真っ暗闇の中にひと筋の光明「あと1年」耐えられるか?7
つまり、施主の発注額が低く抑えられている中、社内経費などが高いスーパーゼネコンの方が下請けに出せる金額は少なくなる。従って今は地場建設・土木業界ではスーパーゼネコンの下請けを中心にしている業者の方が厳しい状況に置かれているという。当然、赤字になることもあるが、継続的に受注するためにはやむなく請けているというのが実情だという。
元請け金額のたたき合いによる受注金額の低下は末端になるほどしわよせが行き、つまり専門工事業者が一番苦しんでいるという。その裏づけは、前項で紹介した福岡県中小企業家同友会の景況調査で、建設業の中でも専門工事部門が飛びぬけて悪い数字となっていることにも表れている。
なぜこのような事態になるのか。その要因のひとつが、受注段階で元請けゼネコンが経費を抑えているため、施工計画が薄いことであるという指摘がある。だから着手したときに、情報も計画も薄く、当然現場でトラブルも多くなる。現場としては手を抜くわけにもいかず、そのツケは専門工事業者にまわされる、という悪循環が起こっているというのだ。
その悪循環はさらに広がりを見せている、ひとつは技能者の雇用、もうひとつは金融だ。
以前であれば技能者の労賃は人数×日数の積み上げで確保されていたが、最近は労賃も含めた総枠の中で仕事を請けなければならないようになっている。そうなると鳶や土木などの職人を社員として抱えることが地場専門業者にとって重い負担となり、雇用を維持できなくなっている。それは技能者の年収低下にも直結している。つまり、建築に必要な技術の継承も危機にあるということだ。
金融機関からも融資に際して、これまで言われたことがなかった予定物件の提出を求められたりすることが増えてきたという。受注が不安定な状況で予定物件を提示するのは地場業者にとっては困難で、元請けと金融の両方から厳しい条件を突きつけられているというのが地場建設関連業者の現状であり、倒産だけではなく、自主廃業も増えるのではないかと予想されている。
