真っ暗闇の中にひと筋の光明「あと1年」耐えられるか?10
国や自治体に前倒し発注を望む声も
こうしたケースのように、不況によって生まれる状況を巧みに利用して自社の業績につなげることは、すべての業者に可能なことではない。それは淘汰という痛みが一方で伴うということを意味する。もともと、公共事業の総量が将来的に減り続けることなどから、日本の建設業者は大きく数を減らす方向にある。行政でもそうした方向を見据えて業種転換を促進するなどの方針を出している。しかし「現在の業界で生きていけないところが、業種転換を成功させる力を持っているとは思えない」(建設業幹部)というのも当然の見方だ。
民主党の新政権では、当面の緊急性のない予算の執行を停止することで各省庁で検証が始まっている。建設業界においては、逆に「将来予定しているものがあれば、いまこそ前倒しして発注してほしい」と訴える声も多い。国だけではなく、自治体レベルでも同様で、福岡市が抱えているアイランドシティ関連の新規案件などの、前倒し発注が求められる。そのことが地元の建設業界にとって「あと1年」の辛抱を後押しすることにもなる。そうした地元企業の声を、自治体トップは拾いあげてほしいものだ。
