東京経済提供:企業ニュース・大型倒産速報
東京経済株式会社
東京経済
>>メールマガジン購読について
会社情報 | 個人情報保護方針 | お問い合わせ
企業情報インターネット検索
全九州&広島県 企業情報
倒産情報&債権者データ
インフォリンク21
ログイン画面へ
インフォリンク21とは
東京経済東経ニューストップ倒産予知情報(特別情報)大型倒産倒産情報債権者情報経営指針経営は心会社訪問調査員の目倒産集計プレスリリース売ります買います求めます

会社情報

-

メイン

2010年08月09日

上場ゼネコン53社の平成21年度業績4

表1

2010年08月06日

上場ゼネコン53社の平成21年度業績3

業績◎DEレシオ
 有利子負債への依存度を示す指標で、多くのゼネコンが中期経営計画などで目標値を掲げているが、全社平均は1.1倍と前期末から0.2ポイント改善した。自己資本が増加した一方、有利子負債の圧縮が進んだ結果。

 1倍を超えると有利子負債の圧縮を求められることが多いが、スーパーゼネコンは軒並み1倍超。最大は大成の1.9倍。その他ではたな卸不動産を多く抱える長谷工が2.4倍、PFI事業子会社を新規に連結した淺沼も2.0倍、3期連続赤字の福田が1.7倍と目立つ。下位ゼネコンでは大末(3.2倍)、「46.南海辰村建設」(3.9倍)、「48.森組」(2.8倍)の在阪3社が過小資本体質。

 なお、レポート中では有利子負債からバランスシート上の現金預金を差引いた「ネットDEレシオ」を用い、より実態に近い有利子負債依存度を算出している。


◎まとめ
 「量」の減少を「質」の向上が補ったというのが今回の傾向というのは先に述べた。ただし、その「質」の向上が建設会社の自助努力というよりは、鋼材をはじめとする資材相場がリーマンショック後に下落したという外部要因に支えられていたことがより重要なポイントである。つまり増益各社も単に「運がよかった」という側面が強い。

 実際、平成22年度に入り、新興国の旺盛な需要などを背景に代表的な建設鋼材であるH型鋼をはじめとする資材価格は急騰しており、このままでは外部要因による減益が続出しかねない。つまり今度は「量」の減少と「質」の低下が同時に進む可能性がある。

 また、ついにドバイ、アルジェリアの海外大型工事の損失計上が本格的に始まったのが今回の第二の特徴。堅実経営で知られる大林の巨額赤字により、ことの重大さを遅まきながら知った向きも多いはずだ。しかし、小社の分析によれば、鹿島、大成は損失計上を先送りしており、問題は根深い。

 両社とも20年度に最終赤字を計上しており、2期連続の赤字は繰延税金資産維持の観点からも是が非でも回避する必要があった。しかし、格付機関が鹿島の格付けを引き下げるなど、市場は巨額の追加損失の計上を織り込みつつある。

 さらに22年度は公共工事の大幅削減が決定しており、受注回復を断念した業者がリストラに動いたのが第三の特徴。具体的には西松、五洋、間組、不動テトラ、大末、佐田が今年に入って早期退職募集に踏み切っているが、一般に「1人1億」といわれる受注サイズを確保できていない業者はまだある。今後の受注動向によってリストラ(会社によっては再リストラ、再々リストラ)しか道がなくなるケースも出てくるだろう。

 とくに入札における総合評価方式が浸透し、各社に専門組織ができるなどした結果、制度導入当初に技術アピールの面で先行した間組、飛島建設などの優位性は失われ、技術レベルで差が出ずに結局価格争いに戻っている点は注目される。

 こうした中、ゼネコン関係者の間では早くも大規模補正予算待望論がでているが、実際「そうでもしてもらわなければ会社がもたない」という状態に追い込まれている。また、マリコン各社は沖縄の普天間基地の名護市辺野古沖への移転に伴う大規模埋立工事を切望している。そこで菅直人新首相がどのような政策を打ち出すのか、各社は固唾を呑んで見守っている。相変わらずゼネコンの運命は政治と深く結びついているのが現実である。

2010年08月04日

上場ゼネコン53社の平成21年度業績2

◎有利子負債・キャッシュ
 前期末と比較して、営業キャッシュフローの赤字などによる有利子負債の増加と、キャッシュ(連結キャッシュフロー計算書での「現金および現金同等物」)の減少が同時に起きているのは、「1.鹿島建設」、「13.奥村組」、「20.淺沼組」、「38.北野建設」、「46.南海辰村建設」、「50.ヤマウラ」、「51.工藤建設」、「52.鈴縫工業」の8社だった。

 鹿島はアルジェリア、ドバイなどでの大型工事で工期延長や代金回収の遅延が響き、工事資金収支が悪化しており、有利子負債は全社トップの6,200億円に達した。

 一方、代金回収条件短縮への取り組みなどで有利子負債の減少とキャッシュの増加が同時に起きている会社は23社に達した。ただし、中には受注規模の大幅縮小で一時的にキャッシュフローが好転したケースもあるようだ。
有利子負債ゼロは「29.東鉄工業」、「31.大本組」、「53.金下建設」の3社。

 53社の有利子負債トータルは3兆2,676億円と前期末比6.1%減少、一方キャッシュは1兆4,898億円と1.4%増加で、差し引きしたネット有利子負債は1兆7,778億円と11.6%減少した。


◎単体受注高
 業績の先行指標だが、マンション市況の回復の遅れや大手メーカーの設備投資先送り、海外受注の落ち込みなどで軒並み減少した。

 特にスーパーゼネコン4社のうち鹿島、大成の1兆円割れは話題となった。鹿島は23年ぶり、大成は24年ぶりの異常事態。

 ただし、最も注目された長谷工は代金回収条件を事実上不問にする一大方針転換に踏み切り、必死の営業展開を繰り広げた結果、至上命題だった2,700億円をギリギリクリア。一方、西松は事件発生に伴う指名停止の影響などが一巡しても受注が回復せず、900名の大規模リストラを余儀なくされた。

 53社トータルでは9兆0,592億円と前期比15.1%減となった。


◎完成工事総利益率
 工事の「質」を示す指標。全社平均で7.7%と前期を0.7ポイント上回った。

 選別受注の効果が浸透してきた上、受注時の想定より鋼材など資機材価格が下落に転じたことが効いている。羽田空港D滑走路建設工事で得意の大規模埋立が順調に進捗した「10.五洋建設」、「15.東亜建設工業」、「22.東洋建設」、「37.若築建設」のマリコン4社も好転。「量」の減少を「質」の向上が補ったというのが今回の決算の顕著な傾向となった。

 ただし、海外土木で巨額損失を出した大林は▲0.9%と歴史的な低水準に陥った。同様に鹿島、西松も前年を下回った。


◎自己資本比率
 財務体質の健全性を表す指標だが、全社平均は28.1%と前期末より4.0ポイントも上昇した。利益の積上げもあるが、前期末より日経平均株価は37%上昇し、有価証券の含み損益が好転した影響も大きい。また、事業規模縮小に伴い総資産が減少した企業も多い。

 自己資本比率一ケタ台はスポンサー問題の行方が注目される「8.三井住友建設」(7.9%)のみ。

2010年08月02日

上場ゼネコン53社の平成21年度業績1

業績 平成22年3月期の決算発表が一巡したことを受けて、上場ゼネコン53社の平成21年度業績について別表の通り集計を行った。別表は53社を連結売上高順に並べたものである。

 決算月の異なる「23.福田組」と「53.金下建設」は21年12月期、「50.ヤマウラ」は21年9月期、「51.工藤建設」は21年6月期を集計対象としている。

 原則的に受注高と完成工事総利益率以外は連結ベースの数値を使用した(ただし、「17.髙松コンストラクショングループ(CG)」はすべて連結ベース、反対に連結決算を作成していない「40.イチケン」、「45.第一建設工業」はすべて単体数値を用いている)。

 なお、営業利益、経常利益、純利益の前期比欄の「-」は前期と損益が逆転して比較できないことを示し、「*」は前期に続いて赤字であることを示す。


◎売上高
 3月期決算企業は平成21年度より「工事契約に関する会計基準」(企業会計基準第15号 平成19年12月27日)が適用され、新たに着手した工事契約からは全面的に工事進行基準で完工高を計上することとなった。

 これにより、従来多くの企業が採用していた限定的な工事進行基準より売上高を上ブレさせたにもかかわらず、増収は3月期決算の49社中、僅か7社にとどまった。受注環境の悪化が響いており、一部では3割近くの減収もみられる。

 53社トータルでは12兆4,933億円と前期の14兆4,102億円より13.3%減少した。


◎営業利益
 海外大型プロジェクトでの赤字の影響で「1.鹿島建設」、「4.大林組」、「7.西松建設」が赤字に転落したほか、深刻な受注不振の影響で「49.佐田建設」も赤字。

 しかし、「3.大成建設」は海外工事の損失一巡で黒字転換した他、増益組も目立つ。
不採算工事の排除を進めてきた成果に加え、資材価格の下落による完成工事総利益率の改善も大きく寄与した。

 建設業特有の事情として、受注から完成まで長期にわたるものが多く、受注時の積算より施工時の資材価格が下落した場合、想定以上の利益が出ることになる。「6.長谷工コーポレーション」など、これにより減収の影響を補った例も多かった。

 ただし、全体では大林組の625億円もの赤字が足を引っ張り、1,340億円と前期比34.7%減となった。


◎経常利益
 営業損失の4社のうち、鹿島は167億円の持分法投資利益を営業外収益に計上して黒字のため、経常赤字は3社のみ。

 営業利益に連動して改善している企業が目立つが、トータルではやはり大林の赤字の影響が大きく、1,265億円と26.6%ダウンとなった。


◎純利益
 経常赤字の3社に加え、特別損失で減損損失を計上した「2.清水建設」、人員削減に伴う特損を計上した「14.間組」と「42.大末建設」、資産リストラに伴う減損損失を計上した「23.福田組」と「37.若築建設」、ジョイント・コーポレーションへの焦げ付きが響いた「30.松井建設」、食料品事業からの撤退を決断した「52.鈴縫工業」の7社が加わり、10社が最終赤字となった。前期の20社から半減。

 2期連続赤字は福田、若築のみだった。トータルでは105億円の欠損となったが、前期の▲425億円より赤字額は縮小した。