福岡地区建築工事業100社の決算分析より3
売上高別分布
2009年度の上位100社の売上高区分は100億円以上は2008年度の8社より半減し4社、50億円以上100億円未満が同数の9社、10億円以上50億円未満が2社増の34社、5億円以上10億円未満が5社減の28社、5億円未満が7社増の25社となっており、売上高別の分布でみても厳しい状況がうかがえる。なお、ランクイン企業の最下位となる100位の売上高は2008年度は3億2,452万円であったが、2009年度は2億7,569万円となった。
収益状況
本業での利益率を表す営業利益率は2009年度も1.9%で、2008年度と同率となった。ただし、金額ベースでは売り上げ自体の落ち込みの影響もあって平均で2008年度の5,184万円より4,429万円に減少した。
金利関係をはじめとした営業外利益および費用計上後の平均経常利益額は、2008年度の5,476万円より4,035万円に減少した。また経常利益率も2008年度の2.0%より0.3ポイントダウンの1.7%となった。
また、平均当期利益額についても2008年度は800万円にとどまっていたが、2009年度は264万円とさらに減少、当期利益率も2008年度の0.3%より0.2ポイントダウンし0.1%にとどまった。営業利益および経常利益と当期利益に大きな差が見られるが、要因としては特別損失および納税の影響などがあげられる。
2008年度はトップの九鉄工業(株)(福岡市博多区)の赤字などが大きく影響していたが、2009年度については九州建設(株)(福岡市博多区、5位)が11億円超の赤字となっており、全体を大きく押し下げる要因の一つとなった。
なお、金額ベースでは営業段階および経常段階では上村建設(株)(福岡市博多区、2位)がトップ、九鉄工業(株)(福岡市博多区、1位)が続いており、両社が共に10億円超の黒字を確保した。また、当期利益については九鉄工業(株)が8億5,751万円でトップとなり、上村建設(株)が6億971万円と続き、共に単独で100社合計の当期利益額を上回る形となっている。
借入状況
近年は各企業共に不良資産の売却などを積極的に進め借入金の圧縮や財務面の改善を進めてきているが、この流れは2009年度も続き100社合計の借入額は439億9,300万円で、2008年度の479億544万円より39億1243万円の減少となった。なお、借入ゼロ企業、いわゆる無借金企業は(株)北洋建設(福岡市南区、3位)および西鉄建設(株)(福岡市中央区、12位)など14社あったが、2008年度に比べると3社の減少となっている。
従業員状況
2009年度の100社合計の従業員数は3,333人となり、2008年度の3,461人より128人(3.7%)の減少となった。近年、各企業は売上高の減少や採算性の悪化などから人員の削減をはじめとした諸経費の圧縮に取り組んできており、結果的に人員の減少に至っている。
企業の労働生産性を表す従業員1人当たりの売上高は2008年度の7,843万円に対し2009年度は7,183万円に減少しており、人員削減分以上に売上高が落ち込んだ形となっている。
