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2008年08月21日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界27

現実味を帯びてきた誘導路複線化

福岡空港の駐機場 そんな折、07年度の年間発着回数が14万2000回に達し、限界とされる14万5000回に近づいたことから、近隣空港と連携し需給緩和する案が再浮上するとともに、現空港の施設改良案も取りざたされている。
 
 施設改良の一つは誘導路の複線化で、滑走路に出る航空機と駐機場に戻る航空機がすれ違える構造に改善し、離着陸を速やかにする。国内線ターミナルを建て替え、滑走路と駐機場を結ぶ誘導路を拡充する。年間4000回程度の発着能力が確保できるといわれている。
 
 連携案は、福岡都市圏から1時間以上かかる佐賀空港や新北九州空港へのアクセスを整備し、需給を緩和しようという。バス路線の増便とともに、鉄道整備を進めることで両空港の利用を促進し、12年度には年間2000回以上の緩和効果を見込んでいる。

 いずれも、抜本的な解決までのつなぎの案に過ぎないが、総合調査の結果とそれを踏まえて、年度内に国が一本化する行政判断に影響を与えないか、注目される。

2008年08月20日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界26

再浮上した近隣空港との連携案と施設の改良案

需要誘発型の連携案はいったん否定されていた

 今回の福岡空港総合調査ステップ3において、近隣の新北九州空港と佐賀空港との連携案は「抜本的な対応方策とはなり得ません」と、否定されていた。それまでの連携論は、福岡空港の国際線や長距離線、小型機の一部を新北九州空港と佐賀空港に移管する「利用制限型」、新北九州空港と佐賀空港の需要を増やすことで福岡空港の負担を減らす「需要誘発型」として検討されたが、「利用者や地域に大きな負担を課す」「航空自由化の流れからも実現は困難である」「福岡空港の需給逼迫緩和効果はわずかである」として退けられた。
 
 しかし、新設、滑走路増設にかかわらず、完成までには長期間を必要とし、佐賀空港や新北九州空港との連携は不可欠で、各空港のアクセス向上は空港の機能を高める上でも欠かせないという意見が強かった。

2008年08月19日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界25

経済界の新空港建設案も具体的検討はこれから

 総合調査では、将来的な航空需要の対象として、国内旅客、国際旅客、国内貨物、国際貨物の4つに分け、予測する時点も2012年度、17年度、22年度、さらに長期的な見通しとして32年度の4つを設定。これらの時点での福岡空港を利用する旅客数や貨物量、発着回数を試算している。潜在的な航空需要の試算にあたっては、経済財政諮問会議におけるGDP(国内総生産)の伸びを参考に、経済成長を見込んだ場合と経済が停滞した場合、その中間の3ケースで想定した。
 
 年間発着回数をみると、12年度は15・3〜16・1万回、17年度16・0〜17・5万回、22年度16・6〜19・2万回、32年度には18・1〜23万回に達すると予測している。現行の滑走路処理容量は年間14・5万回(平行誘導路を設置した場合は14・9万回)で、増設案でも1・3倍に伸びれば22年度までは対応可能だ。
 
 新空港の事業費は、季節によっては風の強い外海の海上空港となるため、ウインドカバレッジの問題に左右される。航空機は風に向かって離着陸を行うため、横風が一定限度を超える場合には離着陸できない。一定限度(許容横風分力)を超えない風の割合をウインドカバレッジと言い、空港として最低限必要なウインドカバレッジは、横風が20ノットを超えない風の割合が95%以上となっている。95%を下回る場合には、滑走路の向きの変更や横風用滑走の増設などが想定され、事業費が膨らむ可能性もある。

 新設を軸に検討している新福岡空港促進協では、国や自治体が負担する無利子資金の額と事業会社の資本金や社債、有利子負債の金利などを含めて複数のケースについてシュミレーションしている。今後は、新空港の位置や滑走路の配置などを具体的に決め、総事業費の算定に入ることが求められる。

2008年08月12日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界24

地元経済界は新空港建設促進

 これまでの20年近い議論はいずれも新空港建設が前提であっただけに、地元経済界は現空港における滑走路増設案が出てくるとは想定していなかった。福岡県内の主要企業71社で構成する新福岡空港促進協議会は2007年12月、08年3月を目途に福岡空港の容量緩和対策についての意見集約を行うことを表明。4回の勉強会および意見交換会を実施して、空港新設案と滑走路増設案の是非を検討してきた。
 
 その結果、①滑走路増設案では需要予測を超える容量緩和が期待しにくい②福岡空港が都心部に近接していることから建物の高さ制限がある(博多駅周辺地区は約50メートル、天神地区は約70メートル)③福岡空港が現在地にある限り借地料や騒音対策費がかかる̶といった理由から、空港新設に向けて、データを収集し科学的な議論をしていくことにした。新設する場所として、総合調査のステップ3で示された三苫・新宮ゾーンと志賀島・奈多ゾーンを想定したが、明確な位置も事業費もこれからの検討課題だ。
 
 福岡商工会議所の福岡空港過密化対策を検討する「新福岡空港問題特別委員会」(委員長・久保長副会頭=コカ・コーラウエストホールディングス顧問)も5月22日に、新空港の建設を要望していくことを決め、6月27日の常議員会に諮った後、国や福岡県などに要望書を提出する。新設支持の理由として、現空港を拡張した場合に比べ、新空港の発着容量が大きいことや24時間発着可能になること、福岡都心部の建築物の高さ制限緩和などの利点があることを挙げている。

2008年08月11日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界23

国・県・市による福岡空港調査連絡調整会議スタートへ

 福岡空港将来構想検討委員会の後を受けて新福岡空港調査会が発足する。2002年、「新宮沖など4候補地、560ヘクタールの海上空港、3000メートル滑走路×2本、建設費8200億円」を骨子とする「新福岡空港基本構想」を発表、国に福岡空港の混雑問題の調査を求めた。
 
 その後、2002年12月の交通政策審議会航空分科会の答申において福岡空港は「将来的な需給が逼迫する事態が予想される」として、その方策を「国と地域が連携し、総合的な調査を進める必要がある」と示した。2003年7月、国土交通省、福岡県、福岡市の3者で「福岡空港調査連絡調整会議」を組織、福岡空港についての総合的な調査に乗り出して、今日に至ったのである。

2008年08月08日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界22

2005年度 福岡空港の個別収支

2008年08月07日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界21

福岡空港の時間帯別発着回数

2008年08月05日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界20

国内主要空港の旅客数

2008年08月04日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界19

ダッチロール続く福岡空港論議20年の軌跡
九州国際空港の議論から紆余曲折

 福岡空港を巡る論議は、足掛け20年近い歳月におよぶ。九州地方知事会と九州・山口経済連合会(現九州経済連合会)が1989年、九州の発展を目的に「九州国際空港検討委員会」を設置したのが端緒だった。
 
 九州国際空港の基本構想は、「4000メートル滑走路×2本、敷地面積1000ヘクタール」の国際ハブ空港を全面に打ち出していた。1996年の第7次空港整備5カ年計画(1996年〜2000年)での採択を目指したが、実現しなかった。ちなみに第7次空整で整備されたのが、中部空港である。
 
 その後、滑走路1本のみの福岡空港が増え続ける航空需要で将来パンク状態になるとの指摘が出た。1993年、福岡県が「福岡空港将来構想検討委員会」を設置。「新宮〜津屋崎沖、560ヘクタールの海上空港、3500メートル滑走路×2本、2020年開港目標」を主な内容とする新福岡空港計画が誕生した。
 
 2001年には福岡県、福岡市、地元経済界で「新福岡空港建設促進期成会」を組織して、後に幻となった第8次空港整備5カ年計画に再チャレンジする。新空港が現実味を帯びてくると、交通アクセス問題をはじめ莫大な建設費、建設予定地での環境問題、現空港の地権者問題や存廃問題が噴出し、文字通り宙に浮く。

2008年08月01日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界18

●志賀島沖案

 この案は、志賀島沖から奈多沖にかけての海域を建設予定地とした。事業費としては、新宮沖案に比べて水深が深いために概算で1兆1000億円となっている。事業費のうち埋立費用が増える以外は、新宮沖案と同様だ。

2008年07月31日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界17

●新宮沖案

 この案は、新宮沖から三苫沖にかけての海域を新空港の建設予定地とした。新空港の事業費として概算で1兆円、工期で13年程度を見込んでいる。新空港の事業費のおおまかな内訳としては、埋立費用(漁業補償費含む)を6割、滑走路やターミナル施設建設費などに3割、鉄道などの交通アクセスに1割を想定している。

2008年07月30日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界16

福岡都市圏での新空港を目指す新設案

 新空港としては、3000メートル滑走路を2本、300メートル間隔で平行に設置する。空港自体の広さは、約530ヘクタールとし、現在の福岡空港の約1.5倍になる計画だ。国内線・国際線ターミナルは一体化され、増便効果としては現空港に比べて1.3倍+αが見込まれている。

 候補地選びは、博多駅から半径30キロ以内の福岡都市圏とし、陸地では地形の起伏がゆるやかで市街化区域面積や建物用地の比率が低い地域とし、海上では水深の浅い海域を対象とした。これらの条件をクリアした地点に対して、気象条件や運行空域の状況、さらに騒音も考慮した結果、①古賀・福津沖、②三苫・新宮沖、③志賀島・奈多沖、④博多湾内東、⑤博多湾内中央、⑥糸島沖-に絞り込まれ、現時点では新宮沖と志賀島沖の実現性が高いと考えられている。

2008年07月29日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界15

国内主要空港の発着回数

2008年07月28日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界14

●西側増設B案(滑走路間210メートル)

 この案では現滑走路西側に210メートル間隔で2500メートル滑走路を増設する計画だ。
 
 西側増設A案に対し、新旧2本の滑走路間を210メートルとすることで、福岡都市高速ないしは国道3号線とは抵触せず、付帯工事は不要になる。しかし、210メートルの滑走路間隔では、大型機の一時待機スペースを確保できず、増設した滑走路も計器誘導による着陸が限定的になり、悪天候時には現滑走路を専ら着陸用として使用しなければならなくなる。確かに工期で8年と最短になり、事業費も約2500億円と最小になるものの、肝心の増便効果は期待しにくい。

2008年07月25日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界13

●西側増設A案(滑走路間300メートル)

 この案では、現滑走路西側に300メートルの間隔を置いて2500メートル滑走路を増設する計画だ。

 現在、空港東側にある国内線ターミナルおよび地下鉄福岡空港駅は、従来どおりとなる。ただし、国内線・国際線ターミナルが分離状態で、航空機の地上走行は複雑になる。また、増設する滑走路の進入区域の一部が付近を走る福岡都市高速ないしは国道3号線と抵触するために付替工事が発生する。新旧2本の滑走路間に300メートルの間隔距離を確保することで大型機の一時待機や計器誘導による着陸が可能となるのは、東側増設案と同様だ。工期として10年の期間を要して、概算で約5000億円もの事業費を見込みながら、増便効果は東側増設案を下回ることになる。

2008年07月24日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界12

●東側増設案

 この案では現滑走路東側に300メートル間隔で2500メートル滑走路を増設する計画だ。
 
 現在、空港東側にある国内線ターミナルは、国際線ターミナル側へ移転、国際線ターミナルと一体化していくことで、利便性の向上を図る。ターミナル移転にともない、地下鉄も延伸または分岐して駅も新設する。新旧2本の滑走路間に300メートルの間隔を確保することで大型機の一時待機スペースを確保し、計器誘導による航空機の着陸を可能とする。ただし、工期で14年もの長期を要する上に概算で約7500億円もの事業費を投じた増便効果は1.3倍、もしくは同等以上となっている。

2008年07月23日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界11

現空港の機能拡張として滑走路の増設案

 増設案は、現行の2800メートルの滑走路と平行して2500メートル滑走路を増設していく。増設案の検討条件として、滑走路の長さと間隔、侵入方式のほかに、平行滑走路(クロースパラレル)とした。平行滑走路は一般的に、2本の滑走路の間隔を広く取り、それぞれの滑走路を独立的に運用できるようにしたオープンパラレル滑走路と、2本の滑走路の間隔を狭くしたクロースパラレル滑走路とに区分される。オープンパラレルの場合は一般的に平行滑走路の間にターミナル地域を配置する。これに対して、クロースパラレルの場合は他の滑走路を利用する航空機の影響を受けるが、空港の面積を狭くできることから、総合調査では、これを検討条件にした。

 増設案として、増設の仕方で、3つのプランを示している。新滑走路の増設工事は、福岡空港が運用しない夜間の時間帯に実施する。概算による事業費のうち約半分は増設の用地買収費用であり、残りは滑走路や空港施設の建設費用を想定する。

2008年07月22日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界10

「福岡空港とその周辺の現状」

2008年07月18日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界9

費用に対する増便効果は「視界不良」

 福岡空港の問題解決に向けた増設および新設の建設費と工期などの「費用」は、おぼろけながらも見え始めた。しかし、肝心の「効果」については触れていないが、滑走路処理容量は現在検討中のステップ4で示される予定だ。

 一般的に平行する2本の滑走路の場合、発着の処理能力は滑走路1本の1.3倍程度といわれている。滑走路の間隔が1.6キロ以上あれば、それぞれ独立運用ができ、1.6倍ないし2倍になる。しかし、それ以下の間隔では、滑走路は2本でも、その先の航路は1本であるために1.3倍程度しか伸びない。つまり、費用対効果で考えた場合、1兆円ないし1兆1000億円を要する新設の場合、夜間利用を換算しても1.3倍+αと考えられる。また、増設案において7500億円を投じるケースで1.3倍、もしくは同等以上が見込まれる。

2008年07月17日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界8

福岡空港の総合的な調査PIレポート

2008年07月16日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界7

福岡空港総合調査ステップ3の特徴と連携案「落選」

 福岡空港の総合的な調査でステップ3以前までは、福岡空港の問題解決策として新北九州空港と佐賀空港に機能を分担していく「連携案」、現空港での機能拡張として滑走路を設ける「増設案」、新空港を建設する「新設案」の3案で検討した。

 ステップ3では、連携案を「抜本的な対応方策とはなり得ません」との文言で退けた。その上で、現空港での機能拡張として滑走路を設ける「増設案」と新空港を建設する「新設案」の2つを方策として打ち出した。さらに増設案で3プラン、新設案として6ゾーンのうち2プランを提示、それぞれに建設費と工期を概算で弾き出している。概ね新設で1兆円ないし1兆1000億円、増設で2500億円ないし7500億円の事業費を見込んだ。同じく工期についても新設で約13年、増設で8年ないし14年を想定している。

 これらの事業費の負担割合は明示されていないが、現在の福岡空港(国が管理する第2種空港A)の施設整備では、国が2、地方が1の比率で負担する。地方分は福岡県と福岡市が6対4の割合となる。この比率を適用すると、国が66.7パーセント、福岡県が20パーセント、福岡市が13.3パーセントとなる。ただし、中部空港の事例からも明らかなように空港整備では地元に対して、相応の負担が求められることが十分に考えられる。

2008年07月15日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界6

福岡空港の将来像を考えるPIとは何か

 現空港での増設、新空港建設、近隣空港との連携、現状維持・・・・・。福岡空港の将来像に対して、さまざまな立場から、幅広い意見や考えが渦巻くなか、福岡空港調査連絡調整会議が総合調査の手法として採用しているのが、「パブリック・インボルブメント(PI)」というやり方だ。従来のパブリック・コメントが収集した意見をもとに意思決定をする「住民参加」に対し、PIでは「住民参画」として、構想段階から積極的に情報提供して意見を集めて、よりよい施策の方向性を見出す手法といえる。1990年代からアメリカやヨーロッパでは、高速道路をはじめとする社会資本の整備で採用してきた。日本でも2003年6月、国土交通省が公共事業にPIの導入を決定した。空港整備におけるPIの第1号が、福岡空港と那覇空港での取り組みである。

2008年07月14日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界5

100億円近い赤字を計上する福岡空港の実態

乗降客数と発着回数の推移拡大画像

 現在、主要地域拠点空港との位置づけにある福岡空港の収支をみると、毎年莫大な赤字を出している。2005年度の収入 が125億円だったのに対し、年間支出は221億円にのぼる。差し引き96億円の赤字だ。

 

 収入のうち約7割を着陸料で得ているのに対して、支出の大半を占めるのは賃借料・環境対策費だ。353ヘクタールの福岡空港用地のうち、3分の1にあたる116ヘクタールの民有地等を借地しており、年間賃借料が84億円にもおよぶ。

 

 環境対策費のうち移転補償費は2005年度で85億円だった。つまり、169億円の賃借料・移転補償費が福岡空港の収支に重くのしかかっている。福岡空港に借地が多い理由として、福岡空港の前身だった蓆田飛行場の建設に際して旧日本陸軍が強制的に土地を接収したことが挙げられる。終戦後、進駐したアメリカ軍の管理下でも引き続き拡張のために接収された歴史的な経緯があるためだ。

2008年07月11日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界4

日本一の過密状態ながら、伸び悩む福岡空港

 旅客数で全国4位、発着回数で同3位-。羽田空港、成田空港に次ぐ主要国内空港の第3位グループの一角を占める福岡空港は、朝夕のピーク時に平均2分強の間隔で発着する。年間13万9000回強は全国の空港のなかで3位、滑走路1本あたりでは依然として日本一の発着回数だ。
 
 福岡空港の滑走路処理容量は14万5000回とされているものの、2001年度の発着回数14万4000回をピークに頭打ち状態が続く。また、福岡空港の旅客数も同様に2000年の1968万人をピークに減少傾向をみせている。
 
一方、貿易港としての福岡空港をみると、2006年度の貿易額は1兆2946億円を記録している。品目別では、「重量換算で金より高価になる」という半導体電子部品が輸出・輸入ともに過半数を占める。ただし、最近5年間の動きでは、9000億円強から1兆3000億円弱との間で上下している。航空貨物の最近5年間の動きでも24万トンから26万トン強の間で推移し、伸び悩み感は拭えない。

2008年07月10日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界3

福岡空港総合調査の背景と取り組み

福岡空港 国(国土交通省)・福岡県・福岡市でつくる福岡空港調査連絡調整会議で、福岡空港についての総合的な調査に取り組んできた。総合調査では4段階に分け、ステップごとに調査結果などを住民らに公開し、それに対する意見などを集めている。その総合調査のステップ3で問題解決に向け、現空港における滑走路増設案と新福岡空港建設案が2007年9月に提示され、この8月末から9月にかけ、いずれかに絞り込まれる。
 
 新空港建設ありきで考えてきた地元経済界にとって、滑走路増設案は想定外で、しかも、国の判断が増設案に傾きそうとなれば、今、動き出さねば取り返しがつかなくなる。06年11月の福岡市長選挙で新空港建設反対を公約に当選した吉田宏市長は何の動きもしないだろうが、麻生渡県知事は年内にも新空港建設に舵を切ろうとしているだけに、このままでは麻生知事を孤立させてしまうという危機感も働いている。
 
 これが、ここに来て、地元経済団体が新空港建設推進で動き出した要因だ。
 
 そこで、福岡空港総合調査とは、どのような取り組みで、提示された現空港における滑走路増設案と新空港設案とはどのようなものだろうか。その背景から、調査内容、そして今後のあり方について考えてみる。

2008年07月09日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界2

 天神から地下鉄11分、博多駅から同5分と、「日本でもっとも便利」な空港と称される福岡空港の「周辺」が最近、騒がしくなってきた。市街地にあることで交通アクセスが便利な半面、1本の滑走路で年間14万回弱という過密な発着回数をこなし、騒音問題などを抱える福岡空港-。その「今後」が、地元では20年来の懸案となっている。

2008年07月08日

新福岡空港の建設で布石を打った地元経済界1

 福岡市の主要企業などで構成する新福岡空港促進協議会(会長=鎌田迪貞・九州経済連合会会長)は4月に新空港の建設推進を表明。福岡商工会議所も6月27日の常議員会で新空港建設の要望書をまとめ、国や福岡県などに提出することにしている。地元経済界のこの動きは、今夏にまとまる国・福岡県・福岡市の総合調査で、国の判断が現空港における滑走路増設案に傾きつつあるのを牽制するのが狙いだ。福岡県も年度内に新空港建設案をまとめようとしており、福岡県が動きやすいように布石を打ったとも言える。