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2009年12月03日

九州・沖縄地区ゼネコン100社の決算分析より10

地区別利益率状況

建設中のビル 2008年度の100社の各利益率は前述の通り売上総利益率が8.29%、営業利益率が1.46%、経常利益率が1.61%、当期利益率がマイナス0.63%。

 県別でみると各利益率で最も高い数値となっているのは鹿児島県で、売上総利益率12.69%、営業利益率3.27%、経常利益率4.05%、当期利益率2.16%となっている。

 また、当期利益段階で宮崎県及び長崎県が赤字となったことから全体で見ても0.63%の赤字となったが、前述の通り宮崎県は(株)志多組、長崎県は(株)西海建設の大幅赤字が主な要因である。

2009年12月02日

九州・沖縄地区ゼネコン100社の決算分析より9

地区別ランクイン企業の分析
 各県別のランクイン企業は従来通り最も多いのは福岡県で31社であるが、前年度対比では5社の減少となった。次に多かったのは沖縄県の15社で前年度より6社の増加となった。以下、長崎県が11社、熊本県と大分県が10社、鹿児島県が9社、佐賀県が8社、宮崎県が6社と続いている。


地区別売上状況
 各県別の売上状況は31社と最も多くランクインする福岡県が2480億2500万円とここでもトップ、15社がランクインする沖縄県が1132億9700万円と続く。3番目に多いのはトップ10に3社がランクインする大分県の1127億7200万円で、ここまでが売上1000億円を超えている。

 また、ランクイン企業の1社平均の売上高が最も多かったのは宮崎県の123億6800万円、2番目が佐賀県の121億4300万円、大分県の112億7700万円と続いている。

 前年対比で売上合計が増加しているのは沖縄県、佐賀県、長崎県の3件で、特に沖縄県は297億8300万円の増加となっている。ランクイン企業の増加と共に旭橋地区などで進む再開発に伴う需要も大きく貢献している。

2009年12月01日

九州・沖縄地区ゼネコン100社の決算分析より8

従業員状況
 2008年度、上位100社合計の従業員数は1万1172名となり、前回より724名(6.1%)の減少となった。近年、各業者は売上減少や収益性の悪化から人員削減を含め経費圧縮を進めてきた結果、大幅減少となった。集計基準が異なる点はあるが、10年前の98年度の1万6251名に比べると5079名減少しており、実に31.3%の減少となっている。

 企業の労働生産性を分析する従業員1人当たり売上高は、2002年度度以来回復基調となっている。特に2005年度以降の生産性は顕著に改善されており、2008年度の従業員1人当たり売上高は7369万円となっている。以上のように1人当たりの生産性は大きく改善されているが増収によるものではなく、従業員の減少に起因するところが大きい。なお98年度の1人当たりの売上高は6595万8千円。

2009年11月30日

九州・沖縄地区ゼネコン100社の決算分析より7

借入状況
 2001年度以降、各ゼネコンは不良資産や不採算関連会社の売却などを積極的に進め、借入金の圧縮や財務面の改善に注力した結果、借入金は圧縮傾向が続いてきた。2007年度には上位100社の借入金合計は、前年度対比で394億900万円(前年度対比マイナス25.5%)と大幅に減少し、1152億8800万円にまで圧縮されていた。

 ただし2008年度は一転、1411億6400万円となり、前年度対比で258億7600万円(前年度対比22.4%)の増加に転じた。要因としては特に50位以上の上位クラスの増加が見られ、中でも㈱志多組は前年度の68億413万4千円より157億7058万2千円へ、実に89億6644万8千円の増加となっており、全体を大きく押し上げる要因のひとつとなっている。

 なお「借入ゼロ」、いわゆる無借金企業は㈱佐伯建設(大分県)をはじめ31社で前年度よりさらに2社増加した。

【表3】

2009年11月27日

九州・沖縄地区ゼネコン100社の決算分析より6

収益状況
 100社平均の売上総利益率は2008年度が8.29%。総利益率の集計を開始した03年度が10.5%で、以降低下傾向が続いており前年度対比0.69ポイントダウンした。

 本業での利益をあらわす営業利益率は2008年度が1.46%で2004年度以降連続して減少。前年度対比でも0.45ポイントのダウンとなった。

 経常利益率は2008年度で1.61%、こちらも2004年度以降低下傾向が続き前年度対比でも0.46%ポイントの低下となった。当期利益率については2008年度は2008年8月に民事再生手続の開始を申し立てた㈱志多組が65億1555万9千円の赤字、金融機関より債務カットを受けた㈱西海建設(長崎県)が29億8936万3千円の赤字となったことが大きく影響してマイナス0.63%となり、2006年度以来2期振りに赤字に転落した。なお、㈱志多組及び㈱西海建設の2社を除いた98社の当期利益合計は43億1621万4千円であった。

2009年11月26日

九州・沖縄地区ゼネコン100社の決算分析より5

ビル街 2008年度のランキング上位100社のうち、最も多い売上区分は前回同様50億円未満の45社で、前回と同数。次いで50億円以上100億円未満が前回対比4社減の33社となっている。また、500億円以上は前回に引き続き松尾建設㈱(佐賀県)のみと変わりはないが、300億円以上400億円未満は前回の5社より4社減少し㈱志多組(宮崎県)1社のみとなった。

 また、トップ100社のうち、増収企業は53社(前回59社)で、減収企業は47社(前回41社)。なお、増収企業53社のうち、33社が売上区分50億円以上で占められており、特に中堅以上の健闘が目立つ結果となった。

2009年11月25日

九州・沖縄地区ゼネコン100社の決算分析より4

過去10年間の売上を分析する
 九州・沖縄地区建築工事上位100社の総売上高は8232億6976万7千円(前年度対比200億1999万1千円減)となった。ただし、ランキングに入る企業は年次ごとに変動があるため、今回ランクインした100社に限定した2007年度売上高は8184億6407万3千円、2007年度対比では48億569万4千円の増加となった。

 また、集計基準を変更した2002年度以降の7年間、最も総売上高が多かったのは同年度の9050億1633万2千円で、以降減少傾向が続き2005年度は8233億6185万3千円にとどまった。その後、2006年度は増加に転じたが、2007年度、2008年度と連続して総売上高は減少、2008年度は2005年度を9208万6千円下まわり、過去7年間では最低となった。

2009年11月24日

九州・沖縄地区ゼネコン100社の決算分析より3

上位10社のランキング動向
 2008年度の集計で新たにトップ10入りした企業はなく、10社は前年度同様の顔触れとなったもののランキングには変動があった。1位の松尾建設㈱、2位の㈱志多組、4位の九鉄工業㈱、5位の㈱さとうベネック及び10位の㈱谷川建設は前年度と同順位であったが、前年度8位の梅林建設㈱が3位へ、9位の上村建設㈱が6位へ順位を上げた。逆に前年度3位の㈱國場組が7位へ、7位の㈱佐伯建設が8位へ、6位の西日本菱重興産㈱が9位へそれぞれ順位を下げた。また、前年度対比で売上を伸ばしたのは松尾建設㈱、梅林建設㈱及び上村建設㈱の3社で、残りの7社は前年度対比で減収となっており、特に㈱國場組及び西日本菱重興産㈱は100億円を超える減収となった【表1】。なお、11位から30位までのランキングは【表2】のようになっている。


【表1】と【表2】

2009年11月20日

九州・沖縄地区ゼネコン100社の決算分析より2

 ただし、今回の集計は2008年4月期~2009年3月期決算が対象のため、今回の危機の影響が本格化する前に決算を終えた企業、それ以前の受注に支えられ決算を終えた企業も多く、実際に影響が出るのは2009年度(2009年4月期~2010年3月期決算)以降との見方が強い。一部、昨今の厳しい受注環境の中でも独自の営業力を生かし年商に匹敵する手持ち工事を有する企業もあるが、急激に手持ち工事が減少している企業も多く見られる。

 2009年度の集計時には2008年度以上に総売上高の減少が懸念される中、各社、営業力や技術力などを駆使し生き残りに全力を注いでおり、今後の受注動向などが注目される。

2009年11月19日

九州・沖縄地区ゼネコン100社の決算分析より1

ゼネコン特集写真 2008年度の九州・沖縄地区建築工事業100社の総売上高は8232億6976万7千円となり、96年度の集計開始以来(2002年度より集計基準を一部変更)最低であった2005年度の8233億6185万3千円を下回り最低の水準となった。

 また、アメリカのサブプライムローン問題に端を発し米国発の金融危機が世界を席巻、わが国の不動産バブルも終焉を迎えることとなった。金融機関の不動産融資への審査厳格化、所得問題による消費マインドの低下など不動産業界の低迷が一気に表面化、近年の建築市場を支えてきた不動産業界の環境悪化から、建築業界にも多大な影響を与えている。特に外資や中央資本を巻き込んだ『天神地区』や『博多駅周辺』などの不動産バブルおよび分譲マンションの建設ラッシュに沸いた福岡地区、旭橋地区の再開発やリゾート開発など活発な受注状況が続いていた沖縄地区などでは多大な影響が出てきている。