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2007年12月28日

「これからの熊本」4

これからの熊本

キーワード・九州新幹線
どうなる?観光地・熊本

築城400年を迎える熊本城。今年に入り、数々のイベントが開催されているが、築城400年を祝う一過性の行事ではなく、九州新幹線全線開業を見据え、継続的に熊本の魅力を発信する事業として位置づけられているようだ。
 
(財)地域流通経済研究所(熊本市)が今年7月に行った大阪府と広島県在住の生活者を対象にしたアンケート調査をみると、九州における熊本県の優位性は「温泉」と「自然環境」となっている。ただ九州新幹線全線開通後、観光で訪れたい九州の県は鹿児島県、宮崎県など南九州の人気が高く、熊本県は両地域で5位と低い。
 
ここで、昨年11月に熊本県商工観光労働部観光物産総室が公表した2005年熊本県観光統計表をみると、熊本県の観光客総数は6119万人(日帰り客数5477万人・宿泊客数642万人)で前年比64万人減と低調だった。また県内客と県外客の割合は6対4の構成比で県内客が多い。地区別でみると、「黒川温泉」などで知られる阿蘇地域が1835万人と3割を占めており、2位の菊池地域962万人、3位の玉名・荒尾地域769万人とは桁違いの人気度を誇っているが、いずれも県北地区が観光の牽引役となっている。参考までに外国人旅行者数については前年比約2万人増の55万人(日帰り客数37万人・宿泊客数18万人)と若干増えた。近隣国である韓国からの旅行者数が多いようだ。
 
すでに04年春に熊本ー鹿児島は開通したが、観光統計でみる観光客数は03年をピークに伸び悩んでいる。九州新幹線全通後はアクセス経路が一段と多様化することが予想され、いかに県外客を取り込んでいくか知恵の絞りどころのようだ。そして全通後は時間的に福岡中心街がグッと近くなることで、熊本市中心街も新幹線対策は必要となりそうだ。

キーワード・地銀再編
地場企業にとってのメリット?

昨年5月、熊本ファミリー銀行と福岡銀行が経営統合を発表し、今年4月、熊本ファミリー銀行は「ふくおかフィナンシャルグループ」傘下に入った。熊本ファミリー銀行は前期決算報告書で「当行グループ連結の2007年3月期の損益状況については、福岡銀行との経営統合後の一体的な財務運営を行うため、当行の自己査定基準および貸倒償却・引当基準等の財務基準を地銀の中でも極めて保守的とされる福岡銀行の基準に統一し、自己査定を実施した結果、本年度において592億円の不良債権処理を実施したことなどを主因に、経常利益は前年同期比654億円減少し599億円、当期純利益は前年同期比586億円減少し551億円の損失となりました」と業績に関して記述している。
 
 
これで熊本ファミリー銀行の財務内容は健全さを取り戻したことになるが、同時に取引停止の憂き目に遭う企業が続出する可能性も示唆したことになる。熊本ファミリー銀行をメインバンクとするA企業幹部は「以前の対応とは違ってきている。かなり厳しいことを言われている」と洩らす。また「熊本ファミリー銀行メインの取引先は心配だ」という声も聞かれるようになった。熊本の地場中小企業をささえてきた第二地銀・熊本ファミリー銀行の面影は失せ、「熊本には第一地銀が二つある」という皮肉がでても仕方ないようだ。「地銀再編は銀行側の都合にすぎない」や「晴れた日には傘を貸すが、雨が降ったら傘を貸さない」と冷ややかに言う人もある。
 
この地銀再編によって泣く企業が多いという見方が少なくない。熊本だけではなく、長崎をも巻き込んだ金融再編にともなう痛みは今後さらに強まるだろう。


くまもとアラカルト

【人口】
 
熊本県公表の人口(2007年8月1日現在推計)は総182万8906人。男85万9972人、女96万8934人、世帯数68万1087人。地域別の対前年比増加および減少率は左図のようになる。
 
富士フィルムや本田技研など大手メーカー工場がある菊池郡や合志市などで増加しているが、球磨郡や阿蘇郡町村合併した山都町、和水町で減少し、町村合併効果が得られていない地域もある。

対前年増加率(%)   対前年減少率(%)
1位 菊陽町 3.6   1位 五木村 △3.5
2位 嘉島町 1.6   2位 球磨村 △2.9
3位 西原村 1.5   3位 山都町 △2.3
4位 合志市 1.4   4位 小国町 △2.1
5位 大津町 1.3   5位 和水町 △2.0

【インターネット利用】
総務省統計局によると過去1年間(05年10月20日〜06年10月19日)にインターネットを利用した人(10歳以上)は83万人で51.6%となっている。01年調査と比べ、14.3ポイント高く、すべての年齢階級で上昇していることから、この5年間でインターネット利用は広く生活に浸透したといえそうだ。しかし全国比では熊本県は7.8ポイント低い。また47都道府県中第32位となっている。
 
なおインターネットの利用は電子メールが40%、情報検索等の情報入手が34%、動画・音楽データ・ソフトウェアの入手が22%などとなっている。


【労働賃金・時間及び雇用の動き】(2006年) 
一人平均月間現金給与総額は31万7193円で「電気・ガス・熱供給・水道業」が59万5970円で最も高く、「飲食店・宿泊業」の13万2663円が最も低い。なお全体では前年比1.9%増加している。  月間労働時間をみると一人平均総実労働時間は157.6時間で前年比0・5%増。「運輸業」の195時間が最も長く、「飲食店・宿泊業」の117時間が最も短い。
 
常用労働者数は26万6852人で前年比0.4%減。「卸売・小売業」で同4・5%、「情報通信業」で同3.0%、「建設業」で同2.7%減少した。パートタイム労働者数は4万9589人でパート比率は18.6%だった。
 
※熊本県の賃金・労働時間・及び雇用の動き(熊本県地域振興部統計調査課まとめ)からみた事業所規模30人以上の数値

2007年12月27日

「これからの熊本」3

県内ゼネコン市場調査(熊本支社まとめ)からみた
変わる熊本県内ゼネコン勢力

耐震偽装消えた木村建設(八代市)
 
ゼネコン市場調査・2000年度版から07年度版(暫定)までの売上高トップ10は下表の通り。顔ぶれは、ほぼ固定しているといってよく、不動のトップ10ともいえる。中でもトップゼネコンの座を巡って熾烈な争いを演じてきたのは、木村建設(八代市)と吉永産業(天草市)だ。01年度版をみると、両社とも100億円超を果たしており、当時の両社の勢いは計り知れない。しかし木村建設(八代市)は耐震偽装問題でヤリ玉に挙げられ、05年11月「晴天の霹靂…」と無念の経営破たん。そして天草地区のリーディングカンパニーである吉永産業もピーク時比で半減するなど元気がない。上位10社の売上高合計をみると、00年度版では666億4100万円、07年度版(暫定)では494億1300万円。この8年間に172億2800万円(00年度版比26%)も減少したことになる。これを県内ゼネコン100社売上高合計でみると、1998年度版では2215億500万円あった売上高は06年度版では1409億2900万円にまで減少している。98年以降減少傾向に歯止めがかからず、県内の受注環境は年々悪化していることは明らかである。経営破たんした木村建設(八代市)が関東圏など県外受注で売上高の大半を占めていたこともうなずける。
 
こうした中、最近の熊本県トップゼネコンに躍進してきたのは老舗の多々良(熊本市)だ。
これからの熊本

勢力図に変化多々良・和久田建設が躍進
 
多々良は直近決算で売上高100億円を突破している。近年はオリジナルブランド「優渾」の確立で、いわば一人勝ちの状況だ。そして明治年間創業の和久田建設(八代市)が3期連続増収で浮上し、トップ10入りした。いずれも過去に100億円超を計上した実力もあり、当然の躍進ともいえる。
 
トップ独走の感もあった木村・吉永の双璧が崩れ、ゼネコン勢力図に変化が生じている。ただトップ10以外でも受注力、施工力に秀でたゼネコンは少なくない。今回11位とトップ10入りを逃しているものの、日動工務店(熊本市)の受注ルートは独自性に富んでおり、知名度は高く、三津野建設(熊本市)や小竹組(熊本市)の安定感も定評がある。


波紋ひろがる地銀再編余波?西釜建設破たん

今年7月10日、老舗中堅ゼネコン・西釜建設(熊本市)が破産に踏み切った。老人ホームを完成させた直後の破たんに債権者は途方に暮れたことだろう。しかし、この中堅ゼネコンの破たんの背景には債務過多という要因以外に、地銀再編の余波もあったのでは?との要因も加わり、未だ波紋を広げている。
 
西釜建設の破たんを振り返ると、会社分割後、金融債務を振り分け、一部金融債権をメインバンクがサービサーへ譲渡していた。債務過多に喘いでいた西釜建設にとって再生チャンスと思われていたが、結果的にその再生シナリオが明確に否定されたような感じだ。
 
第二・第三の西釜建設に似た倒産パターンが増えるのではと戦々恐々としている取引先も多い。いずれにしても地銀再編が本格化している状況下、メインバンク次第ともいえる企業の動向には目がはなせない。

これからの熊本

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2007年12月26日

「これからの熊本」2

【東京経済(株)熊本支社開設40周年祝辞】
潮谷義子 熊本県知事

金融面を中心に中小企業支援を強化
潮谷義子 熊本県知事

このたびは、東京経済株式会社熊本支社が開設40周年を迎えられましたことを心よりお慶び申し上げます。

貴社におかれましては、これまで独自の調査や取材に基づいた有意義な情報により、県内中小企業の健全な発展に大きく貢献されてこられました。長年の御尽力に深く敬意を表しますとともに、厚く御礼申し上げます。

最近の熊本県内の経済状況を見ますと、大企業については着実な回復傾向がうかがえる一方で、中小企業については、携帯電話、半導体製造装置関連の部品供給メーカーなど受注が増加している企業を除き、全体的には、競合激化や原油高に起因する原材料価格の上昇などの影響による足踏み感もあり、大多数の中小企業は未だ厳しい状況にあると考えております。

こうした中、厳しい経営環境にある中小企業の資金調達の円滑化に向けて、今年の4月に県の融資制度において、売上高又は営業利益が減少している中小企業を対象に無担保・クイック融資である「経営サポート資金」を創設しました。また、自動車関連産業への融資限度額の引き上げ及び据置期間の延長をはじめ、借換え特例の継続などにより、県内企業の99.9%を占める中小企業を資金面でバックアップして参りたいと考えております。

また、来月10月には、信用保証協会と金融機関が適切な責任の共有を図り、両者が連携して中小企業の事業実施を継続的に把握し、融資やその後の適切な支援を行うことを目的とした「責任共有制度」が導入されます。これに伴い県の融資制度においても融資条件などの見直しを行う予定ですが、中小企業をはじめ、融資関係者に不安や混乱が生じないよう適切な対応に努めて参ります。

現在、県におきましては、誰もが住みたい、住み続けたいと思える「元気で明るい熊本づくり」を目標に積極的な施策を展開しております。特に産業分野につきましては、半導体やバイオなどの先端産業の育成、企業立地の受け皿となる新たな工業団地の整備、中心市街地・商店街の活性化、熊本ならではの観光振興など、「産業の元気づくり」に重点的に取組んでおります。また、4年後には九州新幹線の全線開業を迎えますが、これを100年に一度の地域活性化のチャンスと捉え、これまで進めてきた取組みをさらに発展させ、県民の皆様とのパートナーシップを大切にしながら熊本づくりを進めて参りたいと考えております。皆様のより一層の御支援、御尽力を賜りますようお願いします。

東京経済株式会社並びに県内中小企業の皆様方の益々の御繁栄と御健勝を心からお祈り申し上げます。

2007年12月25日

「これからの熊本」1

【東京経済(株)熊本支社開設40周年 ごあいさつ】

東京経済(株)熊本支社は、1978年(昭和43年)に支所として開設し40周年を迎えることとなりました。開設以来、皆様の債権を「お守り」することを我々に与えられた使命として参りました。今では、従来の債権保全とは全く違った形の情報交換の場を提供することでのビジネスチャンスの支援を目的としました、「ニュービジネスくまもとフェア」も手がけることが出来るようになりました。既に2回となりましたフェアの開催にあたりましては、熊本県中小企業団体中央会様より共催、熊本県商工会連合会、南九州税理士会熊本県連合会様より協賛、熊本放送様からも後援をいただき無事に盛会で終えることが出来たのではないかと思っています。これも、私どものフェアの趣旨をご理解していただきました参加企業の皆様のご支援の賜物と深く感謝しております。

会社を経営していく上で、事業を「継続して成長させる」ことが、経営者としての大きな使命、宿命だと思います。時代のニーズを掴むこと、現場の声を聞くこと、この2つのことを実行しながら、真直ぐに横にブレることのない経営を心掛ければ、必ず、「社会」がその企業を守ってくれるはずです。当社も、調査、情報のプロとして、また、プロだからこそのお叱りを受けることもあります。我々情報機関として「守らなければならないもの」というテーマで私から社員全員へ事あるごとにメッセージを発信しております。氾濫する情報の中で、何が真実で、何が嘘なのか?何を拾い、何を捨てるのか?情報は、その信憑性、使い方によって「天国」にも「地獄」にも変えてしまう力を持っています。情報を扱うものとしての恐さもわかっています。ここに40周年を迎えるにあたり、熊本の地に第一歩を踏み入れた当時の初心に返りまして、一層の努力を積み重ねていくつもりでおりますので、今後ともご支援をいただきますようにお願い申し上げます。

東京経済(株)代表取締役社長

越 智 英 雄