Interview 中村学園大学客員教授 坂田 利家氏4
企業の業績に直結する社員の健康管理が重要戦略に
―メタボ対策について企業側の理解が進んでいるでしょうか?
坂田 10年くらい前に、私は企業責任者から社員の健康管理について相談を受けたことがあります。そこで高血圧の全社員に対し、血圧を至適血圧まで下げることに積極的に関与し、社内運動を起こしました。その結果、1年間で医療費削減などの効果として8000万円の利益が生まれたと聞かされました。
―企業による社員の健康管理が利益を生むのですか?
坂田 肺炎などの病気は短期間で完治するので問題はありません。しかし、生活習慣病はそうはいきません。治療や投薬にかかるコストはもちろん、受診及び入院によって社員が職場を離れる逸失利益、さらには同僚に与える荷重負荷、仕事に対する消極性などを合わせると大きな損害を被ることになります。つまり、企業側にとって、医療はこれまでの社員に対する福祉やサービスではなく、企業の業績に直結する重要な生産部門なのです。そういう意味で、社員の健康管理に積極的に関わっていくことは企業の重要な戦略になるはずです。

中村学園大学客員教授
この4月から、40歳から74歳までの全国民を対象に、「特定健康診査・特定保健指導制度」、通称「メタボ健診」がスタートした。これまで、個人に委ねられてきたメタボリックシンドロームや生活習慣病の改善がいわば義務化されることになり、対策に乗り出す企業や自治体も増えてきた。メタボ健診とは何か、そしてそれを取り巻く状況を取材した。