九州・山口の地銀22行ランキング9
【不良債権】
西日本シティ銀の625億円を筆頭に、大きく前年から減らしている銀行が目立つなど、全体として不良債権の償却が進んでいるが、やはり目立つのが親和銀だ。前年比で374億円もの増加となり、ふくおかFG傘下入りの直接の要因となった。
不良債権比率では、前年の2.85%から2.41%に減らした福岡銀が、肥後銀を抜いてトップ。下位では、佐賀、長崎の4行が沈んでおり、地域経済の勢いのなさがここでも現れているといえよう。

東京経済提供:企業ニュース・大型倒産速報![]() |
|
|||||||
【不良債権】
西日本シティ銀の625億円を筆頭に、大きく前年から減らしている銀行が目立つなど、全体として不良債権の償却が進んでいるが、やはり目立つのが親和銀だ。前年比で374億円もの増加となり、ふくおかFG傘下入りの直接の要因となった。
不良債権比率では、前年の2.85%から2.41%に減らした福岡銀が、肥後銀を抜いてトップ。下位では、佐賀、長崎の4行が沈んでおり、地域経済の勢いのなさがここでも現れているといえよう。

【自己資本比率】
自己資本比率は07年3月期から算出基準が変更になって単純比較ができないため、表中の前期の欄には前期の実数を表示している。最高は鹿児島銀の13.38%で、8行が10%を上回っている。4%を切るところはないものの、8%に届いていない4行は体力の強化が迫られており、具体的な再編の動きを示す指標であるといえる。

【ROE(株主資本利益率)】
ROEは、資本をつかっていかに効率的に利益を上げたかという指標で、当期純利益を資産(平残)で割って算出する。投資家からみると、いかに利回りがいいか、という指標であるため、近年、銀行に限らず重視される傾向にある。大幅な赤字を計上した2行の影響で全体としてはマイナスとなっているが、この2行の影響を除いても全体的に低迷している。

【預貸率】
預貸率は、預金(預金+譲渡性預金)と貸出金の比率で、預金金利と貸し出し金利の利ざやで利益を得る銀行の本来業務の強さを示す指標だ。
下位の銀行は、預金による貸し出し原資があるにもかかわらず、有効に活用できていないという見方もできる。沖縄、熊本、長崎では、この項目でそれぞれの地域の銀行が上位と下位に分かれている。同じ地域の金融市場の中での役割が見て取れるといえよう。

【中小企業向け貸し出し比率】
地方銀行の大きな役割は、地域経済の中心である地元の中小企業を支えることにある。
全国の中小企業団体などからは、地方銀行の融資姿勢を明確に示し、中小企業の資金需要にどれだけこたえているかを主要な経営指標として法的に基準を設けてほしいという働きかけもなされている。
中小企業向け貸し出し比率の項目では、下位の5行はいずれも地域のトップバンクだ。
もちろん、その地域の中核である大手企業との取引が大きなウエートを占めているという要因はあるものの、「石橋をたたいても貸さない」といった評判の銀行であることも事実だ。
前期比では、93.52%でトップだった熊本ファミリー銀が3.13ポイント減で3位に落ちている。福岡銀との経営統合によって不良債権の処理の一環として貸出債権を売却したことなどが、中小企業への貸し出しを減らすことにつながったようだ。

【コア業務純益、経常利益、当期純利益】
ここでも福岡銀の強さが目立つ。前期比でも着実に数字を伸ばしており、当期純利益では9.15%増の330億円もの額を計上、過去最高水準の決算となっている。一方で、同じグループの親和銀、熊本ファミリー銀が大幅な赤字となり、ふくおかFGとしては厳しいといわざるをえない。
前年比を見てみると、3項目とも、下位5行がいずれも二桁以上のマイナスとなっているのが気になるところ。二極化を象徴する数字だといえる。

表を拡大する>>>
【預金量、貸出金、総資産】
預金量では福岡銀行のトップは揺るがず、順位はほぼ前年と同じだが、前年12位だった熊本ファミリー銀が預金量を減らし、沖縄銀と入れ替わって13位に落ちた。また前年16位だった豊和銀が8%近い大幅なダウンで19位まで順位を下げている。伸び率では、法人預金を20%以上伸ばした沖縄海邦銀がトップで、地元の中小企業や個人の資金需要に積極的に取り組んだ福岡中央銀が4.29 %伸ばしている。
貸出金、総資産とも順位に大きな変動はないが、ここでも豊和銀、親和銀が数字を悪化させているのが目立つ。

表を拡大する>>>
貸出金が増えても競争激化で利ざや減…
体力勝負で二極化が鮮明に
九州・山口に拠点を置く地方銀行22行の2007年3月期決算がまとまった。不良債権の総額は約12%減り、貸出金や預金量も伸びを見せた。「安定期に入った」と自信を見せるトップも多いが、一方で第二地銀を中心に厳しい決算となったところもあり、以前から見られている二極化の様相が進んでいるといえる。

まずは、全体を概観してみよう。前回の一覧表は、預金量の順に九州・山口の地銀22行を並べたものだ。トータルの数字を見てみると、主要勘定である貸出金、預金量、総資産はいずれも前年を上回った。不良債権の総額(金融再生法開示債権)も、前年の1兆5010億円から1兆3284億円と、約12%の減となり、不良債権比率の欄にも前年比マイナスの数字が並んでいる。経営の健全性を示す自己資本比率も、単純平均で前年の8.97%から9.47%に改善し、全体としては不良債権の処理を一段落させ、前向きな経営に乗り出す環境が整ってきたことを示している。
ところが、損益の状況を見ると、必ずしも楽観できない数字が並ぶ。一般企業の営業利益にあたる「コア業務純益」総額は、前年の3372億円から3049億円と1割近く減った。経常利益は前年の2041億円から938億円と、半分以下に、さらに当期純利益は、前年は1076億円あったが、わずか2億円あまりと、ほぼ100%減という厳しい状況だ。
これは、再編の渦中にある親和銀と熊本ファミリー銀が大幅な赤字を計上したことが全体の足を引っ張っているとはいえ、この2行以外でも損益が悪化したところが多く、一覧表を見ても「主要勘定」の3項目にくらべて、「損益」の3項目の部分に「-」(マイナス)が目立つ。
貸出金が増えても競争の激化で利ざやが減るという、銀行本業の部分での厳しさが増してきている。いよいよ本当の体力が問われる状況になってきたことが、今回の決算からうかがえるといえよう。