新商品 技術革新 エコ環境 世界の環境首都実現を目指す北九州市と地域産業1
北九州市は近年、環境ビジネスに関する話題の常連である。高度経済成長期の公害を克服し、「環境再生を果たした奇跡のまち」環境都市のリーダーとして、官民一体のグローバルな活動を見せている。北九州市と地域産業の息の長い取り組みを紹介する。
● 公害都市から環境都市へ
現在の北九州市と地域企業の在り様を語るとき、かつての激甚な産業公害を克服した市史は外せない。巨額の公害対策費を投じて、その間に世界最先端の環境再生システムを構築し、産業都市としての底力を官民一体となって発揮した。
一方では、アジア環境都市ネットワークや東アジア経済交流推進機構といった国際的な環境協力のネットワークを粘り強く広げてきた。こうした長年にわたる国際技術協力や人材交流は、国際的に高い評価を得ている。
● 環境都市の世界的リーダーを目指して
昨年、北九州市ではさまざまな事業が立ち上げられた。これらは、2004年度に同市が世界の環境首都を目指して策定した長期的な活動ビジョン「環境首都グランド・デザイン」に基づく。この低炭素社会の実現を目指す先駆的な取り組みによって、2008年7月、国から「環境モデル都市」に認定されたことを受け、翌2009年3月には2009年度から2013年度に取り組む「環境モデル都市行動計画(北九州グリーンフロンティアプラン)」が策定された。
● 進む低炭素社会の基盤づくり
「環境モデル都市行動計画」の基盤づくりである初年度の2010年4月、北九州市は国の「次世代エネルギー・社会システム実証」を行う全国4地域の一つに選定された。
北九州市では昨年6月に「アジア低炭素化センター」(アジア・グリーンキャップ)を開設。「環境モデル都市行動計画」で掲げた2050年、アジア地域におけるCO2排出量を、北九州市の2005年比で150%(2340万トン)も削減するという目標を実現するためだ。後述のスマートグリッド事業に代表されるような地元企業の環境技術を、アジア地域へビジネスベースで技術移転することを支援する等、地域経済の活性化を図る。
また昨年8月、「北九州スマートコミュニティ創造事業」が開始された。八幡東田地区において、次世代送電網(スマートグリッド)を核に、交通システムやライフスタイルの変革を図る実証を行っている。この実証実験の成果は、城野地区の「ゼロ・カーボン先進街区」事業に反映され、その後は全市にも展開する予定だ。
さらに、昨年12月、北九州市の水ビジネスを世界へ発信する「ウォータープラザ」が完成。NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)と北九州市がGWSTAに委託し、建設した。運営実証と機器試験の両方を兼ね備えた国内初の施設である。先進の水循環システムの開発から、管理・運営ノウハウの蓄積、さらには国内外に情報発信して技術普及を進めることが目的であり、世界の水ビジネスへ事業参入するモデルケースとしても期待されている。
→続く
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