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08年度内にも年間生産台数150万台達成 設計・開発拠点の設置で新しい段階へ11

頭脳を持ったカーアイランドへ

 1980年代、九州は相次ぐ半導体産業の導入で「シリコンアイランド」といわれた。しかし進出してきたのは工場だけで、研究開発機能は中央の本社にあり、「頭脳なきシリコンアイランド」とも揶揄(やゆ)されたのも事実。
 
 しかし自動車産業の場合、単なる加工工場で終わりそうにはない。次世代カーや新しいエンジンの開発は、関東や東海の本社で行われ、九州に来る可能性は少ないが、生産工場の改善・工夫から設備や治工具、車体デザインの開発など地元でできることなら、地元でやってほしいというのが自動車メーカーの本音のようだ。最近は、自動車づくりの「頭脳」ともいえる設計・開発拠点の新設の動きが目立つ。
 
 トヨタ自動車の生産準備支援の子会社である「ビーピーエー」(福岡市)と「エムティエィ」(名古屋市)は昨年4月に合併して、「トヨタプロダクションエンジニアリング」としてスタートした。同社はコンピューターを利用した設計生産技術システムCAD・CAMなどを使って、設計部門と生産部門をつなぐ役割を果たし、インターネットでデータを送る。宗像市の技術センターにエンジニアを置き、トヨタの本社や中国の工場とインターネットでやり取りをしている。設計エンジニア部門も人材を求めて次第に九州にシフトしている。
 
 日産車体の子会社でソフト開発の「エヌシーエス」(平塚市)は今年4月1日、福岡市博多区に「九州オフィス」を開設した。九州オフィスは、共同で開発に当たる地場企業の技術者を合わせて8人でスタート。将来は20~30人に拡充するという。同社としては神奈川県外では初の開発拠点となる。自動車のほか、電機やコンピューターなど生産分野もカバーする。さらにトヨタ自動車九州は、宮田工場の敷地内に自動車の設計・開発拠点を新設することを決めた。2010年代半ばの事業開始を目指すが、すでに採用活動を始めており、最終的にはトヨタ自動車本体からの出向者を含め、約200人体制を整える方針だ。トヨタが九州に設計・開発部門を設置するのは初めてのことだ。
 
 さらにダイハツ九州も2010年4月に、福岡市西区の九州大学伊都キャンパスの隣接地に、設計・開発を担う「開発センター」(仮称)を開設する。車両上部のアッパーボデーと呼ばれる部分を設計するほか、設計評価や試作なども行う。これによりダイハツは九州で開発から生産までの一貫体制が整うことになる。