どこまで進化するのか?ペットビジネス事情を追う
アイフルのCMキャラクターとして登場したクーちゃん(チワワ犬)人気に代表される空前のペットブームが起きている。そうしたブームに合わせ多種多様のペットビジネスが生まれ話題を呼んでいる。
今や人間が受けられるサービスは殆ど同じように受けられ、使われるお金は人間以上とも言われるペットビジネス。この行き過ぎとも思われるサービス内容を『新聞・雑誌記事横断検索』で調べてみた。
●人気の背景
1922万頭。
1790万人とされる15歳未満の子供の数を大きく超えたこの数字が、犬猫を合わせたペットの総数だ。単純に子供の数よりペットの数が多いのだから、ペット向けビジネスが成り立って当然だろう。
こうしたペット増加の要因として高齢化社会と核家族化による児童数の減少が挙げられる。だが一番の要因は不動産事情の変化だ。
「マンションでの犬猫飼育は禁止」従来のマンションでよく見られた規則だが、これが変りつつあるのだ。
例えば首都圏における犬猫の飼育を認めるマンションは、2003年度に28%増加。それにより、マンションでの飼育可能率は47%に達した(不動産経済研究所調べ)。約半数のマンションでペットが飼えることとなったのだ。
そればかりか、最近のマンションは単にペットを飼えるだけではなく、さまざまなオプションがついている。
それらのマンションは「ペット共生住宅」「ペットケアマンション」「ペット同居型マンション」等と呼ばれ、それぞれペットとの生活を前提とした作りをしている事が特長的だ。
こうしたペット飼育に特化したマンションについて 新聞・雑誌記事横断検索 を調べると、具体的な事例が見つかった。
●ペット飼育に特化したマンション登場
例えば、さいたま市緑区芝原のマンション「サンタローゼ」では、次のペット向け施設を用意した結果、キャンセル待ちまで発生する人気となった。
「サンタローゼのペット向け施設」
・ エレベータ電光掲示板の「ペット表示」によりペットが乗っていることを知らせる
・ 部屋の床は犬猫の足をいたわるコルク材使用
・ ペット用出入り口
・ ペット用の共用シャワー、トイレ設置
・ マンション入り口に「クラブルーム」という交流空間
また現在分譲中の横浜市港南台に新築される「パークハウス港南台(三菱地所)」でも下記ペット向け施設を設置。同様に好評である。
「パークハウス港南台のペット向け施設」
・ 屋上にドックラン設置
・ エントランスにペット専用出入り口
・ マンション入り口にペット同伴カフェ併設
こうした動きは都市基盤整備公団でも見られ、2001年12月には公団初となるペット共生住宅として「潮見駅前プラザ一番街」と「潮見駅前プラザ二番街」を提供。倍率10倍~22倍以上という高倍率での抽選となった。
世界第2位の犬猫飼養数を誇る日本では、約4分の1の世帯で犬や猫を飼養していると推定され、将来ペットを飼養したい世帯は約3分の1世帯といわれる。
「飼える環境さえあれば飼いたい」という住民の心情を、不況で苦しむマンション業界が上手く汲み取った結果だろう。
●さまざまなサービス
このようにマンション事情の変化により急変したペットビジネス。これをキーワードとして記事検索をすると「200件」以上の記事がヒットする。
これらの記事見出しから具体的なペットビジネスの内容を追ってみると、驚くほど多彩なペット向けサービスが見つかる。
今回の検索から見つかったペットビジネスを、利用用途別に整理してみた。
《 病気にかかったら 》
・ ペット「急患」夜間診療
・ ペット健康保険
・ 針治療健康管理
・ 犬用サプリメント
・ 高齢犬用の薬
・ 自然食ペットフード専門店
《 旅行に行って 》
・ ペット同伴可の宿泊施設
・ ペットシッター
・ 散歩代行ペットも美しく
・ トリマー(犬の床屋さん)
・ ペット用アパレル
・ エステ娯楽だって必要
・ ペット向け音楽放送
・ ペットの温泉
・ ペット同伴可のカフェ
《 ペットは家族の一員 》
・ 肖像画制作
・ ペット向け貯金
《 もしもの時に 》
・ ペットの火葬、
・ペット用骨壷(九谷焼)
・ ペット用お墓
・ ペット向け戒名
・ お葬式
・ 迷い犬猫の探偵社
《 ペットを飼えなくても 》
・ 犬のレンタルサービス
●ペット市場は2兆円規模に!
このサービスの行き届き具合は、まさに将軍綱吉時代の「お犬様」といった感じだ。
実際に「ペット AND お犬様」と検索すると「40件」以上のヒットがあるばかリか、ストレートに「綱吉の湯」というペット向け温泉がお台場にある温泉テーマパーク「大江戸温泉物語」の別館として登場するなど、勢いは止まらない。
これを見ると「人間が受けられるサービスは何でも受けさせてやれ」という勢いだ。実際ペットビジネスは「擬人化ビジネス」と呼ばれており、人間向けビジネスのほとんどをペット向けに置き換えられるという。
結果、ペットにかかる費用は人間と同様かそれ以上となっており、これらによる市場規模は2兆円を突破すると見込まれている。
揺り籠から墓場まで、いたれりつくせりのペットビジネス。
次には一体何が登場するのだろうか。
