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2011年05月30日

復活の兆しを見せる福岡のマンション業界 新たな需要に活気づくリフォーム業界2

● 地場デベロッパーは今後のための足場づくり

 厳しい状況に置かれた地場デベロッパーのなかでは、次のステップのために足場づくりが始まっている。以前のようにはいかないまでも、資金調達ができたアーム・レポ、アライアンス、アイランドは活発な新規供給を進めている。西武ハウスは2010年に新規供給をストップして、200戸の在庫のうち137戸を販売、在庫圧縮に努めている。  また、2010年に再スタートを切った形の新栄住宅は、マンションデベロッパーから不動産多角化経営への転身を進めている。デベロッパー部門に加え、賃貸事業部門、仲介等の流通部門、マンション管理部門を4本柱にしていく意向で、その積極的な動きが注目を浴びている。デベロッパー事業でも資金調達、在庫リスクの面からも、これまで手掛けてきた大規模物件から、よりターゲットを絞り込んだ明確なコンセプトを持つ中規模物件にシフトしている。  これは、大型物件を支えていた20歳代後半から30歳代前半の一次取得者層が依然として厳しい状況にあることや、30歳代後半以上の中間層以上が大型物件に対しては敬遠することが多く、出足の悪さがあること。また、都市部での大規模な分譲マンション用地取得が困難になっていることが主な要因だ。底を抜け、回復の兆しも首都圏のマンション市場は在庫処理が一巡したこともあって急回復しており、福岡でも在庫が一掃され販売物件の減少が見え始めたことで、マンション市場の回復が期待されている。  資金力のある九州旅客鉄道、あなぶき興産九州、西日本鉄道などや大手が堅実に販売を続けるなか、底を脱したこともあり、地場デベロッパーの間でも以前程ではないが、若干の回復の兆しも見えてきた。新規供給が激減していた地場の老舗と言われる西武ハウス、作州商事、ファミリーや、人工島のタワーマンションで苦戦を強いられ、2009年には新規供給がゼロだった老舗の新栄住宅も2010年には56戸の新規供給をしている。また、2011年は期首から計画物件が徐々に市場に投入されており、新規供給が5年ぶりに増加へと転じる見込みだ。  サブプライムローン問題に端を発した世界的金融危機により、2006年のピーク時から2010年には新規供給が6割減となった福岡のマンション市場だが、視点を変えれば、供給過多だった市場が適正規模へ移行しているとの見方もできる。もともと、福岡のマンションデベロッパーは全国的に見ても先駆け的な存在で、企画販売にしてもそういった素地が見える。だからこそ、2011年からの本格回復に期待したい。

● 注目を集めるリフォーム業界

 建築物ストックの有効活用方策としてリフォーム・リニューアルが注目されている。地球環境問題、廃棄物問題が深刻化する中、「つくっては壊す」というフロー消費型の社会から「いいものをつくって、きちんと手入れして長く大切に使う」というストック型社会への転換が急務となっており、2006年に閣議決定された「住生活基本計画(全国計画)」では、住宅政策の基本的な方針の一つとして「ストック重視」が掲げられ、住宅政策は大きな転換期を迎えた。  戦後、政策として住宅の「量」の確保により、深刻な住宅不足の解消を図り、その結果、現在では相当量の建築物ストックが蓄積されている一方で、それらの「質」についてはいまだ十分な水準とは言えない。右肩上がりの経済成長の時代が終わりを迎えた現在、建築物の質を追求すると共に、これまで蓄積してきた建築物をリフォーム・リニューアルし、将来へ継承していこうという潮流¥が起きている。建築業界も時代の変遷に伴い、住宅品質確保促進法や中古住宅保証制度、建設資材リサイクル法などの法整備が進んでおり、環境保全およびコンプライアンス(法令順守)の観点からも、廃棄物の適正処理が求められている。

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2011年05月27日

復活の兆しを見せる福岡のマンション業界 新たな需要に活気づくリフォーム業界1

リーマン・ショック後の混乱、低迷を乗り越えた福岡のマンション業界の動向と、さま
ざまな追い風が吹くなか、新規参入により競争が激化しているリフォーム業界の今後を占う。

● 2010年のマンション業界を振り返る


 2008年のリーマン・ショック以降、厳しい冬の時代を迎えていたマンション業界。福岡では依然として厳しい状況が続いているが、世界的な金融ショックからの景気悪化による買い控えの動きが解消されてきたこともあり、購買意欲は戻りつつある。しかし、2010年は新規供給が少なく、需要が追いついていない状態で、過去5年では最も高い70・9%という福岡県下での平均販売率がそれを物語っている。2008年から2009年にかけて立て続けに起こったデベロッパーの破たんは、現在では沈静化しているものの、新規供給の停滞感があるのは否めない状況だ。
 2010年、福岡県下での総供給戸数は1986年以来、24年ぶりに1万戸を下回る8021戸で、新規供給は1982年に次ぐ低水準となる4087戸。福岡市では総供給戸数4065戸、うち新規供給2265戸で、平均販売率は75・6%。2009年比では総供給戸数が1498戸減、新規供給では33・3%減となる1133戸減となった。また、福岡市の実需型物件の新規供給だけをみれば、その下げ幅は更に大きく、36・7%減の755戸減となり、結果として、投資型物件の割合が3・1ポイントアップした。

● 資金調達で苦しむ地場デベロッパー

 福岡都市圏では、全体の供給量は2010年が底だったこともあり、ゆるやかながら回復傾向にあるようだ。ただ、その要因となっているのは、大手と限られた地場デベロッパーによるところが大きい。  福岡地区で攻勢をかけているのが、資金力のある九州旅客鉄道、あなぶき興産九州、西日本鉄道の地場デベロッパーだ。九州旅客鉄道は2009年の新規供給が519戸、2010年は235戸とコンスタントな供給を続けている。西日本鉄道は2010年、309戸あった在庫(新規供給は41戸)を217戸販売。販売に力を入れ在庫圧縮した結果、2011年は新規供給が増える見込みだ。また、大手の積水ハウスや大京もコンスタントに供給を続けている。  一方で地場デベロッパーの間では、目立つ動きがあるのは数カ所で、依然として変わらない厳しい状況が続いていおり、供給が本格化しているとは言い難い状態で、事実上福岡のマンション市場をけん引しているのは上位3社と大手ということになる。  地場デベロッパーを苦しめているのが資金調達。リーマン・ショック以降、金融不安により、金融機関の融資状況が変わったことが大きな要因だ。以前は、土地代金と案件に掛かる諸費用分の一部、建設着手金ぐらいまで出ていたのが、今は土地代だけ。在庫も減少し、需要の高まりから地場デベロッパーは新規物件に躍起になっているが、資金調達の面でなかなかプロジェクトが進められない状況だった。

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2011年05月25日

都市高環状線がほぼ完成 福岡高速5号線・西九州自動車道に接続2

●新たなバス路線設置へ社会実験も開始

 沿道病院関係者、九州地方整備局、西日本鉄道、福岡市などからなる「福岡外環状道路の利用増進に向けた交通体系の方策検討会」は、今年の1月末から3月末まで、福岡外環状道路に新たなバス路線を設置するという社会実験を行った。ルートは地下鉄七隈線福大前駅と西鉄大牟田線大橋駅を結ぶ約9キロメートルの区間。平日は38往復、土・日祝日は30往復が運行した。
この社会実験の趣旨は、福岡外環状道路沿線には多くの病院が立地しており、さらに新たな公共交通で結ぶことにより、医療機関の連携が強化されるため、利用しやすくなるというもの。また、福岡外環状道路を活用し、鉄道駅と結ぶことで、「バス・アンド・ライド」の促進が図られ、鉄道が利用しにくい沿線地域の公共交通の利便性が高まることを見込んでいる。

 しかし、福岡市民の中には、国道202号線から385号線を経由し西鉄大牟田線大橋駅までを結ぶのではなく、那珂川病院や徳洲会病院などもある国道202号線をさらに直進し、西鉄大牟田線井尻駅やJR笹原駅、博多空港まで延伸してほしいという意見も根強い。
また、交通アクセスという点でいえば、先ごろ、地下鉄七隈線が沿線住民の強い希望に応える形で天神南駅からキャナルシティ博多を経由して博多駅まで延伸することが決定した。開業は約10年後となっているが、七隈線は開業以来、利用客が伸び悩んでおり、膨大な費用と時間を要して博多駅まで延伸したところで、利用客の拡大につながるかは疑問である。

 地下鉄七隈線沿線からJR博多駅にダイレクトにつながる効果は大きいが、地下鉄貝塚線への乗り換えは博多駅から中洲・川端を経由しなければならないなど交通ネットワークの面では疑問が残る。また、天神〜博多駅間は2本の地下鉄が並行して走ることになり、博多駅から先の延伸がない限り、利用者増にはつながりにくいだろう。
糸島、志摩地区はますます活発に 福岡都市高速道路5号線が開通し、西九州自動車道の福重と接続したことにより、糸島・志摩地区へのアクセスも飛躍的に向上した。糸島、志摩地区といえば、弥生時代に大陸から水稲耕作技術が伝わった地域のひとつで、以来その技術は脈々と現代に受け継がれている。
近年は、安全安心な食材への関心が高まっており、糸島市内では、こうしたニーズに応えるため約20の直売所で鮮度の高い農畜産物や水産物を提供している。中でも、JA糸島が運営する「産直市場・伊都菜彩」は、品数の多さや優れた集客力において全国でも注目されており、都市高速5号線との接続により、ますますにぎわいをみせるだろう。

 また、糸島といえば、九州大学の移転による活性化も注目される。
2005年10月から九州大学の伊都キャンパスへの統合移転がスタートし、2019年度までに完了する予定である。
都市高速5号線との接続で、その波及効果は加速し、大学との共同研究を目的とする企業・研究機関の立地や新たな産業の創出、さらには、世界各国からの留学生との国際交流の拡大によって、ビジネス目的をはじめ、研究者や留学生の家族・友人など、国内外からの来訪者の増加が期待される。さらに、九州大学との連携による水素エネルギーの実用と普及を目指す「福岡水素タウン」の実証実験に加え、国内初となる水素エネルギー製品研究試験センターの開設によって、「水素のまち」としての新たな魅力が加わった。
低炭素社会の実現に向けた「水素のまち」の魅力は、新たな観光資源として活用できる可能性も秘めている。

● 環状線開通後を見据え進む開発ラッシュ

 2012年内には博多湾沿いを走る1号線とも接続し、都市高速の環状線が完成することになるが、最後に環状線完成後の予測に触れておこう。

 福岡市営地下鉄七隈線の終点、橋本駅とは目と鼻の先、福岡都市高速5号線のすぐそばに4月15日開業の大型商業施設「木の葉モール橋本」がそびえ立っている。地上7階建てで、延べ床面積約84000平方メートル。1〜2階が店舗でスーパーの「サンリブ」を中核に天神の雑貨店「インキューブ」や百貨店・岩田屋の郊外型サロンなど約120店のテナントが入り、3〜7階が駐車場で1500台収容可能だ。その他の商業施設の新規出店も相次いでいる。

 昨年、「木の葉モール橋本」横に家具量販店「ニトリ」がオープンし、駅から北300メートルに位置する場所には北九州市を中心に展開する「資さんうどん」の福岡1号店が開店した。このように、来年1号線との接続を見据えた出店は続いており、交通の利便性が飛躍的に向上する橋本駅周辺の開発は盛んである。
橋本駅西側では、約7ヘクタールの区画で新たな街づくりを進めるため、昨年7月に検討委員会が発足した。南側でも約29ヘクタールの土地の債権者たちが街づくりの勉強会を始めている。

 橋本駅周辺は、もともと田園地帯が広がっているのどかな地域で、2005年、天神南駅とを結ぶ地下鉄七隈線が開業した後も、人を吸引するような開発は行われてこなかった。

 そんな橋本駅周辺の大規模な開発計画は多大な経済効果を生み出す一方、マイナス効果を引き起こす可能性もある。地元商店街では、人が増えると期待する声もあれば、お客を奪われると危惧する声もあるようだ。
治安面の不安を上げる声もあり、商業施設を含め、地域全体で連携し、住みよい街づくりを実現していくことが大切になっていくだろう。

 一方で、福岡市の地下鉄、都市高速の環状線は現福岡空港の存在で、空港東南部への展開が先延ばしされてきた。新空港建設計画がなくなり、現空港の増設が決まったことから、今後の交通ネットワークの早期形成が求められている。

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2011年05月23日

都市高環状線がほぼ完成 福岡高速5号線・西九州自動車道に接続1

福岡都市高速道路5号線の野芥〜福重間と西九州自動車道が開通し、都市高速環状線がほぼ完成(1周約35キロメートル・完全開通は2012年内)した。また、外環状道路も開通し、具体的にどれだけの混雑緩和が図られ、車の流れがどう変わるのか?さらに、都市高速5号線と結ばれたことにより発展が期待される福岡県糸島地区の将来像など、多角的に検証する。

ビジネスに!行楽に!時間短縮に大きく貢献


 2月26日、福岡北九州高速道路公社が整備を進めてきた福岡都市高速道路5号線の野芥〜福重間の4・1キロメートル(事業費424億円)と国土交通省福岡国道事務所が整備を進めてきた西九州自動車道の0・9キロメートル(福重JCT、事業費60億円)が開通した。例年3月に渋滞することが多いため2月末の開通となったが、これにより、福岡市内の都市高速道路機能が格段に高まった。最終的には橋本を経て西区福重まで延び、2012年内に福重JCTで西九州自動車道(福岡前原道路)および1号線と直結する予定である。5号線と1号線が直結すれば、日本では首都高速都心環状線、阪神高速1号環状線、名古屋高速都心環状線に次ぐ、4番目の都市高速道路環状線の誕生となる。
 5号線は福岡市の中心街にある1号線や2号線と異なり、住宅街が密集している福岡市西部を環状に結んでおり、特に太宰府方面からの交通緩和に期待が寄せられている。福岡県土整備部高速道路対策室の発表によると、福重から野芥までの所要時間が11分から3分に短縮され、福重から太宰府までの所要時間は1号線経由(所要時間36分)と比較して、5号線経由(所要時間17分)ではピーク時で約20分短縮(2005年道路交通センサスを基に算出)される。
 またこの開通により、福重と太宰府間は、これまで1号線のみのコースしか走れなかったが、5号線の開通によって1号線と5号線の2つのルートが可能となり、所要時間や目的地に応じて使い分けることができるようになるため、千鳥橋JCTや半道橋などの朝夕の渋滞緩和が多少なりとも解消されるのではないかと期待されている。
 そして、福岡市街を通過する車の一部が都市高速を走ることが予想されるため、一般道の渋滞が若干緩和されることになるだろう。
 さらに、緊急時の代替路としての効果も期待されている。2009年7月26日から8月12日までの17日間、九州自動車道の福岡IC〜太宰府IC間が大野城市大字乙金付近の、のり面の崩落により通行止めとなった。その際、福岡都市高速がその代替路として機能したのだ。このように、福岡都市高速1、2号線が事故や災害などによって通行止めとなった場合の代替路として機能し、緊急時の道路ネットワークの利便に一役買うことになるだろう。

外環状道路全通も渋滞緩和に一役


 都心の渋滞緩和という点では、福岡市都市高速5号線の高架下を走る外環道路もその役割を担うことになる。福岡市博多区立花寺〜西区拾六町までの16・2キロメートルを結ぶ国道202号福岡外環状線道路(全線4車線)が4月末に開通する。これで福岡市の西南部地域を東西に貫く交通動脈が完成する。1969年の福岡市都市計画決定、1973年の予算計上による事業化から約40年を費やした。
 福岡市は天神や博多駅などに各方面からの幹線道路が集中し、渋滞緩和が懸案事項となっていたが、この環状道路はその車の流れを外周に分散させるのが狙いである。総事業費は約2090億円で3分の2を国が負担し、残りを福岡市が負担する。すでに完成している区間は供用開始しており、2010年3月には、南区的場〜早良区野芥間(8・2キロメートル)を4車線化。国土交通省福岡国道事務所が同年11月に調査したところによると、2車線時に比べ、外環状道路の通行車両が昼間で約6000台増え、周辺道路の通行車両は減少した。また、免許試験場入口などの主な交差点の渋滞が解消・緩和され、城南区の福岡大学〜南区の井尻地区の所要時間がピーク時で9分短縮され、20分になった。しかし、西の終点となる西区拾六町は国道202号線と結ばれ、糸島地区までつながることになるが、東の終点である博多区立花寺は月隈JCTで行き止まりの形になっている。さらに交通渋滞を緩和する目的で延伸する必要はないのか。今後の課題となりそうだ。

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2011年05月20日

躍進する 介護事業2

●サービス付き高齢者向け住宅の開始
 2011年3月1日、高齢者住まい法(高齢者の居住の安定確保に関する法律)の改正法案が閣議決定した。これによって、これまで高齢者専用賃貸住宅(高専賃)、高齢者円滑入居賃貸住宅(高円賃)、高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)とされていた3つの高齢者向け賃貸住宅類型が「サービス付き高齢者向け住宅」に一本化された制度としてスタートする。
 この改正法案は、通例とは異なり、既得権も残されず経過措置もない。今回の改正法が成立すれば、法律が施行されるまでの6カ月間に「サービス付き高齢者向け住宅」の厳しい基準や義務を満たさない場合、一般的な賃貸住宅となる。また、異業種から多くの新規参入も予想できる。しかし、ソフトを伴わない事業者がいずれ淘汰されることは想像に難くない。

●北九州市らしい高齢社会対策とは
 団塊世代が高齢期に到達する4年後の2015年、北九州市では約3・4人に1人が高齢者になると予測している。北九州市の「2007年度高齢者等実態調査」によれば、総じて本人と介護者の両方ともに自宅での介護を希望する傾向が高い。
 また、北九州市保健福祉局「保険福祉レポート2010」で2007年度と2009年度の同市介護保険サービスの実績を比較すると、在宅の場合には訪問リハビリテーションが3・14倍、地域密着型の場合には地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護が3・75倍、小規模多機能型居宅介護が3・52倍と、ほかより格段に増えている。
 さらに、同調査の介護保険サービス利用者数(実人数)では、要介護1が1・16倍の8115人、要介護2が1・10倍の7600人で、全体の4割以上を占める(北九州市介護保険課調べ、数値は各年度平均値)。
 このようなことから、同市は市民要望の高い介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)と認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の整備を急ピッチで進める予定だ(第二次北九州市高齢者支援計画2009年度〜2011年度より)。
 北九州市が目指す「安心して質の高いサービスを利用できる環境の確立」は、時間との競争でもある。

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2011年05月18日

躍進する 介護事業1

●介護事業の現状と北九州の介護事業

 政府は3月11日、介護保険法等の改正案を閣議決定した。これが成立すれば、一部を除き、2012年4月1日にも新たなサービス等が施行される。
 一方、国土交通省が325億円を計上した2011年度予算案は3月1日衆議院を通過した。「サービス付き高齢者住宅」を年間6万戸、10年間で60万戸を供給する目標を掲げた。介護保険制度施行から10年。今回の改正法案等は、介護事業のハードとソフト両面の課題を浮き彫りにした形となった。
 そんななか、政令指定都市北九州市の高齢化率(全人口に占める65歳以上人口の割合)は、1995年から全国1位をキープしている。この2011年度には、高齢者の5人にひとりは要介護認定となる可能性が高い北九州市の介護政策を見てみる。

●介護保険法等の改正案概要
 今回の介護保険法等の改正案に盛り込まれた主な改正点は次の通り。

① 24時間体制で「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」のサービス提供が可能となる。訪問介護と訪問看護が連携し、利用者からの通報に応じて随時対応する。ひとつの事業所で訪問介護と訪問看護を併設したり、事業所どうしが連携してサービス提供したりすることも可能となる。さらに、ひとつの事業所で訪問看護と小規模多機能型居宅介護を組み合わせて提供できる「複合型サービス」も新たに創設される。

② 現在、医療行為として看護師などにしか認められていない「たん吸引」が、介護福祉士や一定の研修を受けた介護職員でも行えるようになる。

③ 自治体や社会福祉法人等にしか認められていなかった特別養護老人ホームや養護老人ホームを、社会医療法人にも設置できるようになる。

④ 介護療養病床の廃止期限を2011年度末から2017年度末へ、6年間延長する。ただし、2012年度以降の新設は認められない。

 このほかに重要な改正点は、政府が社会保障審議会等での議論を経て、改正法施行と併せて介護報酬を改定することだ。

●介護保険法等の改正案概要
 近年、介護現場では特に医療ケア、リハビリテーション、認知症ケアについての専門性が求められている。今回の法改正において、介護福祉士らが「たん吸引」等を行える体制が整備されれば医療と介護の垣根は低くなる。介護従事者がより高い専門性を満たせば、現場に即したより適切な介護が行える。
 一方、介護現場の長期的な課題に「介護の質の確保」がある。雇用状況の悪化に伴い、人材の質の低下を危ぶむ声も多い。ケアマネジャーを含む介護従事者には、プロとしての専門スキルを高める努力や養成システムが以前にも増して必要となっているのだ。彼らのスキルを報酬体系に反映させることが、介護業界から優秀な人材を流出させないことにもつながる。

→続く


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2011年05月16日

新商品 技術革新 エコ環境 世界の環境首都実現を目指す北九州市と地域産業2

● 加速する環境ビジネス

 2011年3月、北九州市は国際協力機構(JICA)が募集していた「カンボジア国シェムリアップ市浄水場建設基本設計補完事業」を受注。海外水ビジネス分野においては、日本の水道事業体として他の自治体に先駆け、初めてという快挙だ。
 こうした北九州市の動向に、今年早くも新たな展開が起きている。ロシア最大の経済団体「オーポラ・ロシア」は、同市の環境技術を高く評価し、交流を深めるために日本初の直轄事務所を同市に置くと決めた。
 また、このような地域産業をかんがみ、昨年4月、北九州市に一般社団法人エネルギーマネジメント協会が発足している。環境・エネルギー分野を通じて中小企業の連携・発展・育成を支援することを目的としている。

● 市がPR支援する「北九州エコプレミアム産業創造事業」

 忘れてはならない北九州市の政策に、2004年度から始まっている「北九州エコプレミアム産業創造事業」がある。市内の産業・技術分野のなかから環境への負荷が低い製品・技術・サービスを「北九州エコプレミアム」として選定し、そのPRのバックアップを行うことによって環境への配慮を促進する事業だ。選定されれば、市の各種支援事業に推薦される等のメリットがある。
 このような北九州市の取り組みは、「世代を超えて豊かさを蓄積していくストック型社会の構築」という理念に基づく。モノづくりの自負に支えられた地域産業を巻き込み、官民一体の技術革新・意識改革を成功させ、アジアを代表する低炭素社会を実現できるか。その先駆的取り組みは各界から注目されている。


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2011年05月13日

新商品 技術革新 エコ環境 世界の環境首都実現を目指す北九州市と地域産業1

北九州市は近年、環境ビジネスに関する話題の常連である。高度経済成長期の公害を克服し、「環境再生を果たした奇跡のまち」環境都市のリーダーとして、官民一体のグローバルな活動を見せている。北九州市と地域産業の息の長い取り組みを紹介する。 

● 公害都市から環境都市へ

現在の北九州市と地域企業の在り様を語るとき、かつての激甚な産業公害を克服した市史は外せない。巨額の公害対策費を投じて、その間に世界最先端の環境再生システムを構築し、産業都市としての底力を官民一体となって発揮した。
 一方では、アジア環境都市ネットワークや東アジア経済交流推進機構といった国際的な環境協力のネットワークを粘り強く広げてきた。こうした長年にわたる国際技術協力や人材交流は、国際的に高い評価を得ている。

● 環境都市の世界的リーダーを目指して

 昨年、北九州市ではさまざまな事業が立ち上げられた。これらは、2004年度に同市が世界の環境首都を目指して策定した長期的な活動ビジョン「環境首都グランド・デザイン」に基づく。この低炭素社会の実現を目指す先駆的な取り組みによって、2008年7月、国から「環境モデル都市」に認定されたことを受け、翌2009年3月には2009年度から2013年度に取り組む「環境モデル都市行動計画(北九州グリーンフロンティアプラン)」が策定された。

● 進む低炭素社会の基盤づくり

 「環境モデル都市行動計画」の基盤づくりである初年度の2010年4月、北九州市は国の「次世代エネルギー・社会システム実証」を行う全国4地域の一つに選定された。
 北九州市では昨年6月に「アジア低炭素化センター」(アジア・グリーンキャップ)を開設。「環境モデル都市行動計画」で掲げた2050年、アジア地域におけるCO2排出量を、北九州市の2005年比で150%(2340万トン)も削減するという目標を実現するためだ。後述のスマートグリッド事業に代表されるような地元企業の環境技術を、アジア地域へビジネスベースで技術移転することを支援する等、地域経済の活性化を図る。
 また昨年8月、「北九州スマートコミュニティ創造事業」が開始された。八幡東田地区において、次世代送電網(スマートグリッド)を核に、交通システムやライフスタイルの変革を図る実証を行っている。この実証実験の成果は、城野地区の「ゼロ・カーボン先進街区」事業に反映され、その後は全市にも展開する予定だ。
 さらに、昨年12月、北九州市の水ビジネスを世界へ発信する「ウォータープラザ」が完成。NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)と北九州市がGWSTAに委託し、建設した。運営実証と機器試験の両方を兼ね備えた国内初の施設である。先進の水循環システムの開発から、管理・運営ノウハウの蓄積、さらには国内外に情報発信して技術普及を進めることが目的であり、世界の水ビジネスへ事業参入するモデルケースとしても期待されている。

→続く

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2011年05月11日

専門通販をリードする 福岡の通信販売業界2

先鞭をつけたのは辛子明太子のふくや

日本における通信販売のスタートはすでに触れたが、福岡における始まりはどの会社だろうか? それは辛子明太子のふくやである。1985年、電話2台、オペレーター2人という体制でスタートしたのが始まりだが、福岡でいち早く通信販売という商法を根付かせた貢献度は大きい。
 さて、福岡には、香酢の「やずや」、飲むヒアルロン酸・皇潤の「エバーライフ」、緑効青汁の「アサヒ緑健」、フコイダンや快朝の「ヴェントゥーノ」、やまだ農園本舗ブランドの「アネックス」など、主に健康食品を取り扱う通販会社が群雄割拠している。
 なぜ、福岡にはこうした通販会社が多いのか。それは、福岡の会社が全国でも最も市場の大きい東京を中心とした首都圏を主なマーケットと考えているからだといわれている。東京などに比較して土地の価格や人件費が安価であり、都市としての機能も充実した福岡に本社を置き、首都圏で販売することにより、より利益を生み出すというわけだ。実際、これらの会社テレビコマーシャルやインフォマーシャルは、東京および首都圏でも頻繁に放映されており、関東に住む視聴者の中には、こうした福岡の会社を、東京の会社だと思っている人も少なくないのではないだろうか。

超高齢社会を迎え重要性が高まる通販業界

超高齢社会を迎え、通信販売の社会的機能が重要視されてきている。物販はオーバーストアといわれているが、郊外型の大規模店の出店により、従来型の商店街や駅前スーパーなどが閉店し、その地域住民(特に高齢者で車を運転できない人)が買い物ができない、いわゆる「買い物難民」が増えてきている。そこで、都会に住む子どもに頼み、ネット通販で大量に購入してもらう方法をとっている高齢者も多いという。また、東京でも高級住宅地などでは、すぐ近隣に商業施設が無いケースもあり、通信販売を利用する人が多いといわれている。
 超高齢社会に突入する日本において、高齢者の関心は何といっても「健康」である。長生きしたいというよりも、日々の生活を健康な身体で過ごし、子どもなどに迷惑をかけたくないという意識が高まっているようだ。医療の考え方も「治療から予防」という考え方に変わってきており、健康をサポートする健康食品の持つ重要性はますます高まっている。福岡の通信販売会社も、滋養強壮やダイエット、目の健康など、現代人が抱えている健康の問題に対応する商品を次から次へと開発し市場に投入しており、さらに新たな健康ニーズに対応する新商品も開発され続けるだろう。総合通販から専門通販という流れが追い風になり、福岡の通販会社はますます成長を遂げるに違いないといわれている。

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2011年05月09日

専門通販をリードする 福岡の通信販売業界1

数年前から、通信販売会社のテレビコマーシャルが増えている。その中には九州に本社を置く会社も少なくない。九州の中でも福岡の通販会社は、健康食品など専門分野に特化した商品ラインアップを武器に、消費不況のまっただ中で健闘している。
 通信販売の歴史をたどりながら、なぜ今、福岡の通販会社が強いのかを浮き彫りにしていく。

東京から関西、関西から九州・福岡へ

福岡の通販会社の話を始める前に、まず通信販売の歴史を簡単に触れておこう。そもそも通信販売が始まったのは、社団法人日本通信販売協会が設立された1983年ごろにさかのぼる。当時は百貨店などのリアル店舗に比べて、無店舗販売という位置付けになり、特殊販売的なイメージがあったが、ディノス(東京)や高島屋(東京)が、そのブランド力によって業界をリードし、通信販売という物販形式が広く認知されるようになった。その後、ニッセン(京都)、千趣会(大阪)、ムトウ(兵庫、現・スクロール)などの台頭によって、東京から関西への時代を迎えることになる。
 ここまでの通信販売は総合通販で、その全盛時代は1990年代半ばまで続く。しかし、1997年、1998年と2年連続で通販市場がマイナスに落ち込み、通販業界は次のフェーズに移ることになる。ファンケル(神奈川)、DHC(東京)など化粧品に特化した通信販売が伸び始め、ユニクロ(山口)が勢いを増してきた1999年からは専門通販の時代に突入する。やずや(福岡)、山田養蜂場(岡山)、さらに、2000年代に入ると、エバーライフ(福岡)、健康家族(鹿児島)などが台頭し始める。ちょうどこのころ、インターネットが加速度的に普及し、TV通販などとのメディア・ミックスにより、多くの顧客を獲得していった。
 こうして見てみると、東京から始まった通信販売が、総合通販から専門通販へとその形態を変化させるとともに、関西、九州へとその波が押し寄せてきており、九州の中でも主に健康食品を扱う福岡の通販会社が市場をにぎわせるようになった。福岡の通販会社は、やずや、アサヒ緑健など単体で100億円を超える企業が多く、毎年、堅調な伸びを示している。
ちなみに、通信販売業界の市場規模は約4兆3100億円(2009年度社団法人日本通信販売協会発表)で、通信販売が盛んになった2000年より毎年プラス成長を続けている。
百貨店の右肩下がりとは対照的だ。

→続く

記事は東経ビジネスに掲載中です。

2011年05月06日

名前と住所を教えて下さい!ドコモをかたった迷惑行為に注意

ドコモでは、東日本大震災の対応として、ユーザーからの申し出があった際に基本使用料などを日割りにして返還等を行っている。その中で、ドコモになりすまし、携帯電話や自宅の電話にユーザーのプライバシー情報(名前・住所など)を聞き出すなどの迷惑行為に対する相談が寄せられていることを明らかにした。

主な相談事例は、下記のとおり。
例1:NTTドコモと名乗り、「料金が高いから返金いたしますので、名前と住所を教えて下さい。」「返金する金額が決まったらまた連絡します」と個人情報を聞き出す。

例2:ドコモ中央料金センターと名乗り、「1月〜3月までの3万円を返還したいから住所を教えて下さい」と個人情報を聞き出す。

例3:NTTドコモと名乗り、「料金設定が高かったので返金の連絡を多くの皆様にしています。お客さま情報を教えていただければハガキをお送りするのでそれを持ってドコモショップへご来店下さい」と個人情報を聞き出す。

ドコモでは、利用料金の請求書が宛先不明で届けられない場合等を除き、ユーザーの携帯電話・自宅の電話等に連絡をし、ユーザー情報(名前・住所等)を聞くことはないという。またユーザーに利用目的を開示せずにプライバシー情報を聞き出すことはないとしている。

このような電話を受けられた場合は、くれぐれも注意し、無用なトラブルを避けるためにも、ユーザーのプライバシー情報を伝えることなどないように注意が必要だ