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2009年11月04日

絶対数不足に陥る「老人介護・福祉施設」優良事業者の育成が急務3

 それでは、こうした危機的状況にどう対処したらいいのか。政府は在宅化を進めることで施設不足を補おうとしているが、老人介護施設の現場からは「在宅では無理」と断言する声が聞かれる。それはすなわち、60代の子どもが80代の親を看るというような「老老介護」となるのが現実であり、しかも認知症を伴うケースが増える中で、在宅での介護は現実には不可能だというのだ。

 そうなると、残された道はひとつしかない。老人介護福祉施設を増やすことだ。しかしこれも一朝一夕にはいかない。介護の現場ではいかに意欲があっても、労働条件や給与面の整備が追いついていない。政権与党となった民主党は介護職員の給料の月額4万円アップをマニフェストに掲げているが、その効果を最大限に生かすには、介護従事者に働きやすい環境を提供できる優良介護福祉事業者の育成が急務だ。

 医療費や介護保険費用の抑制にとらわれるあまり、現実との乖離(かいり)が広がってしまった老人介護福祉のひずみを正すために、行政と意欲ある民間事業者のさらなる連携強化が求められているのだ。

2009年11月02日

絶対数不足に陥る「老人介護・福祉施設」優良事業者の育成が急務2

 医療制度改革の「療養病床の再編成」は、医療費の抑制を目的としたもので、加えて加療の必要がないのに家庭や老人福祉施設の受け皿がないため病院に入院している「社会的入院」の解消を狙っている。その目的自体は間違いではないものの、受け入れ側の老人介護福祉施設の整備が大幅に遅れているのが現状なのだ。

 そもそも、日本の老人介護福祉施設の整備は社会のニーズから大幅に遅れている。年金程度で入所できる特別養護老人ホームは、全国で待機者が40万人といわれ、申し込んでから3年4年待たないと入所できないのが現状だ。民間の有料老人ホームは、その大半が入居一時金など高額な費用が必要で、公的な施設とはなりえていない。その一方で、介護保険費用の抑制を目的に行政は老人介護福祉施設の総量規制を行い、この数年は新規開設ができない状況となっていた。さらに、2012年には団塊の世代が65歳を迎え、以降、毎年100万人単位で高齢者人口が増えてゆく。

2009年10月30日

絶対数不足に陥る「老人介護・福祉施設」優良事業者の育成が急務1

㈱さわやか倶楽部~さわやか大畠壱番館・デイサービスセンターの様子2012年に大量の『介護難民』発生か―高齢化の進展とともに多くの課題を抱えている老人介護福祉に、さらに大きな難題が迫っている。2006年に決定した医療制度改革のひとつとして、2012年度までに病院の療養病床・介護病床を大幅に減らし、介護療養型老人保健施設に移そうというのだ。その数、23万床。それでなくても特別養護老人ホームの待機者数は全国で40万人にものぼるといわれている。老人介護・福祉施設の絶対数がいよいよ足りなくなるのだ。