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講演収録 「困難を克服して」 プロ野球解説者 島田 誠 氏 8

ONから声をかけていただき舞い上がった瞬間も

 教育リーグの1試合目は読売巨人軍でした。メンバーを見ると、ピッチャー定岡、サード中畑、ショート篠塚、ファースト山本、センター松本という錚々たる顔ぶれ。2軍でロクに練習もしていないくせに、私は相手に不足はないなと思い、1番ライトで出場しました。結果は5打数5安打。2試合目のロッテ戦では4打数2安打2本塁打でした。この活躍が認められて、今度こそはの1軍です。オープン戦の何試合目だったでしょうか、巨人と戦う試合がありました。相手ピッチャーは外国人投手で、私がバッターボックスに入ってボールを投げた初球が肘の肉の薄い部分に当たって死球です。痛さをこらえて、一塁に向かうと、そこに仁王立ちしていたのが王貞治選手です。「大丈夫?」という一言の後、次のような信じられない言葉を頂いたのです。「ケガはなるべく少なく、長く球界に貢献できる選手になりなさい」。普通であれば、「チームに貢献できる」となるところでしょうが、この球界という言葉の重みは言い表せないほど嬉しかったことを覚えています。試合後、長嶋茂雄監督からも少し表現が違いますが「ロング・ロング・タイムだからね」というお言葉も頂きました。

 1軍でレギュラーをつかむまで紆余曲折がありましたが、この日本ハムで14年間プレーすることができました。