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平成22年上半期 中四国地区の主な倒産を振り返る2

倒産を振り返る【4月 倒産件数は減少】
 地場中堅チルド輸送業者の朝日運送㈱[広島市西区]が、15億円内外の負債を抱え事業を停止、破産手続開始申立準備に入った。広島市西部を中心としたエリアに、地元大手スーパーのイズミや食品関連業者の紀文食品、マルハニチロなど良筋を含む受注基盤を構築。その後、岡山県倉敷市、愛媛県伊予郡、大阪市住之江区に営業所を設置し関西・中四国にまでエリアを拡大。地場中堅業者として数えられるまでに成長を遂げた。しかし、近年に入り粉飾決算が発覚。平成18年1月期以降、修正損の計上により大幅赤字を計上し債務超過に転落し、対外的な与信も大幅に低下する中、平成19年頃からは借入金の返済も滞り、一部の金融機関は債権をサービサーに譲渡。また、譲渡債権請求事件や敷金返還請求事件など、金銭トラブルで訴えられ、厳しい状況が続いていた。近時、広島本店の営業権譲渡先を探すも、折り合いのつく先が見つからず断念。遂に限界に達した。

 建設業界でも依然市況が低迷。とび土工工事を手がける㈱御崎組[岡山市南区]が支払い不能に陥り、破産手続開始申立準備に入った。国土交通大臣許可を取得し、岡山県及び山口県をエリアに稼働。公共工事元請の他、大手建設工事業者からの下請けにより受注基盤を構築し、岡山県下ではトップ30に入る中堅業者に成長してきた。しかし、近年続く公共工事削減策の影響が色濃く受注環境は悪化。減収に歯止めが掛からず赤字決算に転落するなど、厳しい経営を強いられていた。そのような中、遂に資金面が限界となり、事業継続を断念した。


【5月 アパレル業界でも】
 婦人服製造販売の㈱ラブエルが事業を停止、破産手続開始申立準備に入った。百貨店やショッピングセンターへの卸売を行うほか、自社でもテナント直営店を経営。昭和60年には東京 原宿に営業所を設置するなど積極的な動きを見せていた。しかし、バブル崩壊後の急激な市況の低迷に耐えきれず、平成5年1月には広島地裁に和議を申請し事実上倒産。再建を図り、近年までに北海道から鹿児島まで、日本全国で39店舗の自社ブランド店を展開してきた。しかし、近年では景気の低迷から資金面は軟化。平成19年以降、取引金融機関が相次いでサービサーに債権を譲渡。また、平成21年には本店不動産を売却するなど事態は更に暗転。取引先から動産譲渡登記・債権譲渡登記を設定されるなど、対外的与信も大幅に低下し先行きが注目されていたが、遂に力尽きた。

 機械部品加工の老舗業者 前島工業㈱[島根県八束郡]が松江地裁より破産手続開始決定を受けた。負債総額は7億2,900万円。農業機械、工作機械、理美容機械など、各種機械装置の部品加工及び製造を手がける他、ハンドエアポンプや家庭用木工旋盤などの開発も行い、永年の実績による技術力には定評があった。しかし、近年の景気後退に伴い、主要取引先の設備投資が鈍化。自社工場の売却により急場を凌ぐ計画を立てるもうまくいかず資金繰りが悪化し、遂に限界を迎えた。


【6月 依然厳しい建設業界】
 建設工事業界市況の低迷は材料業者へも影響を与えており、広島県三原市の木材・建材販売業者 中川木材㈱が10億1,000万円の負債を抱え広島地裁尾道支部へ破産手続開始申立を行った。明治43年創業の老舗業者で、地場ではトップクラスにランク。本店所在地以外にも福山市に営業所を設置、備後地区をエリアに建築工事業者を対象とした受注基盤を構築してきた。本業以外にもホテル経営やキャンプ場の経営を行う等経営を多角化。しかし、景気後退が進み本業で厳しい経営を強いられる中、兼業部門も業績に貢献せず重荷となり、平成9年にはホテルを売却。資産処理を進め立て直しを図るも、平成9年12月広島地裁に和議を申請し事実上倒産。平成10年10月に和議認可を受け再建に取り組んできたが、近時に入ってからも業界不況は続き、遂に限界に達したことから事業継続を断念した。なお、尾道市で運営していたオートキャンプ場も閉鎖をしている。

 景気後退の波は食の関連業者へも広がり、㈲井原ファーム[岡山県井原市、採卵養鶏]が15億3,000万円の負債を抱え岡山地裁倉敷支部に民事再生手続開始を申し立てた。飼料業界大手の日本配合飼料㈱を主取引先とし、井原地区では中堅クラスに位置していた。創業当時から積極的な設備投資を行い、当地区では先駆的な鶏舎も建築。しかし、積極策が裏目に出ており、債務不履行が発生。金融機関の管理下に置かれる等、対外的与信は低下をしていた。その後も周囲の養鶏業者を傘下に置くなど積極策を続けたが、鳥インフルエンザや鶏卵価格の低下などの影響で売上高は減収で推移。それまで支援をしてきた支援メーカーからの協力も得られなくなり、資金繰りが急激に逼迫し、限界を迎えた。

 松栄産業㈱[広島県尾道市、総合建設]が、事業を停止、破産手続開始申立準備に入った。過去には工事業以外に海砂採取を行い安定した業績を確保。しかし、広島県全域の海砂採取が禁止され売上の柱の一部を失う格好となった。そのような中、平成9年に代表者が贈賄の疑いで逮捕される事件が勃発。対外的信用も低下をしていた。その後、広島支店や実質本店であった福山支店を閉鎖し現本店に集約。大幅なリストラ策に着手をして立て直しを図ってきた。しかし、平成17年には関連会社のマツキ建設㈱が談合を行ったとして広島県から90日の指名停止処分(その後同社は休眠)を受け、グループでの信用が完全に失墜。不動産部門を分離させ、建設業に専念することで立て直しを図ってきたが、近年続く業界市況低迷の影響で業績回復には至らず、遂に事業継続を断念した。

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