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2011年01月31日

気になる建設業者・リストアップ200

好評のシリーズ第7弾、平成22年度版「気になる建設業者・リストアップ200」より昨年の売上高ランキング、有利子負債年商比ランキング、有利子負債増減率ランキングの集計を下記の通り行った。 平成21年12月4日に施行された中小企業金融円滑化法の恩恵により、倒産件数および負債総額は前年を下回っていたが10月、緊急保証制度は同2含め今年の動きに注目。


建設業者


公共工事請負金額では4月以降、8月のみ前年を上回ったものの、他の月はすべてマイナスとなり低調推移。新設住宅着工戸数に関しては8月に大幅な改善となるが、10月には再びマイナス(マンション発売戸数は6カ月連続前年を上回った)。完全失業率も一進一退が続いている。金融機関と企業動向に隔たりが感じられる。


建設業者


近畿財務局管内に本店を置く地域銀行(10行)、信用金庫(32金庫)および信用組合(21 組合)の法施行日から平成22年9月末までの貸付条件の変更等の実績は下記の通り。 (各統計資料より)
大阪支社発刊の気になるシリーズ平成18年版では「大舞工業」「浅川組」「近畿建設」「ヤシマ」「明徳」、19年版では「新井組」「シゲムラ建設」「田中太工務店」「真柄建設」、20年版では「稲田建設」「木原建設」「栗本建設工業」「成公建設」「大昌建設」「平和奥田」「丸濱組」「本原」、21年版でも既に「穴吹工務店」「上田建設工業」「東海工業」「日の本土木」など、いずれも格付けランク低位であった業者が破綻している。


建設業者


平成22年度版は上記金融円滑化法が寄与し、ーが改善するなど、表面的にF(破綻懸念)が11社減少し、E(要警戒)へ移行している。ただ、E(要警戒)およびF(破綻懸念)合計は21年度版58社と同水準で推移。 本年23年度には、金融機関の対応も各銀行の体力に応じたものへと変化が予想されており、昨年の様な横並びとは考え難い。

2011年01月28日

上場ゼネコン53社の平成22年度中間業績

 平成22年4-9月期の決算発表が一巡したことを受けて、上場ゼネコン53社の平成22年度中間業績について別表の通り集計を行った。別表は53社を連結売上高順に並べたものである。

 決算月の異なる「20.福田組」と「51.金下建設」は22年6月中間期、は22年3月中間期、「52.工藤建設」は21年12月中間期を集計対象としている。 受注高以外は連結ベースの数値を使用した(ただし、「18.髙松コンストラクショングループ(CG)」は受注高も連結ベース、反対に連結決算を作成していないン」、「45.第一建設工業」はすべて単体数値を用いている)。

なお、営業利益、経常利益、純利益の前期比欄の「-」は前年同期と損益が逆転して比較できないことを示し、期に続いて赤字であることを示す。


◎売上高

前期は「1.鹿島建設」と「2.大成建設」の単体受注高がともに1兆円の大台を割り込むなど、各社の受注不振が深刻化したが、当中間期は工事進捗により連動して売上高を大きく落とした会社が目立った。 一方、3月期決算企業は前期より「工事契約に関する会計基準」(企業会計基準第15号 平成19年12月27日)が適用され、前期新たに着手した工事契約からは全面的に工事進行基準で完工高を計上することとなった影響が本格化し、従来保守的な基準で完工高を計上してきた一部の会社は増収に転じた。 53社トータルでは4兆9,178億円と前年同期の5兆7,310億円より14.2%減少した。


◎営業利益

売上高が落ち込む一方、利益は改善傾向が鮮明。53社トータルで1,212億円と前年同期比74.6%も増加した。 これはそもそも前述の通り、工事進行基準による収益計上が浸透し、上期と下期の利益の偏り自体が平準化されつつあることがベースにあるが、さらにいくつかの要因が重なっている。 つまり、自民党政権下で編成された景気対策の補正予算により前期発注された工事の利益率が高かったことや、想定されたような資材価格の高騰がなく安定していたことも大きかった。 さらに22年10月に羽田空港4本目の滑走路が開業したが、この竣工時(同年8月)には見通し以上の利益が確定し、「14.東亜建設工業」、「22.東洋建設」、「33.若築建設」などマリコン各社には強い追い風が吹いた。 反対に、大型リストラによるコスト削減を実施した「7.五洋建設」、「9.西松建設」、「37.大末建設」なども増益に転じた。


◎経常利益

営業利益と同様に、改善基調。53社トータルで1,075億円と前年同期比66.1%増加した。 ただし、営業利益と経常利益の差額(つまり営業外収支の赤字額)は107億円で、前年同期の47億円から60億円拡大した。


◎純利益

53社トータルで586億円となり、前年同期比157.5%増と大きく伸びた。経常利益の増加に加え、不良債権、リストラ、繰延税金資産取崩しなどの処理が一巡した格好。特別損失では「33.若築建設」が金融機関への返済資金捻出のため、関連会社・佐藤工業株式を売却して60億円の特別損失を計上した例が目立った程度だった。 反対に「9.西松建設」のように財務リストラの過程で資産売却の加速により特別利益を計上した例もあった。


◎有利子負債・キャッシュ

 前期末と比較して、営業キャッシュフローの赤字などによる有利子負債の増加と、キャッシュ(連結キャッシュフロー計算書での「現金及び現金同等物」)の減少が同時に起きているのは、設」、「8.三井住友建設」「23.飛島建設」った。 有利子負債の53社トータルは3兆0,712億円と前期末比6.0%減少、一方キャッシュのトータルは1兆3,584億円と同8.8%減少で、差し引きしたネット有利子負債は1兆7,128億円(同3.7%減)全体として民間受注の低迷や工事の小型化などで立替資金需要が減少していることに加え、不動産事業での土地仕入れも抑制傾向にあり、金融債務圧縮の流れは続いている。


◎単体受注高

業績の先行指標だが、公共工事、民間企業の設備投資がいずれも低迷する中、苦戦する会社が目立った。53社トータルでは3兆8,184増加組各社の状況だが、極度の不振だった前年同期からの反動で12.3%増に転じたが、通期計画は前期比14.4%増のため、決して好調というわけではない。「6.戸田建設」はライバルに比べて価格面でも積極姿勢が目立つという声を聞く。競争力の高さを評価する向きもある。「7.五洋建設」間組」、「14.東亜建設工業」も海外での受注が国内の不振をカバーした格好。「23.飛島建設」マンション市況の回復が追い風になった面がある。 前期に続いて通期受注高が計画の2,900億円(前期比7.1%増)をクリアできるか注目される前期末に無理をした反動もあり、前年同期比19.2%減と厳しい折り返しとなった。


◎完成工事総利益率

工事の「質」を示す指標。全社平均で9.2%と前年同期を1.0ポイントも上回った。 選別受注の効果が浸透してきた上、受注時の想定より鋼材など資機材価格が下落に転じたことが効いている。これが営業利益回復の主因となった。 ただし、個別にみると「23.飛島建設」、「24.錢高組」、「48.森組」、「50.佐田建設」など2~3%台の低水準にあえぐ企業もある。


◎自己資本比率

財務体質の安全性を表す指標だが、全社平均は30.2%と前期末より2.1ポイント上昇し、ついに30%の大台に乗った。前期末より日経平均株価は15%下落し、有価証券の含み損益は悪化したにもかかわらず、多額の純利益の発生でカバーしたことになる。 最小は「9.三井住友建設」の8.4%。一桁は同社のみとなっており、資本増強策が注目されるが、同社はアナリスト説明会や決算補足資料を作成しないなど準大手にしてはIRの消極的姿勢が目立ち、方向性が見えにくい。


◎DEレシオ


有利子負債への依存度を示す指標で、多くのゼネコンが中期経営計画などで目標値を掲げているが、全社平均は1.0倍と前期末から0.1ポイント改善した。自己資本が増加した一方、有利子負債も減少が進んだ。 2.0倍以上は「1.鹿島建設」(2.1倍)、「5.長谷工コーポレーション」(2.3倍)、「25.(2.2倍)、「37.大末建設」(2.9倍)、「43.南海辰村建設」(2.9倍)、「44.徳倉建設」(2.1倍)、「48.森組」(2.0倍)、「52.工藤建設」(3.7倍)の8社。 なお、レポート中では有利子負債からバランスシート上の現金預金を差引いた「ネットDEレシオ」を用い、より実態に近い有利子負債依存度を算出している。


◎まとめ

これまで見たとおり、足元の収益は一部を除いて回復傾向にあり、上期だけで利益の通期予想をクリアした会社も現われた。ただし、各社下期の見通しは慎重姿勢を崩しておらず、業績予想の上方修正は23年2月の第3四半期決算発表時まで見送るようだ。こうした中、足元で破綻リスクを抱えるのは一部の低格付企業に絞られているのが現実である。
しかし、業界には火種がいくつかある。
ひとつは海外工事の問題。 アルジェリア公共事業省発注のアルジェリア東西高速道路建設工事は当初契約では平成22年1月17日が工期だったが、悪天候、治安悪化、資材調達難、度重なる設計変更・追加工事、特有の軟弱地盤、イスラム圏ならではの交渉の難しさなどいくつもの逆境に直面し、を延長したが、結局それでも工事が終わらなかった。
現在は新たな工期の設定や工事代金の増額、出来高払いの早期開始を巡って協議を進めているが、工事の進捗率はおよそ7割という段階でこう着状態に陥っている。 もともとの受注金額はで、施工を請け負っているのは「1.鹿島建設」(37.5%)、「2.大成建設」西松建設」(15%)、材調達の伊藤忠商事と協力業者の建設」(5%)からなるJV。
新たな工期を平成24年1月とすることでJVスポンサーである鹿島とアルジェリア公共事業省との交渉が進んでいる模様だが、この件で前期一定の損失を計上した西松が新たに「事業等のリスク」として追加損失発生の可能性に言及している通り、2年もの工期延長により費用が相当額に膨らむことは確実で、JV各社は損失発生が避けられない情勢。最終的な損失額はJV出資比率に応じて分担することになるが、ふたを開けて見れば各社の経営を揺るがす事態ともなりかねない。 また、前期話題になったドバイメトロの件でも、鹿島がJVへの出資を拒否しており、スポンサーである「4.大林組」との間でトラブルとなっている。さらに、大成はカタールの新ドーハ国際空港建設工事でも多額の損失発生リスクを抱えているといわれ、まだまだ海外プロジェクトの問題は尾を引きそう。
二つ目の火種は退職給付債務の問題。 中期経営計画の下で再建中の「25.淺沼組」は22年10月から退職金制度を改定した。

現役社員は確定拠出年金を一部導入し、あわせて給付利率・据置利率を引き下げる。さらにすでに退職したOB世代の給付利率・据置利率も現役世代と同じ水準に引き下げるという踏み込んだ改定内容。OBの年金減額を実施したのはこれまでに日本航空(JAL)と近畿日本ツーリスト(KNT)など経営が悪化したごく一部の企業だけだが、レポート中で各社の退職給付債務の積立不足を記載したとおり、年金資産の運用悪化と業績低迷の中で過大な負担を抱える企業は他にもある。
GC重要事象が指摘されている「50.佐田建設」も厚生年金基金の代行部分の返上を計画しているが、今後こうした例が続出すると見られる。
三つ目の火種は金融機関の持ち合い株式売却の流れだ。 前期は「26.大豊建設」の株主から突然、主力銀行である三井住友銀行の名前が消え、取引先に動揺が走ったが、当中間期でも「15.安藤建設」の大株主から準主力の三菱東京UFJ銀行の名前が消えた。さらに「5.長谷工コーポレーション」でも準主力のみずほコーポレート銀行が議決権比率を半減させた。
全体的に持ち合い株は解消の方向に流れており、これらの動きがただちに金融機関の支援姿勢の後退を意味するものではないが、相手が業績不振企業となると話は別。銀行は数ある持ち合い先の中からなぜこれらの企業を選んだのか、今度の動向を注意深く見守る必要があるだろう。

2011年01月26日

中四国地区の主な倒産を振り返る

 【7月 老舗業者の倒産】

 7月に入り、倒産が相次いだ。

 明治43年創業の中川木材㈱(広島県三原市)が、10億1,000万円の負債を抱え破産手続開始の申立を行った。債権者数は110名にのぼる。当社は地元備後地区を中心としたエリアで、建設関連業者を対象に木材や建材の販売を行ない、その永年の実績により、地場トップクラスに数えられるまでに成長を遂げた。本業以外にも、ホテルやキャンプ場の経営を行う等、事業を多角化。その一方で積極展開のツケが重荷となり、収益面を圧迫した。平成9年7月にはホテルを売却し、リストラによる立て直しを図るも、日には広島地裁福山支部に和議を申請し再建を続けていた。しかし、近時の景気後退の影響で、先行きの見通しが立たなくなり、事業継続を断念した。


 管工事の老舗㈱西備(広島県福山市)が破産手続開始の申立を行ったのも7月であった。

 当社は、昭和2コン筋や地場大手企業の下請けを中心とした受注基盤を構築し、ピーク時となる平成4年9月には10億円を超える売上高を計上。しかし、業界不況の波には太刀打ちできず、近年は減収推移で赤字に転落。売り上げ規模はピーク時の5分の1にまで減少しており、限界に達した。 また、同じく備後地区の老舗、原田建設㈱(広島県世羅郡)が事業を停止。事後処理を弁護士に一任し、破産手続開始の申立を行った。


 当社は、業歴50年を数える業者で、世羅郡や尾三地域事務所発注の公共土木および舗装工事を主体とした受注基盤を構築。しかし、広島県の北東部に位置する、もともと民需の少ない地域であり、受注環境は厳しく、近年は減収で推移。有利子負債は年商並みに達しており、厳しい経営を強いられていたが、力尽きた。

 広島市内では、老舗地場ゼネコンの日成建設㈱が広島地裁に破産手続開始の申立を行った。

 昭和21年9月設立、同45年には広島市安佐地区で1,000区画規模の宅地開発および分譲を手掛け、地場中堅の業者に数えられるようになっていた。また、関東地区へも進出するなど、エリア拡大による積極展開を行い、平成9年3月には過去最高の80億9,800万円内外の売上高を計上。しかし、その後は市況低迷により業績は悪化し、同15年6月、社長が責任を取り辞任した。


 一方、同年8月には不動産部門を分割すると同時に主力銀行からの出向者を迎え、金融機関主導の立て直しを図ってきた。出向者が退出して以降、独自に再建を続けるも、資金繰りは逼迫し支払い遅延が慢性化。対外的な信用も低下する中で、先行きが注目されていたが、限界に達した。


【9月 ホテル業界も業況厳しく・・・】

 昭和46年3月に設立した㈱岡山国際ホテル(岡山市中区)が、岡山地裁に対し民事再生手続開始の申立を行った。負債総額は14億3,900万円内外にのぼる。

岡山国際ホテルの名称で事業を開始。地元財界の出資を受け“迎賓館機能を持つ高級ホテル”をコンセプトとしたグレードの高い経営を続けてきた。平成18年4月にはホテルオークラのチェーンに入り、同19年10月には「ホテルオークラ岡山」へと名称を変更した経緯を持っており、岡山市では相応の知名度を有するホテルへと成長を遂げてきた。しかし、長引く景気後退の影響で利用客は減少。また、宴会部門など当ホテルの利用を継続してきた企業も、経費削減を強いられており、客単価は低下していた。同22年3月期には3億円内外の大幅赤字決算となり、債務超過に転落。経費削減策等、自助努力による立て直しを図るも、根本的な解決には至らず自力再建を断念した。



  ㈱シモカネ(山口県下関市)が山口地裁下関支部に破産手続開始の申立を行い、49億3,000万円内外の負債を抱え倒産。


 昭和26年創業の当社は、もともと金物販売を行ってきたが、時代の流れとともに家電製品の販売および住宅設備機器の販売へと主軸を移行させ商社へと転身。平成14年頃からはインターネットを活用した商品販売に参入し、同1は97億円内外の売上高を計上するまでに成長。好調な業績を背景に、不動産投資にも進出し業容を拡大した。しかし、この動きにより有利子負債は45億円規模にまで膨れ上がっていた。近年では景気の後退も進み、好調な動きをみせていたインターネット販売の売上が激減。同22年1月期の売上高は60億円内外にまで減少し赤字に転落していた。厳しい経営が続く同21年末頃には取引先への大口焦げ付きが発生。金融機関に対し返済のリスケジュールを申し込むとともに、山口県中小企業支援協議会を介した再建に取り組んでいた。先行きが注目される中、同22年7月の決済が不調に終止し、資金的な限界を迎えたため法的手段に踏み切った。


【9月 国内初、金融機関の倒産】


 通算業歴112年を数える老舗業者の㈱井東船具(広島市南区)が事業を停止し、広島地裁に対し破産手続開始の申立を行った。


船具用品や塗料、金物など造船関連商品の取り扱いに加え、カキ養殖用資材の販売も行い、地元業者を中心とした基盤を構築。永年の実績により、地元業界内では相応の知名度を有する企業であったしかし、業績は厳しく過去から取引先が当社所有の不動産に担保を設定するなど、与信面では今一歩の状態。造船業界やカキ養殖業界の市況も厳しく、その影響により当社も資金面、財務面ともに軟化が進んでいた。


 備後地区では老舗で地場上位に数えられる佐竹工業㈱(広島県三原市)が広島地裁尾道支部に対し破産手続開始の申立を行った。帝人㈱や東中国菱重興産㈱など大手企業からの受注基盤を構築してきた。しかし、近年の厳しい業績を強いられる中、平成18年6月期には過去の粉飾決算が発覚し与信が低下。その後も業界市況低迷の影響から連続赤字を計上する等、厳しい経営を強いられ、限界に達した。


 中四国地区以外であるが、日本振興銀行㈱(東京都千代田区)が民事再生手続開始の申立を行い、国内では初となる金融機関の倒産へと至った。 また、東証1部上場の㈱武富士(東京都新宿区)が負債総額4,336億円内外の負債を抱え会社更生手続開始の申立を行ったのも昨年9月。厳しい市況はついに金融機関の破綻といった事態を引き起こした。


【10月 違法行為の果てに】


㈲イッシンランバー(広島県廿日市市)が広島地裁より破産手続開始の決定を受けた。


 もともとログハウスの建築工事を主体としていたが、平成12年頃より健康食品の材料となる自社ブランド健康食品の“サンモリンガ”の販売を開始し業容を拡大した。しかし、この“サンモリンガ”の販売に関し、医薬品販売の許可を得ずに「がんに対する科学的予防能力剤」とうたったことが薬事法違反となり、同2神奈川県警に逮捕される事件が勃発。これにより対外的与信は著しく低下していた。なお、同製品はインターネットを通じ、5年間で約600人に販売され、4,000万円内外の利益を得ていた。


 メッシュ金型工事、建築用金物販売の㈱西部ニチラス(松江市)が従業員を解雇し事業を停止した。


 ㈱ニチラスの指定工事店として山陰地区で稼働を続ける一方で、平成1㈱関東ニチラスを立ち上げ販路を拡大してきた。しかし、建設業界市況低迷のあおりを受け業績は悪化。多大な有利子負債の負担も重く、事業継続を断念した。なお、当初は法的申立を行う方針であったが、自社で請け負った現場が残っているため、裁判所に対する破産手続開始の申立は取りあえず見送り。現場を完成させた後に、法的手段による清算を行うとしている。また、当社の倒産に際し、取引先との不明瞭な手形操作が行われていた模様で、これらの業者は後に手形決済が不調に終止。当社倒産の波紋が広がっている。


【11月 エコ分野でも大型倒産】


  ㈱ジュオン(広島市安佐南区)と、その関連㈱コスモエース(同所)が事業を停止し、事後処理を弁護士に一任した。


 木材製材時にこれまで廃棄処理されていた間伐材から特殊水溶液を抽出し、これを排気ガスに混合させ浄化させるという画期的な環境機器を開発。この技術は特許を取得しており、技術力には定評がある。本店以外にも東京事務所を設置し、関東エリアを中心とする受注基盤を構築してきた。平成21年1月には総事業費29億円を投じ、広島県庄原市に木質バイオマス活用利用施設を建設。農林水産省の地域バイオマス活用交付金を利用し資金を調達したが、当初予定通りの交付が受けられなくなり、資金面に狂いが生じていた。近時、新たにコーヒーショップで廃棄される“コーヒー豆のカス”に着目し、これらを特殊な方法で固めたコースターの製造や、新たなエコ商品の開発による新規事業を計画するなど、積極的な経営姿勢に変化はみられなかった。同22年4月には、上記施設の一部稼働を開始。同23年4月の全面稼働を目指していたが、資金面での限界を迎えた。なお、当初破産手続開始の申立を行い、法的な清算を行う方針であったが、行政関連の交付金を受けての事業であったため、地元行政から事業継続を求める声が上がっている様子であり、現在調整中と聞かれる。


  ㈲廣重機工業(山口県周南市)が6億円内外の負債を抱え事業を停止。破産手続開始申立の準備に入った。


 昭和54年4月創業の当社は、ゼネコン筋や地場中小建設業者を対象とした受注基盤を構築し、解体工事をメーンに稼働。本業に関連して、産業廃棄物のリサイクル施設を建築。その他、本社事務所の新築、賃貸用ビルの購入など、積極的な展開で設備投資を行ってきた。しかし、その分、有利子負債が増加し借り入れ負担が経営を圧迫していった。平成1期は公共施設の大型解体工事が寄与し、過去最高の10億4,570万円内外の売上高を計上していた。しかし、同期は国税局の税務審査により2億円を超える追徴課税を計上し、1億6,282万円の大幅赤字を計上。2億1,676万円の債務超過に転落し、厳しい経営を強いられていたが、限界に達した。


【12月 商業施設も競合激しく・・・】


  “米子しんまち専門店街”の運営を行う米子近代開発㈱の負債を抱え民事再生手続開始の申立を行った。 同専門店街はテナント店数61を数え、平成6年2月期には39億円内外の売上高を計上していた。しかし、同業他社の大型商業施設進出により客足は減少。撤退する店舗も増加し、それに伴う敷金返還が収益を圧迫。新規のテナント店の家賃も減額せざるを得ず、厳しい経営を強いられていたが、限界に達した。


  平成21年12月に中小企業金融円滑化法(通称モラトリアム法案)が、同23年3月までの期限付きで施行。金融機関への借り入れ元本および利息返済の猶予という選択肢が法的に認められる状態となった。 同法案の施行以来、平成2日までの中国地区管内42金融機関(地方銀行9、信用金庫22、信用組合11)での対応をみても、各月末までの申込件数(累計)に対する実行の割合は上昇し、審査中の案件処理の迅速化が進んでいる。同22年9月期時点で申込件数6万8,383件に対し実行件数は6万1,234件で実行率は89.5%にまで高まっている。


こうした背景もあり、倒産の件数は減少傾向で推移。同22年12月14日には金融庁が中小企業金融円滑化法の期限を1年間延長することを正式に発表しており、金融債務の返済再開について、取りあえず先送りされた格好となった。 ただし、景気低迷が続く中で、延長された期限が到来するまでに、各中小企業が経営および返済能力の改善につながるかどうかについては、いまだ不透明な状況と言わざるを得ない。

2011年01月24日

工事業者完成工事高【土木・建築部門】

 例年に続き、トップは広成建設㈱。親会社のJR西日本管轄で、中国地区の鉄道関連工事をほぼ独占できる強みを発揮。今期は黒字に転換を果たしており、増収増益での推移。完工高・売上高ともに2位以下を大きく引き離し、広島地区での業界トップの威厳を見せつけた。

  2位も前年に引き続き大新土木㈱がその座をキープ。完工高は前年を下回るも、売上高では増収。最終利益では前期比で減収となるも、利益の額では11億8,132万円と、トップの広成建設㈱を上回った。3位には、順位を1つ上げトップ3入り。前年3位のミサワホーム中国㈱と入れ替わる格好となったが、5位の㈱増岡組を含み、トップ5の入れ替わりはなかった。

  6位以降では、昨年10位だった洋伸建設㈱が順位を3つ上げ7位にランク。売上高を100億円の大台に乗せ、完工高とともに増収増益の業績であった。

 前年、トップ10にランクインした企業で、赤字決算となっていたのは3社あった。

 しかし、今期は上位21社すべて経常損益および当期損益においては黒字を計上した。 しかし、その一方では前年まで伸長傾向を示していたトップ10企業の平均完工高は、前年の185億3,800万円から179億4,861万円と低下を示している。市況の低迷から厳しい経営を強いられる中で、各社ともに利益重視の動きを見せた結果のようである。

  昨年までトップ10に入っていた大木建設㈱は、前期比で完工高が43%ダウンの大幅減収となり7位から12位へと後退。

 また、前年9位だった広島菱重興産㈱も完工高が42%ダウン。建設業以外の部門での全体をカバーしたため、総売上高は前期比26%ダウンに抑えたものの、17位に後退した。

 トップ10圏外に目をやると、創建ホーム㈱が昨年の16位から順位を2つ上げ14位に。近年、8期連続での増益基調での推移を続けている。

  前年75位の㈱玉川工務店が完工高を前期比で1.9倍に伸ばし37位に急上昇。県北地区の業者としては19位の㈱加藤組に次ぐ順位に付けたが、昨年同様経常損益および最終損益では損失を計上する厳しい内容となっている。

 また、同じ県北地区の宮田建設㈱は、完工高を前年比で1.4倍に増加させ黒字に転換。増収増益で昨年の59位から42位まで順位を上げた。

 前年に比べトップの上位20社の企業は、黒字転換を果たし利益を捻出。しかし、21位以下については、赤字決算もしくは利益計上が少額の企業も相応にあり、業界全体としては依然として厳しい状況が続いている。

2011年01月21日

景気低迷の中でも“ユニクロ”強し!

 中国地区上場企業数は85社で、前年と同数で推移。上場企業の時価総額合計は4兆8,474億8,300万円と、億2,600万円から大きく下落した。
  前回は、上位10社の平均時価総額は4,254億8,990万円であったが、今回は3,808億2,650万円に減少。1,000億円を超える企業も前回10社から今回は9社と1社減少しており、に表れた結果となった。

 そのような中、トップをキープしたのは前年同様、㈱ファーストリテイリング。前回から時価総額は18%ダウンするも、中国地区では唯一1兆円超を記録しており、2位とは倍以上の差をつけての独走態勢は続いた。衣料品販売の“ユニクロ”を展開し、日本国内をはじめ世界各国で合計944店舗を運営。バングラデシュのグラミン銀行と合弁会社を設立、同国で合弁会社グラミンユニクロを設立し、3年後には2,000人の雇用を目指すと発表。また、平成22年12月には“ディラ大崎駅店”“羽田空港第1ビル店”“橋本駅店”(神奈川県相模原市)をオープンさせるなど、国内外問わず積極的な動きは健在である。

 2位は前回から引き続き中国電力㈱がランクイン。時価総額は若干低下するも、電力エネルギーの供給といったライフラインに関係する業種の強みで、上位をキープした。

  今回、マツダ㈱が順位を一つ上げて3位にランクイン。前年比で時価総額も16%アップした。平成22年10月には、燃焼効率を大幅に向上させた次世代直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV(スカイアクティブ)」を発表。各社が「ハイブリッドカー」を発売する中、平成23年前半には「SKYACTIV-G」を搭載したデミオを発売する予定としており、電気モーターによるアシストなしで燃費30km/L(10・15モード)を実現するなど、独自の技術開発路線を走っている。 ㈱ベネッセホールディングスは、マツダ㈱のランクアップで4位に後退。時価総額は前年を下回るも、景気に左右されにくい教育産業の強みを見せている。

  金融機関も全体的に低迷する中、㈱山陰合同銀行は前回確保していた1,000億円台の時価総額を988億9,800万円まで落とし9位から12位に後退した。

 今回11位の青山商事㈱は、平成22年2月、千葉市に“千葉センター”を開設。重点出店地区としている首都圏への出店体制を整え、平成22年10月には銀座2丁目中央通り沿いに“洋服の青山 銀座本店”をオープン。その他にも“洋服の青山 天神総本店”(福岡市中央区)をオープンさせるなど、積極展開を続けており、時価総額も前回から25%アップした。

2011年01月19日

九州新幹線全線開業九州の展開4.鹿児島地区

鹿児島が近くなる・・・ホテル業界への影響は?

今年3月12州新幹線が全線開業する。により鹿児島が近くなる。客の増加も期待される一方で、福岡地区への買い物客の流出も懸念され流通業界への影響も懸念されている。これまで建設ラッシュが続いてきた、鹿児島地区のホテル業界をまとめてみた。鹿児島中央・新八代の部分開業以来、建設ラッシュが続いてきた鹿児島市のホテル業界であるが、幹線全線開業の影響はどうなのか?

平成16年3月の鹿児島中央―新八代間の部分開業で西鹿児島駅から鹿児島中央駅に駅名が変わり、中央駅周辺の再開発が進み、鹿児島中央駅周辺はもとより、天文館地区へのホテル進出が相次いできた。JRホテル、東横イン、ホテルアービック、サンデーズインなどのホテルがオープンし、現在も2件の大型ホテル建設が進行中である。そのひとつが鹿児島中央駅東 口に今春オープンする「鹿児島西鉄ホテル(仮称 238室)だ。南国殖産㈱を含む4社が事業主となり建設中の高層複合型ビルである「中央駅前11番街区計 画再開発ビル」の7~14階部分の賃借を受けホテルをオープンさせる。

一方、天文館地区には鹿児島商工会議所ビル近くに阪急阪神第一ホテルグループが「レム鹿児島(仮称 251室)」を今年10月にオープンさせる。西鉄ホテルは、従来展開してきたビジネスホテルより格上の、宿泊主体型アップグレードホテルで差別化を図る意向。レム鹿児島は、「快眠」をコンセプトとし、コンパクトの中にもデザイン性、機能性を追求したホテルとして展開する方針である。

鹿児島県の主要ホテル旅館客数は、平成21年1月以降前年割れの推移が顕著化、昨年も1月~10月までの宿泊数累計は、198万4,358人(前年同期累計214万2,127人 鹿児島県が発表した観光統計資料による)で▲7.4%、況が続いているが(鹿児島県の観光統計 数値)、平成20年に放映されたNHK大河ドラマ「篤姫」の放送終了の影響と、今年に関しては宮崎県で発生した口蹄疫問題によるイベント等の中止による宿泊客の減少を指摘する向きもある。

新幹線全線開通で観光客の増加も期待される一方、福岡地区からの出張客が宿泊から日帰りに切り替えるのではないかと懸念する声も聞かれる。新幹線全線開通により、鹿児島中央―博多間は、最速約1時間20分で結ばれることとなり、現在の最速2時間12分より約50分も短縮される。鹿児島県が発表した観光統計資料による平成22年1月~10までの鹿児島県内主要宿泊施設の宿泊者数は198万4,358人のうち25万5,330人が福岡県からの宿泊客で(鹿児島県が発表した観光統計資料による)、全体の宿泊者の12.9%は同県が占めている。福岡県からの宿泊客は10月までの累計で前年比15.8%も落ち込んでいるが、このうちのビジネス目的の宿泊者の動向がどうなるのか?業界の不安材料となっている。

九州新幹線全線開通で鹿児島が近くなる。相次ぐホテル建設ラッシュで競合激化が続く中、新幹線全線開業後、これがどのように鹿児島市のホテル業界に影響して行くのか・・・。

九州新幹線前線開業

2011年01月17日

九州新幹線全線開業九州の展開3.熊本地区

脚光浴びる「くまもと森都心」

熊本の場合、繁華街は戦国武将の加藤清正が築いた熊本城を中心に広がっている。全国的には駅前が中心街となっているケースが多いようで、とくに首都圏等から初めて来熊した人の中には、駅前の光景に違和感を覚えた方もいるだろう。この熊本駅と中心街の間には路面電車が走っているが、熊本駅前と熊本城前の停留所の間には停留所が5つもあり、遠いな・・・という距離感は否めないものとなっている。さて、この熊本駅周辺も平成23年春の九州新幹線全線開業に向け開発が進められ、従来のイメージを一新しつつある。とくに熊本駅前開発の目玉として、35階建の超高層タワーマンション「ザ・熊本タワー」(225戸)をはじめ、情報交流施設、商業施設などから構成される複合施設「くまもと森脚光を浴びている。同開発事業は森ビル都市企画㈱(東京都港区)を代表とするグループABILITY11(アビリティイレブン)が建設代行者として開発に当たってきた。しかし、施工者である熊本市の用地買収は難航、平成23年春の九州新幹線の開通に間に合わせるはずが、熊本タワー」の竣工は平成23年12月下旬予定と大きくずれ込んだ。この駅前開発にとどまらず、築城400年祭で賑わいをみせた熊本城の周辺でも開発が進み、2011年3月には「桜の馬場 城彩苑じょうさいえん」がオープンする。同施設は熊本城の眼下に位置し、「歴史文化体験施設」や「飲食物販施設」等で構成され、建物は武家屋敷風になる予定で、新たな観光スポットとして期待されている。九州新幹線の開通を目前に控え、着実に“熊本”は変貌を遂げつつあり、目下、熊本県宣伝部長のスザンヌさんがPR活動に奮闘中で、知名度アップに貢献している。

九州新幹線前線開業

2011年01月14日

九州新幹線全線開業九州の展開2.筑後地区

久留米駅・新大牟田駅・筑後船小屋駅鳥栖を含む相乗効果はどこに!

筑後地区は九州新幹線開通に伴い久留米・大牟田・船小屋それに久留米からほど近い鳥栖(佐賀県)の駅が整備されている。

筑後地区に限ってみると新幹線の停車本数については久留米が断然有利との見方が強い。新幹線の駅は従来のJR駅と相乗りしており、新幹線開通を控え久留米新駅はすでに完成、残すは周辺の整備のみの状況。

開業に先駆けてJR久留米駅横には大手マンション業者大京が大型高級マンション「ザ・ライオンズ久留米ウェリスタワー」(全297戸、地下1階・地上35階建て)も完成、ほぼ完売に近く周辺の開発も徐々にではあるが行われてきた。
,br />また市町村合併もあって30万人の人口を抱え、福岡県では福岡市・北九州市に続く規模の都市に成長している。従来の在来線(JR)とも隣接するなど乗り換え等を加味すると停車本数では筑後地区では一番有利ではないだろうか。新大牟田駅・筑後船小屋駅は、人口の問題はあるが、新大牟田駅については在来線(JR)から距離が遠い。また筑後船小屋駅は在来線からは近いが、温泉はあるものの久留米駅と比較すると利便性の悪さなども指摘されている。地元に聞いてもなぜあんなところに作ったのかなど疑問視する声が多いようである。

久留米駅の停車本数が多くなるとの見方の反面、隣接する佐賀県の新鳥栖駅との競合も話題として上がっているが、久留米とは距離が近いことと、鳥栖は長崎本線との絡み、さらには物流拠点という意味合いからの競合があるようだ。

ただ新鳥栖駅も在来線からかなり離れており、例えば鹿児島から長崎に行くとしたら新鳥栖駅でおりるよりは博多駅まで行って乗り換えるような通過駅になるのではという声もある。もちろんシャトルバスを走らせるなどの対策はある模様だ。

久留米駅についてみると地元およびJRを久々に利用される方は、従来と全く変わった斬新な久留米駅に驚かれる方が多いのも事実ではあるが、久留米地区はJRと西鉄がありどちらからというと西鉄の方が現在は中心街として捉えられている。ただ西鉄近隣の商店街(一番街・二番街)等はシャッター通りとなり活性化が課題となっている。JRくるめ駅周辺もこれといったメインの施設もなくこれからの本格的な開発が望まれている地区である。

またちょうど西鉄・JRの中頃に六ツ門という中心街に長年の開発が注目されてきた「新世界地区」に2年がかりで大型マンション(158戸)が建設されることとなり久々の開発で中心街の活性化につながるのかと注目が集まっている。

さらに地元百貨店を引き継いで長年の経営を続け昨年閉鎖した久留米井筒屋の今後も目が離せない。ある関係者の話では解体してどこかが買うらしいなど・・・ともっぱらデマでもないような話が浮上している。九州新幹線開通これは九州全域に撮ってすばらしいことに違いはないが、地元は地元の魅力を作り出さないと本当の意味で乗客はその駅に降りないだろうし、今のままでは博多駅の一人勝ちになりかねないとも言われ、集客(地元)をすべきための魅力あるまちづくり(環境整備)が急がれている。

九州新幹線前線開業

2011年01月12日

九州新幹線全線開業九州の展開1.福岡地区

新しい福岡の幕開けに期待!


昭和50年3月に岡山~博多間が開業し山陽新幹線(新大阪~博多)が全線開通、これにより東海道新幹線と合わせ東京~博多間が新幹線で結ばれた。新幹線の博多乗り入れは福岡と国内各地の距離間を大きく縮めると共に、福岡の都市発展の大きなきっかけとなった。特にビジネス面では福岡空港と共に多くのビジネスマンを運び、福岡の経済都市としての発展を支えてきた。あれから35年の歳月が経過、今年3月九州新幹線鹿児島ルートが全線開通し、博多駅に2度目の新幹線乗り入れが実現する。
3月12日、九州新幹線鹿児島ルートが全線開通するが、博多駅から鹿児島中央駅までの257キロメートルを整備するもので、新八代~鹿児島中央間の127キロメートルは平成16年3月に先行し開業、九州新幹線「つばめ」が運行している。全線開通後の博多~鹿児島中央間の所要時間は最速1時間20分。九州新幹線開業前の在来線特急が3時間50分かかっていたものが、部分開業で2時間10分となっていたが、今回の全線開通でさらに短縮され、博多~熊本間は現在の1時間20分からわずか35分で結ばれることとなる。

また、九州新幹線鹿児島ルート全線開通9日前の3月3多駅ビル「JR博多シティ」「JR博多シティ」には核店舗の百貨店「博多阪急」の他、大型雑貨店「東急ハンズ博多店」や複合映画施設「ティ・ジョイ」など230内外の専門店からなるミュプラザ博多」および、地下飲食街「博多一番街」にて構成される。1日平均10万人の来客が見込まれており、初年度は「博多阪急」370億円、多」300億円など700億円の売り上げを目指している。九州地区初進出となる「博多阪急」は、“東の伊勢丹、西の阪急”といわれる通りファッションに強い百貨店として定評があり、ターミナル百貨店としての運営経験も豊富で、広範囲からの集客が期待される。また、博多」の核的存在の1つである「東急ハンズ」も九州初進出となるが、大型雑貨専門店の雄として関東地区を中心に高い人気を誇っており、相応の集客が期待される。現状、博多駅の1日の利用者は約35万人で、九州新幹線鹿児島ルートの全線開通でさらに増加するものと見られ、相応の数字を残すことが期待される。ただし、天神地区ではマイナスの影響が出ることも懸念され、商業面ではプラス、マイナス両面で影響が出ることが予想される。

一方、観光面では福岡地区の観光入込客は平成11年の3,846万1,000人より同20年には4,597万5,000人に増加、県全体でも同11年の8,333万8,000人より同20年には9,990万6,000人に増加(福岡県資料より)するなど、これまでは順調な推移を見せてきた。

また、県内の沿線、特に駅が設置される自治体では新幹線効果を生かすための取り組みに力を入れているが、一方では危機感が足りないとの指摘も聞かれる。博多駅はこれまで終着駅とのイメージが強く、そのメリットを大きく受けてきた。それが九州新幹線鹿児島ルート全線開通により失われることは、特に観光面では大きなデメリットとなることも懸念される。これまでは関西方面などから九州各地を目的とする観光客はいったん博多駅で降りていたが、全線開通および山陽新幹線との直通により今後は博多駅にいったん降りる必要がなくなる。新駅ビルの効果などで駅利用客自体は増加したとしても、観光面ではマイナスとなることが懸念され、福岡市周辺などでは観光資源の開発などが求められる。また、ビジネス面では営業活動の広範囲化や出張コストの節約などの効果を期待する声が聞かれる一方、さらなる競合激化を懸念する向きもある。

さまざまな面でプラス効果を期待する声とともに、マイナス要因を指摘する声も聞かれるが、今春の九州新幹線鹿児島ルートの全線開通が、福岡にとってどのような影響をもたらすのか、どのような新しい時代の幕開けを告げるのか、大いに注目される。

九州新幹線前線開業

2011年01月07日

AndroidがiPhoneを凌ぐ急成長で2010年の主役となった理由【世界のモバイル】

2010年を振り返ると、最も目立った動きはスマートフォン出荷台数の急増だったといえるだろう。調査会社Gartnerの報告によれば2010年第3四半期のスマートフォン出荷台数は約8千500万台となり、昨年同期の約4千1000万台から96%の伸びとなっている。2010年通年では昨年の倍となることは確実で、スマートフォンの携帯電話全出荷台数におけるシェアも20%にまで達している。また日本市場もここに来て各通信事業者がスマートフォン新製品を次々に投入するなど、海外と同じ傾向になりつつあるようだ。

このスマートフォン急増を牽引したのはAndroid端末だ。

Gartnerによれば同年第3四半期のAndroid OS搭載端末の出荷台数は2千500万台で昨年同期の140万台から1440%もの急成長となっている。スマートフォン全体におけるシェアも3.5%から25.5%となり、AppleのiOSを抜いてSymbianに注ぐ第2位にまで上り詰めている。成長が著しいiOS端末の伸びが同期比較で190%であったことと比較すると、Androidがいかに急激に販売台数を増やしたかがわかるだろう。

Androidの急増は、やはり端末の数が大幅に増えたことが大きな要因だ。海外のGSM/W-CDMA端末のカタログサイトともいえるGSMARENA.COMで2010年にアナウンスされたAndroid端末の数を数えると実に70機種で、これは毎週1機種以上の新製品が登場した計算となる。一方スマートフォンでもシェア1位のNokia/Symbianは20機種にすぎず、シェアの伸びはわずかに止まっている。

このように端末の選択肢が多いということはそれだけ消費者の個別のニーズにマッチした製品が存在しているということでもあり、Android端末の急増も新製品の数を見るだけでも大きく理解できるところである。

Android端末の新製品を矢継ぎ早に投入するHTC

またこれまではiPhoneに対抗しうる製品がなかなか現れず、モバイルインターネットに適したスマートフォンはiPhoneの一人勝ちであった。だが2009年後半に北米で発売されたMotorola Droid以降、SamsungのGalaxy SやHTCのDesireなどiPhoneに肉薄する操作性を持った製品が増えている。加えてiPhoneは通信事業者との固定契約が必須であり、事業者以外からの販路が無い国も多い。これに対してAndroid端末はメーカーによる単体販売もされているなど、端末の購入手段や維持費の敷居はiPhoneよりも低いのが事実だ。

もちろんiOS/iPhoneの統合された環境はすばらしく、他社が追いつき追い越すことは今後も難しいだろう。だがそのiPhoneもアンテナの感度問題やホワイトバージョンの遅延など何かしらの問題を抱えている。そして何よりもこれまでは他社の製品がiPhoneに対して満足度でせいぜい半分程度のものしかなかったものが、2010年に登場したAndroid端末のいくつかはおそらく70-80%くらいまでその差を縮めたのではないだろうか。今後その差が縮まらなくとも、そのレベルで十分な消費者は選択肢が多く端末も買いやすいAndroidを選んでいくだろう。

Android OSもいよいよ2.3を搭載した製品が登場し、Tablet製品も2011年は多くのメーカーから登場する予定だ。そして中国のODMメーカーなどからもAndroid端末は多く登場するだろう。中国のチップセットメーカーもAndroidに特化した統合チップセットを開発しており、山寨機と呼ばれる中国の闇製造メーカーや無名メーカーも端末の高機能化を図るためにAndroid OSを選択する機会が増えていくだろう。
中国メーカーもAndroid統合チップセットを開発している

AppleはAndroidの急成長を横目で見ながら、今後は端末の販売台数ではなく利益やアプリケーションの数などを重視し、その結果iOS端末からの収益は今以上に伸びていくだろう。対するAndroidは数は増えるものの複数のOSバージョンやハードウェア規格の混在により消費者に混乱が生じる恐れもある。

だが数の上で覇権を握るということは、業界全体の今後の動向に大きな影響を与えるポジションを握るということでもある。これまではiPhoneの動きに対して各事業者が様々なアクションを起こしてきたが、今後はその役割をAndroidが担うことになりうる可能性も高い。例えばAndroid 2.3はNFCを正式にサポートしたことから、今後海外ではAndroid上でNFCを利用したサービスやアプリケーションが急激に増えるだろう。世界の主要都市では当たり前となった非接触ICカード乗車システムも、来年後半にはAndroid端末が全世界で対応、そんな時代になっているかもしれない。

スマートフォンでも1位の販売数を誇るNokiaも今はシェアの下落食い止めに必死であり、過去の影響力の復活よりも売れる製品造りに翻弄するだろう。iPhoneは6月に次の新製品が発売され、消費者に新しい体験を与える斬新な機能が搭載されることが予想されている。そしてBlackBerryやWindows Phone7も続々と新しい製品が市場に登場するだろう。

このように2011年もスマートフォン市場は大く盛り上がるだろうが、その中心となるのは製品数で圧倒的な数を誇るAndroid端末となるだろう。2011年は各社、各OSのシェアがどのように変動していくのか目が離せない1年になりそうである。
提供:livedoorニュース

2011年01月05日

光の道がカギ!ブロードバンドが全世帯の7割にまで普及

PCの出荷台数が過去最高を記録した2010年、ブロードバンドも急激な広がりを見せた。今後も、総務省が進めている光の道が整備されることで、光ブロードバンド回線が一段と普及する勢いだ。
野村総合研究所は、2015年度までの国内を中心とするIT主要5市場の分析と規模を調査し、ブロードバンド回線が全世帯の7割まで広がると予測しているのだ。
ブロードバンド関連サービス市場では、光ファイバー回線の加入者が順調に伸びていくとしている。成長率は次第に鈍化するが、2015年度末には、ブロードバンド回線全体で約3700万件加入(金額規模が2兆1200億円)と全世帯の約7割まで拡大する。一方、法人のネットワークでは、従来型の専用線などからインターネットなどを使った新しいWANサービスへの移行が進む。コストパフォーマンスが大幅に向上することで、金額規模では2010年度の約8700億円から2015年度は約7500億円まで縮小するとした。

加入者数では、2010年度は光ファイバーが1726万件、CATVが435万件、ADSLが954万件だったのが、2015年度は光ファイバーが2669万件、CATVが487万件、ADSLが511万件になると予測している。光ファイバーが約1.5倍になる代わりにADSLが約半数になるとのことだ。

データ通信量の大幅な増加、クラウドコンピューティングの活用などから、データセンターが注目を集めるようになってきた。このように情報システムは、社内に所有することから、社外のものを利用することへの変化が急速に進むことで、SaaSやISPの需要が高まっているのだ。SaaS、ASPをあわせた市場規模は2010年度の約1兆6960億円から2015年度には2兆8390億円まで、年率10%を超える勢いで拡大すると予測している。ただし、海外ITベンダーの参入により、競争が激化してくるとのこと。

もはや社会と切り離せなくなったインターネットだが、光の道、クラウドといった変化に合わせて、今後も新たな利用方法が広がりを見せていきそうだ。