専門通販をリードする 福岡の通信販売業界1
数年前から、通信販売会社のテレビコマーシャルが増えている。その中には九州に本社を置く会社も少なくない。九州の中でも福岡の通販会社は、健康食品など専門分野に特化した商品ラインアップを武器に、消費不況のまっただ中で健闘している。
通信販売の歴史をたどりながら、なぜ今、福岡の通販会社が強いのかを浮き彫りにしていく。
東京から関西、関西から九州・福岡へ
福岡の通販会社の話を始める前に、まず通信販売の歴史を簡単に触れておこう。そもそも通信販売が始まったのは、社団法人日本通信販売協会が設立された1983年ごろにさかのぼる。当時は百貨店などのリアル店舗に比べて、無店舗販売という位置付けになり、特殊販売的なイメージがあったが、ディノス(東京)や高島屋(東京)が、そのブランド力によって業界をリードし、通信販売という物販形式が広く認知されるようになった。その後、ニッセン(京都)、千趣会(大阪)、ムトウ(兵庫、現・スクロール)などの台頭によって、東京から関西への時代を迎えることになる。
ここまでの通信販売は総合通販で、その全盛時代は1990年代半ばまで続く。しかし、1997年、1998年と2年連続で通販市場がマイナスに落ち込み、通販業界は次のフェーズに移ることになる。ファンケル(神奈川)、DHC(東京)など化粧品に特化した通信販売が伸び始め、ユニクロ(山口)が勢いを増してきた1999年からは専門通販の時代に突入する。やずや(福岡)、山田養蜂場(岡山)、さらに、2000年代に入ると、エバーライフ(福岡)、健康家族(鹿児島)などが台頭し始める。ちょうどこのころ、インターネットが加速度的に普及し、TV通販などとのメディア・ミックスにより、多くの顧客を獲得していった。
こうして見てみると、東京から始まった通信販売が、総合通販から専門通販へとその形態を変化させるとともに、関西、九州へとその波が押し寄せてきており、九州の中でも主に健康食品を扱う福岡の通販会社が市場をにぎわせるようになった。福岡の通販会社は、やずや、アサヒ緑健など単体で100億円を超える企業が多く、毎年、堅調な伸びを示している。
ちなみに、通信販売業界の市場規模は約4兆3100億円(2009年度社団法人日本通信販売協会発表)で、通信販売が盛んになった2000年より毎年プラス成長を続けている。
百貨店の右肩下がりとは対照的だ。
→続く
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