Interview 中村学園大学客員教授 坂田 利家氏3
積極的支援の指導への対策新たな治療法の確立が課題
―この制度で本当に生活習慣病の患者は減ると思いますか?
坂田 この制度が軌道に乗れば、メタボリック症候群の予備軍といわれる人たちは動機付け支援の指導だけである程度の成果は上がると思います。問題はそれだけでは不成功に終わった群、つまり積極的支援の指導が必要な人たちです。この人たちは動脈硬化から心筋梗塞や脳梗塞などを経て、一生医療と縁が切れなくなる可能性のある人たちなので要注意です。
―積極的支援を必要とする人たちへの対処法は?
坂田 これがなかなか難しい。実際、最初からエネルギー計算などをさせたら、皆さん脱落してしまうでしょう。そういう手立てを最も疎ましいと感じる人たちが患っているわけですから。メタボの原因が飲み過ぎ、食べ過ぎ、そして運動不足からきているということは誰でもわかっているはずです。問題は『頭ではわかっていても実行できない』こと。どんなに『食べ過ぎてはいけない』と言葉で指導・説得しても効果は一時的で、大抵の人がリバウンドしてしまうのです。
―言葉での指導・説得では解決にはなりませんか?
坂田 解決できる人たちは健常者、ないしはそれに近い方々です。私もこれまで長いこといろいろな肥満症の治療をやってきました。患者にいくら生活習慣の改善が必要かを説いても、入院中一時的な改善効果が上がるだけで、退院するとさらに悪化させて戻ってきます。そんなことが続き、「治療法そのものを変えないとダメだ」と、そう思うようになりました。その結果の集積が、現在行っている感覚に訴える方法になったのです。
―感覚に訴える治療法とは何なのでしょう?
坂田 具体的には、グラフ体重日記、咀嚼法、日本食化低エネルギー療法などです。すでに成書などで発表していますから、詳しくはそれをご覧下さい。ただし、これらの治療法は頭で理解することと実践してみるのとではまったく異なります。名プレーヤーになるには反復練習が必須なのです。

中村学園大学客員教授
この4月から、40歳から74歳までの全国民を対象に、「特定健康診査・特定保健指導制度」、通称「メタボ健診」がスタートした。これまで、個人に委ねられてきたメタボリックシンドロームや生活習慣病の改善がいわば義務化されることになり、対策に乗り出す企業や自治体も増えてきた。メタボ健診とは何か、そしてそれを取り巻く状況を取材した。
経済産業省はサポーティング・インダストリー法(中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律)に基づき、新技術に挑戦する中小企業の低利融資や特許料の減免などの支援措置をしているが、九州全体では24件が認定されている。そのうち自動車関連産業が17件と圧倒的に多い。ちなみに情報家電産業は6件、次いで半導体2件の順である。

