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2009年02月27日

井筒屋久留米店閉店発表の余波 中心市街地の再生計画が本格化5

久留米市中心部・六ツ門地区 また、井筒屋とともにこの中心商店街をリードしてきた旧ダイエー六ツ門店跡の建物も3年に亘ってテナントが決まらず空き家同然の状態。最大の地権者だった第3セクターの六ッ門プラザが破綻したため袋小路に陥っていた。

2009年02月26日

井筒屋久留米店閉店発表の余波 中心市街地の再生計画が本格化4

 一方、08年3月に久留米市の中心市街地活性化基本計画が国に認定されたことを受けて、11年の九州新幹線鹿児島ルート全通に向けたJR駅前地区や、井筒屋にほど近い新世界地区で計画に沿った再開発が進んでいた。

 とくに新世界地区の再開発では、優良建築物整備事業として08年からマンションの建設が始まっており、11年には158戸の大規模マンションが完成する予定だった。しかし、この物件を購入し、一般販売する予定だった業者が、不動産バブルの崩壊によって経営破綻し、計画が宙に浮いたまま。

2009年02月25日

井筒屋久留米店閉店発表の余波 中心市街地の再生計画が本格化3

 しかし、近年は福岡市への買い物客の流出、近隣のダイエー六ツ門店の閉店、そして同店から車で約20分の市郊外にあるゆめタウン久留米店の開業が客の流れを一気に変えてしまった。

 その証拠に、中心商店街の空き店舗率はそれまで一ケタ台だったものが、08年9月段階で約26%と急速に悪化。井筒屋とてそれまでの求心力を発揮することが不可能な状態になった。結果、同店の売上高はピーク時の半分以下の72億円まで減少。4年ぶりに赤字を計上し、08年2月期時点で63億円の債務超過に陥った。こうして09年2月末での閉店の流れが決まった。

 閉店後の跡地の開発構想として、新たに複合商業施設を建設し、そこに井筒屋が業態にあった店舗を出店するという話が進んだが、現在では新たな動きが出てきている。

2009年02月24日

井筒屋久留米店閉店発表の余波 中心市街地の再生計画が本格化2

中心市街地の衰退と開発計画
 もともと井筒屋閉店の噂は絶えなかったとはいえ、現実の問題となると、地元のショックは相当なものだった。閉店の理由は、言うまでもなく業績不振だ。同店は1932年の開業で、62年に井筒屋(本社・北九州市)が地元百貨店・旭屋を買い取り、久留米井筒屋として、西鉄久留米駅前の岩田屋久留米店や地元商店街とともに中心市街地の繁栄を築いてきた。

2009年02月23日

井筒屋久留米店閉店発表の余波 中心市街地の再生計画が本格化1

 2008年8月、久留米市に激震が走った。同市の中心市街地の中核店舗として、長い間街の賑わいを牽引してきた井筒屋久留米店の閉店が発表されたからだ。その後、跡地の開発計画はその周辺地区を巻き込んだ大規模なプロジェクトとして動き始めた。この計画は久留米の街の顔としてのみならず、将来の発展の浮沈を握ると言っても過言ではない。

2009年02月20日

東九州活性化の鍵を探る豊かな観光資源を有効活用14

地域独自の魅力づくりを
 このように、東九州自動車道によって、新たな将来展望が開けつつある東九州圏ではあるが、一方の西九州圏でも、2011年に九州新幹線鹿児島ルートが全線開通する。車離れが囁かれる時代にあって、高速大量輸送としての新幹線は極めて競争力が高い。また、当然、すでに高速道路ネットワークが完成している西九州でも、長崎、熊本、佐賀各県の広域ネットワークの強化が図られるのは必至だ。

 そのためにも、東九州が持つ豊富な観光資源を有効に活用するさらなる戦略が求められる。大分県南3市の取り組み、そして、門司港レトロ地区の描く周遊プランに加え、沿線自治体が、それぞれの魅力を打ち出し、広域でさまざまな効用を旅行者にもたらすさらなる連携を打ち出し、各地を通過点としないための有機的連携構想が必要になる。

2009年02月19日

東九州活性化の鍵を探る豊かな観光資源を有効活用13

 こうした行程を可能にするには、東九州自動車道の全線開通は欠かせない要素だ。北九州市にとっては07年に開港した北九州空港の利用促進、有効活用にも直結することになり、享受できるメリットは、限りなく大きい。

 「西九州は先行的に交通インフラの整備が進んでいましたから、長崎、熊本という観光地はすでに多くの方が訪れ、やや新鮮味に欠けてきている面もあると思います。その点、これまで利便性の低さから観光客誘致に苦労してきた東九州は、プロモーション次第で、その魅力を大きくアピールすることもできるのではないでしょうか」

 大庭室長は、ハンディキャップを抱えていた東九州だからこそ、逆に新味のある観光資源には十分可能性が残されていると見ている。

2009年02月18日

東九州活性化の鍵を探る豊かな観光資源を有効活用12

東九州の一体化も視野に
一ノ瀬高架橋 「周遊ルートによって滞在時間が長くなれば、門司での1泊という旅行行程も十分考えられます。それに、例えば、今後増えてくると思われるシルバー層の旅行は、1泊2日というような駆け足のものではなく、ゆったりと非日常を楽しむというパターンも考えられますから、例えば、宮崎でゴルフを楽しみ、別府で温泉に浸り、最後に非日常から日常へのスイッチの切り替え地点として、モダンな門司港ホテルで都会的な夜を過ごし、関門の美味しい魚介類で旅を締めくくるという行程も十分魅力的なものにできるのではないでしょうか」(大庭室長)

2009年02月17日

東九州活性化の鍵を探る豊かな観光資源を有効活用11

 さらに、ここでも関門海峡を挟んだ、下関市との広域連携が鍵を握る。門司港駅を出発した観光客は、和布利駅に到着後周辺を散策。その後、関門人道トンネルを下関側に渡り、壇ノ浦を一望できる「みもすそ川公園」を経由し、下関側で運行されているロンドンバスなどを使って唐戸市場、市立しものせき水族館「海響館」などで遊ぶことができる。最後は関門連絡船を利用して、門司港に戻るという、周遊ルートが形成されるのだ。

2009年02月16日

東九州活性化の鍵を探る豊かな観光資源を有効活用10

 そのための第一ステップとして、来春からは、「門司港レトロ観光列車」の運行が始まる。列車の名前も一般公募で「潮風号」と決まるなど、運行開始を待つばかりの状態となっているが、このレトロ列車は、鉄道と港で栄えた門司港の歴史を物語る貨物線を利用したもの。門司港駅から和布利公園駅までの約2・1キロに途中2駅を設置して運行する。これにより、門司港レトロ地区と和布利地区の回遊性が高まり、課題となっている観光客の滞在時間の長時間化に寄与するものと期待されている。

2009年02月13日

東九州活性化の鍵を探る豊かな観光資源を有効活用9

広域連携による関門周遊プラン
門司港レトロ観光列車潮風号(イメージ) 大分県南の3市同様、東九州自動車道の開通に期待を寄せているのが、北九州市の門司港レトロ地区。

 前出の大庭室長は次のように語る。
 「1995年にグランドオープンして以来、これまで門司港レトロ地区は門司港ホテルや物産館の開業、出光美術館の開館など進化を続け、コンスタントに年間200万人の観光客を集めてきました。しかし、当地区だけでは、滞在時間が短く、今後はこの課題を解決して、栄町商店街など地元への波及効果を高めていくことが必要な段階に入っていると思います」

2009年02月12日

東九州活性化の鍵を探る豊かな観光資源を有効活用8

 協議会では、別府で開催される温泉博覧会のメニューに日豊海岸の体験プログラムを盛り込むことにしている。さらに湯布院とは、地元産品の食材を用いた湯布院ブランドのコース料理を日豊海岸のクルージング体験の料理として提供するなど、連携による周遊プログラムも推進される。

 これは、一方的に先行地域の恩恵に与かるということではなく、双方にメリットが期待される取り組みで、限られたパイの奪い合いで全てが疲弊してしまうという結果を避けるためにも、今後の展開が注目される。

2009年02月10日

東九州活性化の鍵を探る豊かな観光資源を有効活用7

 連泊で経済効果を創出しようという方針は、国の制度によっても後押しされる。観光庁の発足と観光圏整備法がそれだ。そのターゲットは、国内観光客の宿泊需要。国はこれまで外国人観光客の誘致に主眼を置いてきたが、実質的には観光消費額の大部分を占める国内観光客の需要喚起が必要で、支出額の大きな宿泊市場の開拓には、連泊を想定した広域連携による新たな魅力づくりが欠かせないということだ。そのため、広域連携による観光振興に取り組む民間団体支援には、2億5000万円の補助金も組まれる。

2009年02月09日

東九州活性化の鍵を探る豊かな観光資源を有効活用6

広域連携による相乗効果
 自治体間の連携は、共通の特徴を束ねるキャンペーンにとどまらない。自らに欠ける要素を、他の地域に補完してもらい、相乗効果を求めるものもある。協議会では、別府、湯布院など県内の有力温泉地との連携も視野に入れる。当然これもアクセス向上が大前提だ。

 3市における観光客は日帰り客が大部分。そこで、宿泊機能は別府、湯布院に任せ、宿泊客に当地まで足を延ばしてもらおうというものだ。高速道路で1時間程度のエリアであることから、別府、湯布院では味わえない魅力さえしっかり打ち出せれば、観光客を誘引することができる。一方の別府、湯布院にとっても、通常1泊2日が基本のところ、他エリアへ足を延ばしてもらうことで、プラス1泊の効果が期待できる。

2009年02月06日

東九州活性化の鍵を探る豊かな観光資源を有効活用5

 佐伯市は同じ大分県南部の臼杵市、津久見市とともに、観光振興策を推進している。3市の行政が大分県、関係団体、NPOなどとともに、「日豊海岸ツーリズムパワーアップ協議会」を07年8月に発足させ、広域連携を組んでいるのだ。テーマを「食」と「ドライブ」、「海」に置き、まさに地元の観光資源をフル活用して東九州道の開通効果を高めようとする取り組みだ。

 その一環として、区間開通と同時に始まったのが「ぶんご丼海道」。08年12月時点で3市の飲食店47店が、地場産の海産物を用いた独自の「丼」メニューでエントリー(登録)している。スタンプラリー方式で各店を回りスタンプ10個を集めると、特製丼がプレゼントされるという企画だ。

2009年02月05日

東九州活性化の鍵を探る豊かな観光資源を有効活用4

活気づく佐伯市
東九州自動車道(津久見—佐伯間)の開通式風景 それでは、08年6月に津久見—佐伯間が開通したことによって、どのような効果が表われてきているのだろうか。

 たとえば佐伯市。それまでは大分市内から約90分の時間を要していたのが、約50分へと大幅に短縮。福岡インターチェンジからも3時間程度かかっていたものが2時間30分程度とアクセスは格段に向上している。開通から1カ月間の利用台数は、1日平均6000台と当初見込みの4000台を大きく上回った。

2009年02月04日

東九州活性化の鍵を探る豊かな観光資源を有効活用3

 ところが、せっかくこのように魅力的な地域が連なっているにもかかわらず、各地が連動して「東九州」というアイデンティティで括られる状況にはない。しかし、将来、東九州自動車道が全線開通した折には、南北軸によりこれら地域が有機的に連携し、「東九州」として一体感をもった圏域として展開する可能性もある。

 事実、北九州市産業経済局門司港レトロ室の大庭隆一室長は、その可能性についてこう語る。

 「南国宮崎の自然、別府温泉のくつろぎ、そして門司港レトロの食と文化、これらがセットになれば、国内はもちろん、海外からの観光客にとっても魅力的な観光ルートが出来あがるのではないでしょうか」

2009年02月03日

東九州活性化の鍵を探る豊かな観光資源を有効活用2

観光資源の有効活用に向け
東九州圏の中心となるのは、福岡県東部、大分県、宮崎県、鹿児島県東部の各自治体。各地域とも、東九州自動車道が整備されることによる効用は高い。

 開港2周年を迎える北九州空港の有効活用を目指し、観光スポットとして人気を集める門司港レトロを擁する北九州市、全国的にも有数の温泉地である別府市、そして東国原知事就任以来、かつて新婚旅行のメッカと言われた観光王国の輝きを取り戻しつつある宮崎県。関門海峡から、周防灘、日向灘に至る一帯は、豊かな海の幸に恵まれ、日豊海岸は優れた景勝を誇る。

 日豊海岸は、大分県中部から宮崎県北部にかけての海岸線に設置された国定公園。1974年(昭和49年)2月15日指定。好漁場が多く、佐賀関の関アジ、関サバを始め、臼杵のフグ、佐伯のブリ、津久見のマグロなど水産物の名産に富む地域だ。

2009年02月02日

東九州活性化の鍵を探る豊かな観光資源を有効活用1

 恵まれた観光資源として評価も高い関門海峡から周防灘、日向灘にかけての海岸線。現在は国道10号線が結ぶこの地域が、将来は東九州自動車道により結ばれる。2008年6月に津久見│佐伯間(13キロ)が開通し、着々と整備が進む東九州自動車道による地域活性化への期待は官民ともに高い。沿線の自治体は将来の全線開通に向け、どのようなプランを描いているのか。

 今回は、観光分野にスポットを当て、前述の自動車道開通によって新たな動きが芽生え始めた大分県と、すでに九州の人気観光地として名高い北九州・門司地区を中心に、東九州地域の発展の可能性を探ってみた。