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2008年11月07日

「増設新案」か「新空港建設」か、決断の時期に6

麻生福岡県知事は「本年度中に決断」
「福岡空港問題」は果たして離陸できるのか 新福岡空港促進協議会は「新空港推進」の旗は降ろさないとしており、福商も新空港推進の立場を変えていない。麻生渡・福岡県知事は現在は白紙の立場としながらも、「本年度内に決断する」と明言している。

 20年来続く福岡空港の将来像をめぐる論議が、検討の段階から決断の時期に差し掛かっていることだけは間違いない。

2008年11月06日

「増設新案」か「新空港建設」か、決断の時期に5

国交省のホンネは「増設新案」で決まり?
 ステップ3で提示された建設費と工期は、概ね新設で1兆円ないし1兆1000億円、増設で2500億円から7500億円を見込み、工期についても新設で約13年、増設で8年ないし14年を想定した。この段階では、費用に対する増便効果も明確でなく、増設案の新設案に対する優位性もはっきりしていなかった。最もコストの低い「西側210メートル案」にしても、後方乱気流などの問題がネックとされていたからであった。

 後方乱気流は航空機が着陸する際、両翼端から後方に渦巻状で発生する気流の乱れ。従来の「西側210メートル案」の場合、新滑走路が離陸専用で、しかも現滑走路より北側に200メートルずれていたので、北側からの進入機は離陸機の前方に着陸することになり、後方乱気流の影響を避けるため離陸を2分間程度待つ必要があった。

 しかし、国交省が6月30日および8月7日の専門家会議に「西側210メートル案」を改良して提示した「増設新案」は両滑走路の北端をそろえたことで後方乱気流の問題も解消され、事業費も安く、発着回数の効果もあった。それに引き換え、新設案は代表案を提示しながら、一つに絞り切れていなかった。ここに来て、国交省のホンネは「増設新案」で、新設案は新設方針で譲らない地元経済界に配慮して残したに過ぎないと言われている。

2008年11月05日

「増設新案」か「新空港建設」か、決断の時期に4

地元経済界は新空港建設が前提
 福岡空港については、国(国土交通省)・福岡県・福岡市でつくる福岡空港調査連絡調整会議で、総合的な調査に取り組んできた。総合調査では4段階に分け、ステップごとに調査結果などを住民らに公開し、それに対する意見などを集めている。ステップ3(2007年9月~08年1月)で、北九州、佐賀両空港との連携案を否定し、現空港の滑走路増設で3案、新空港建設では2ゾーンを提示していた。

 これまでの20年近い議論はいずれも新空港建設が前提であっただけに、地元経済界は現空港における滑走路増設案が出てくるとは想定していなかった。福岡県内の主要企業71社で構成する新福岡空港促進協議会は07年12月、08年3月を目途に福岡空港の容量緩和対策についての意見集約を行うことを表明。4回の勉強会および意見交換会を実施して、空港新設案と滑走路増設案の是非を検討してきた。

 その結果、①滑走路増設案では需要予測を超える容量緩和が期待しにくい②福岡空港が都心部に近接していることから建物の高さ制限がある(博多駅周辺地区は約50メートル、天神地区は約70メートル)③福岡空港が現在地にある限り借地料や騒音対策費がかかる—といった理由から、空港新設に向けて、データを収集し科学的な議論をしていくことにした。新設する場所として、総合調査のステップ3で示された三苫・新宮ゾーンと志賀島・奈多ゾーンを想定したが、明確な位置も事業費もこれからの検討課題であった。

 福岡商工会議所も同じような理由で、新空港の建設を国や福岡県に要望した。

2008年11月04日

「増設新案」か「新空港建設」か、決断の時期に3

「三苫・新宮ゾーン」で、「セミオープンパラレル」も提案
 新空港建設の代表案は玄界灘上の「三苫・新宮ゾーン」の水深12メートル地点を整備する。しかし、航空機の離着陸に悪影響を及ぼす横風が一定限度を超えない割合を示す「ウインドカバレッジ」の面では、「志賀島・奈多ゾーン」の水深13メートル案が勝っているとして、国交省はこの案の検討も継続し、場合によっては代表案とする可能性も残した。事業費は前者が新設案の中では最も低い約9200億円、後者がやや高い9700億円で、滑走路の処理容量はともに21万3000~22万6000回。

 また、新空港案について新たに滑走路の間隔を広げて、間にターミナルビルを設置する「セミオープンパラレル」も提案しており、事業費は明らかになっていないが、従来の滑走路間が300メートルの新設案より1・2倍程度処理能力が上がるといわれている。

2008年10月31日

「増設新案」か「新空港建設」か、決断の時期に2

事業費が安く、増便効果も高い「増設新案」
 滑走路増設の代表案は、現滑走路(2800メートル)の西側210メートルに新滑走路(2500メートル)を造る「西側210メートル案」。新滑走路の地盤を2・6メートル程度かさ上げし、北端を現滑走路とそろえるように当初案を改良したことで、南側の福岡都市高速道路の高さ制限にかからず、着陸機の後方乱気流が離陸機に及ぼす影響もなくなった。買収する用地を少なくし、事業費が約2000億円と最も少ないのに、滑走路の処理容量は「東側300メートル案」や「西側300メートル案」と変わらない18万3000~19万7000回を確保できるとした。

2008年10月30日

「増設新案」か「新空港建設」か、決断の時期に1

 福岡空港の過密化対策について、国土交通省は8月7日に都内で開いた専門家会議で、滑走路増設案、新空港建設案それぞれの代表案を提示した。9月19日に開かれた福岡空港調査連絡調整会議(国、福岡県、福岡市)で提示され、福岡空港の将来像を描く作業は決断の時期に入った。ただ、国交省の“腹”は増設案で固まっているとされ、新空港建設案は地元経済界対策に残したに過ぎないというのが専らなのだが——。前号の特集「福岡空港の将来像を探る!」に続き、最新情報をリポートする。