


 木材製材時にこれまで廃棄処理されていた間伐材から特殊水溶液を抽出し、これを排気ガスに混合させ浄化させるという画期的な環境機器を開発。この技術は特許を取得しており、技術力には定評がある。本店以外にも東京事務所を設置し、関東エリアを中心とする受注基盤を構築してきた。平成21年1月には総事業費29億円を投じ、広島県庄原市に木質バイオマス活用利用施設を建設。農林水産省の地域バイオマス活用交付金を利用し資金を調達したが、当初予定通りの交付が受けられなくなり、資金面に狂いが生じていた。近時、新たにコーヒーショップで廃棄される“コーヒー豆のカス”に着目し、これらを特殊な方法で固めたコースターの製造や、新たなエコ商品の開発による新規事業を計画するなど、積極的な経営姿勢に変化はみられなかった。同22年4月には、上記施設の一部稼働を開始。同23年4月の全面稼働を目指していたが、資金面での限界を迎えた。なお、当初破産手続開始の申立を行い、法的な清算を行う方針であったが、行政関連の交付金を受けての事業であったため、地元行政から事業継続を求める声が上がっている様子であり、現在調整中と聞かれる。


  ㈲廣重機工業(山口県周南市)が6億円内外の負債を抱え事業を停止。破産手続開始申立の準備に入った。


 昭和54年4月創業の当社は、ゼネコン筋や地場中小建設業者を対象とした受注基盤を構築し、解体工事をメーンに稼働。本業に関連して、産業廃棄物のリサイクル施設を建築。その他、本社事務所の新築、賃貸用ビルの購入など、積極的な展開で設備投資を行ってきた。しかし、その分、有利子負債が増加し借り入れ負担が経営を圧迫していった。平成1期は公共施設の大型解体工事が寄与し、過去最高の10億4,570万円内外の売上高を計上していた。しかし、同期は国税局の税務審査により2億円を超える追徴課税を計上し、1億6,282万円の大幅赤字を計上。2億1,676万円の債務超過に転落し、厳しい経営を強いられていたが、限界に達した。


【12月 商業施設も競合激しく・・・】


  “米子しんまち専門店街”の運営を行う米子近代開発㈱の負債を抱え民事再生手続開始の申立を行った。 同専門店街はテナント店数61を数え、平成6年2月期には39億円内外の売上高を計上していた。しかし、同業他社の大型商業施設進出により客足は減少。撤退する店舗も増加し、それに伴う敷金返還が収益を圧迫。新規のテナント店の家賃も減額せざるを得ず、厳しい経営を強いられていたが、限界に達した。


  平成21年12月に中小企業金融円滑化法(通称モラトリアム法案)が、同23年3月までの期限付きで施行。金融機関への借り入れ元本および利息返済の猶予という選択肢が法的に認められる状態となった。 同法案の施行以来、平成2日までの中国地区管内42金融機関(地方銀行9、信用金庫22、信用組合11)での対応をみても、各月末までの申込件数(累計)に対する実行の割合は上昇し、審査中の案件処理の迅速化が進んでいる。同22年9月期時点で申込件数6万8,383件に対し実行件数は6万1,234件で実行率は89.5%にまで高まっている。


こうした背景もあり、倒産の件数は減少傾向で推移。同22年12月14日には金融庁が中小企業金融円滑化法の期限を1年間延長することを正式に発表しており、金融債務の返済再開について、取りあえず先送りされた格好となった。 ただし、景気低迷が続く中で、延長された期限が到来するまでに、各中小企業が経営および返済能力の改善につながるかどうかについては、いまだ不透明な状況と言わざるを得ない。

2010年08月12日

平成22年上半期 中四国地区の主な倒産を振り返る2

倒産を振り返る【4月 倒産件数は減少】
 地場中堅チルド輸送業者の朝日運送㈱[広島市西区]が、15億円内外の負債を抱え事業を停止、破産手続開始申立準備に入った。広島市西部を中心としたエリアに、地元大手スーパーのイズミや食品関連業者の紀文食品、マルハニチロなど良筋を含む受注基盤を構築。その後、岡山県倉敷市、愛媛県伊予郡、大阪市住之江区に営業所を設置し関西・中四国にまでエリアを拡大。地場中堅業者として数えられるまでに成長を遂げた。しかし、近年に入り粉飾決算が発覚。平成18年1月期以降、修正損の計上により大幅赤字を計上し債務超過に転落し、対外的な与信も大幅に低下する中、平成19年頃からは借入金の返済も滞り、一部の金融機関は債権をサービサーに譲渡。また、譲渡債権請求事件や敷金返還請求事件など、金銭トラブルで訴えられ、厳しい状況が続いていた。近時、広島本店の営業権譲渡先を探すも、折り合いのつく先が見つからず断念。遂に限界に達した。

 建設業界でも依然市況が低迷。とび土工工事を手がける㈱御崎組[岡山市南区]が支払い不能に陥り、破産手続開始申立準備に入った。国土交通大臣許可を取得し、岡山県及び山口県をエリアに稼働。公共工事元請の他、大手建設工事業者からの下請けにより受注基盤を構築し、岡山県下ではトップ30に入る中堅業者に成長してきた。しかし、近年続く公共工事削減策の影響が色濃く受注環境は悪化。減収に歯止めが掛からず赤字決算に転落するなど、厳しい経営を強いられていた。そのような中、遂に資金面が限界となり、事業継続を断念した。


【5月 アパレル業界でも】
 婦人服製造販売の㈱ラブエルが事業を停止、破産手続開始申立準備に入った。百貨店やショッピングセンターへの卸売を行うほか、自社でもテナント直営店を経営。昭和60年には東京 原宿に営業所を設置するなど積極的な動きを見せていた。しかし、バブル崩壊後の急激な市況の低迷に耐えきれず、平成5年1月には広島地裁に和議を申請し事実上倒産。再建を図り、近年までに北海道から鹿児島まで、日本全国で39店舗の自社ブランド店を展開してきた。しかし、近年では景気の低迷から資金面は軟化。平成19年以降、取引金融機関が相次いでサービサーに債権を譲渡。また、平成21年には本店不動産を売却するなど事態は更に暗転。取引先から動産譲渡登記・債権譲渡登記を設定されるなど、対外的与信も大幅に低下し先行きが注目されていたが、遂に力尽きた。

 機械部品加工の老舗業者 前島工業㈱[島根県八束郡]が松江地裁より破産手続開始決定を受けた。負債総額は7億2,900万円。農業機械、工作機械、理美容機械など、各種機械装置の部品加工及び製造を手がける他、ハンドエアポンプや家庭用木工旋盤などの開発も行い、永年の実績による技術力には定評があった。しかし、近年の景気後退に伴い、主要取引先の設備投資が鈍化。自社工場の売却により急場を凌ぐ計画を立てるもうまくいかず資金繰りが悪化し、遂に限界を迎えた。


【6月 依然厳しい建設業界】
 建設工事業界市況の低迷は材料業者へも影響を与えており、広島県三原市の木材・建材販売業者 中川木材㈱が10億1,000万円の負債を抱え広島地裁尾道支部へ破産手続開始申立を行った。明治43年創業の老舗業者で、地場ではトップクラスにランク。本店所在地以外にも福山市に営業所を設置、備後地区をエリアに建築工事業者を対象とした受注基盤を構築してきた。本業以外にもホテル経営やキャンプ場の経営を行う等経営を多角化。しかし、景気後退が進み本業で厳しい経営を強いられる中、兼業部門も業績に貢献せず重荷となり、平成9年にはホテルを売却。資産処理を進め立て直しを図るも、平成9年12月広島地裁に和議を申請し事実上倒産。平成10年10月に和議認可を受け再建に取り組んできたが、近時に入ってからも業界不況は続き、遂に限界に達したことから事業継続を断念した。なお、尾道市で運営していたオートキャンプ場も閉鎖をしている。

 景気後退の波は食の関連業者へも広がり、㈲井原ファーム[岡山県井原市、採卵養鶏]が15億3,000万円の負債を抱え岡山地裁倉敷支部に民事再生手続開始を申し立てた。飼料業界大手の日本配合飼料㈱を主取引先とし、井原地区では中堅クラスに位置していた。創業当時から積極的な設備投資を行い、当地区では先駆的な鶏舎も建築。しかし、積極策が裏目に出ており、債務不履行が発生。金融機関の管理下に置かれる等、対外的与信は低下をしていた。その後も周囲の養鶏業者を傘下に置くなど積極策を続けたが、鳥インフルエンザや鶏卵価格の低下などの影響で売上高は減収で推移。それまで支援をしてきた支援メーカーからの協力も得られなくなり、資金繰りが急激に逼迫し、限界を迎えた。

 松栄産業㈱[広島県尾道市、総合建設]が、事業を停止、破産手続開始申立準備に入った。過去には工事業以外に海砂採取を行い安定した業績を確保。しかし、広島県全域の海砂採取が禁止され売上の柱の一部を失う格好となった。そのような中、平成9年に代表者が贈賄の疑いで逮捕される事件が勃発。対外的信用も低下をしていた。その後、広島支店や実質本店であった福山支店を閉鎖し現本店に集約。大幅なリストラ策に着手をして立て直しを図ってきた。しかし、平成17年には関連会社のマツキ建設㈱が談合を行ったとして広島県から90日の指名停止処分(その後同社は休眠)を受け、グループでの信用が完全に失墜。不動産部門を分離させ、建設業に専念することで立て直しを図ってきたが、近年続く業界市況低迷の影響で業績回復には至らず、遂に事業継続を断念した。

2010年08月11日

平成22年上半期 中四国地区の主な倒産を振り返る1

倒産を振り返る【1月 件数は横ばいながら大型倒産も】
 広島県尾道市の石油類輸送業者㈱ローリーテックコーポレーションが33億6,000万円の負債を抱え広島地裁尾道支部より破産手続開始決定を受けた。旧社名㈱中国運送、業歴50年を数える老舗。タンクローリーによる石油類の輸送を行い、相応の設備投資が必要な業種で、新規参入者は少なく事業を有利に展開。しかし、燃料価格の高騰など経営環境が悪化。関連会社に行った25億円の債務保証が不良化するなど財務面も劣化し、遂に限界を迎えた。なお、平成21年9月から、新会社中国運輸㈱が事業を引き継いでいる。

 島根県浜田市の生コンクリート製造業 浜田生コン㈱が46億円内外の負債を抱え松江地裁より破産手続開始決定を受けた。地元浜田市の他、江津市と広島市に工場を有し、同エリアで相応のシェアを確保していた。しかし、実質子会社の天狗石リゾート㈱[島根県那賀郡旭町、スキー場経営]が平成13年7月に破産。同社に対し多額の不良債権が発生し、当社自体も当時76億円の負債を抱え松江地裁に民事再生を申請。平成14年11月にはウベコン浜田㈱[同所、生コン製造]に事業譲渡を行い当社は解散。平成21年7月に当社の再生手続は終結を迎えたが、処分できる資産も尽きており、今回の措置へ踏み切った。

 リゾート業界でも朝日ゴルフクラブ広島コース、大山コースを経営する朝日リゾート開発㈱[登記上本店・大阪市中央区]が大阪地裁より破産手続開始決定を受けた。預託金150億円を含めた負債総額は187億円内外。平成1年に設立し、広島コースは平成5年12月にオープン。山陽自動車道志和ICからも近い立地で、難易度は高いが一時は相応に人気を有していた。しかし、景気の低迷とともに来客数は減少し、同業他社との競争は激化。厳しい経営を強いられており、平成20年頃にはゴルフ場売却などの動きも見せ注目をされていたが、遂に限界に達し事業継続を断念した。


【2月 経営破綻が続くゴルフ場業界】
 ㈱出雲空港カントリー倶楽部[島根県簸川郡、ゴルフ場経営]が72億円の負債を抱え民事再生手続開始申立を東京地裁に行った。地元斐川町が6.7%出資の第三セクターとして発足。出雲空港から車で5分と立地条件は良く、地元ゴルファーからの支持を得て経営を続けてきた。しかし、平成15年以降は市況の低迷とともに減収で推移。経営難に陥る中、平成16年からは預託金の償還も始まったが、会員に対し10年間の延長を要請。しかし、20%の会員からは同意を得られず、その内一部会員との間では預託金返還訴訟に発展、資金繰りが逼迫し、遂に限界に達した。

 カトキチ高松開発㈱[香川県高松市、ゴルフ場経営]が東京地裁に会社更生手続開始申立を行った。カトキチクイーンズゴルフトーナメントが開催されるなど知名度も高い屋島カントリークラブを経営。しかし、平成19年にグループ中核の㈱加ト吉の循環取引が発覚。また、近年は景気後退の影響もあり会員数は減少の一途を辿っていた。そのような中、平成22年2月末に2億円の預託金償還が迫っており、資金調達が困難なため今回の措置を選択した。

 経営コンサルタント業の㈱メジャー[広島市西区]が、15億5,000万円の負債を抱え広島地裁に破産手続開始申立を行った。税理士事務所の会計部門が分離独立、司法書士事務所や社会保険労務士事務所などと連携を図り、企業支援や労務、法務、会計など総合的なコンサルタント業務を行ってきた。平成16年には東京支店を設置しエリアを拡大。近年では200件以上の顧問先を抱えていた。しかし、2人代表の一人、某代表者がコンサル先の取引行から不正に資金を引き出すなどの問題が勃発。返済問題を抱える中、同氏が急逝し事態は暗転。資金繰りの目処が立たなくなり、遂に限界に達した。


【3月 倒産件数は大幅増加で推移】
 地元有名釣具店の㈱アングルが6億2,800万円の負債を抱え広島地裁に対し特別清算開始申立を行った。当社は“釣具のアングル”として釣具の他アウトドア用品の販売を手がけてきた。広島県を中心に、山口県・愛媛県にも出店を重ね、瀬戸内沿線を営業エリアとして構築。しかし、近年は同業他社の進出も多く競争は激化。関連会社を吸収合併させるなどリストラ策を断行し立て直しを図ってきたが、厳しい経営を強いられており、平成21年4月には㈱植村漁具[山口県下関市]に会社分割を行い、当社としての事業継続を断念していた。

 そうした中、関連会社のウッズ㈱(旧商号 タンクルウッド㈱)も平成22年2月に広島地裁より破産手続開始決定を受けるなど、グループ自体としても経営は行き詰っていた。なお、釣具店舗“アングル”は現在も同商号で営業を続けている。

 内装業者の㈲ニシハラ[広島市中区]が広島地裁に破産手続開始申立を行った。明治38年4月創業の老舗業者で、地元建築業者の下請けを中心とした受注基盤を構築してきた。しかし、業界市況は低迷し、収益面は悪化。債務超過を抱え、老舗と言えども厳しい経営を強いられていたが、遂に限界に達した。

 ㈱モモ・アライアンス[岡山市北区]が破産手続開始申立準備に入った。業界後発ながら、電子機器・ソフトウェア開発技術には定評があり、大手企業からの支援を受けていた。しかし、先行する開発費の償却負担が大きく、近年では億単位の大幅赤字を計上。本店移転を行い、家賃負担の軽減を図るなど懸命の立て直しを図っていた。資金面が逼迫する状況の中、取引先各社に対し支払い条件の変更を要請。また、従業員給与の支払いも滞る状態となり、対外的な与信が急速に低下。業界内では先行きが注目されていたが、遂に限界に達し事業継続を断念した。