打開策となるか?若者路線を強化する大手百貨店8
伊勢丹研究から専門店ノウハウ吸収の時代へ
「ファッションの伊勢丹」は、他の百貨店が問屋、アパレルメーカー任せの売り場づくり、商品政策しかできないなか、独自の情報システムを構築し営業情報を仕入れに活用し成果を上げてきた。
百貨店はファッションの伊勢丹を勉強しよう、伊勢丹のいいノウハウを吸収しようと動いてきた。しかし、消費が低迷し大手百貨店が若者を戦略ターゲットとして位置づけ「高感度・低価格の商品の品揃え」を拡大していけば、この構図は崩れる可能性がある。
確かに流通業界は伊勢丹から人材をスカウトしてきた。小田急百貨店は3人の役員が伊勢丹出身であったが、今年退任した。伊勢丹流をそのまま持ち込み、伊勢丹と同じような店づくりをし、それがうまくいかなかったのではと言われている。セブン&アイ入りしたF氏もイトーヨーカ堂の改革道半ばで退任、さらに同グループのミレニアムリテイリングS社長も辞任した。
三越と経営統合し、収益面では国内百貨店ナンバーワンの地位を築いた伊勢丹。三越幹部の噂では伊勢丹はかなり強引なやり方、伊勢丹社員がはつねに上座にいる感じだと囁かれている。これでは経営統合もうまくいかないという噂はつきまとう。
三越の日本橋本店や銀座店の旗艦店の看板が伊勢丹に付け替わる日がくるのではという声も聞こえてくるが、三越にとって伊勢丹と一緒にいる意味は薄れているように感じられる。
伊勢丹の売上高は新宿本店が主力店のため対前年同月比マイナスとなれば、経営に大きな影響を及ぼす。今年3月から8月まででも3月、4月、6月、8月はマイナスとなっている。原油高による物価の上昇などの影響で消費マインドが冷えこみ高額品が不振なのは分かるが、伊勢丹は少しずつ変調しているように感じる。
若者を狙うなら、伊勢丹よりもっと大手専門店を勉強した方が成功の確率が高いようだ。
(「九州経済倶楽部」は、地元のマスコミ、金融、流通、エネルギー、製造業などの個人会員で構成されている提言団体。正木氏は今年7月幹事長就任)
