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講演収録 「困難を克服して」 プロ野球解説者 島田 誠 氏 7

上を目指して頑張り続けた汗と涙の2軍生活

 さて、入団発表があって間もなく、1月下旬の自主トレの後、2月に入りキャンプが始まりました。場所は四国の鳴門市です。ランニング、キャッチボールと続いて、次はいよいよバッティングです。さあ、いいところを見せないとと思っていると、「おい島田、君は外野スタンドで守ってくれ」とあの福田さんから声がかかりました。何のことはない、ホームランボールを拾って、外野に投げ返すように命じられたのです。しかも、それが何日も続きました。面白くありませんから、クソッと思いながら力一杯投げ返していましたが、何日目だったでしょうか、1軍の大沢啓二監督が慰問に来られたのです。いつものように、全力投球で外野スタンドからボールを投げ返すと大沢監督のお腹に命中してしまいました。しまったと思い、咄嗟に隠れたのですが、すぐにバレてしまい大沢監督の前に呼び出されました。そこで、なぜ、速球を投げ返したのかその理由を話すと、大沢監督からは「明日から1軍の紅白戦に出ろ」という意外な一言が飛び出したのです。よくよく聞いてみると、1軍の選手の頭数が足りないからという理由でした。

 9番ライトで出場し、いきなり4打数3安打。すると、大沢監督から「おい島田、お前は1軍に合流しろ、荷物は1軍の宿舎に移しておけ」といわれたのです。私は天にも昇る気持ちで、その日が2軍の宿舎の最後の日になるはずだったのですが、その時、40度の高熱が出て、3日間寝込んでしまいました。当然、1軍行きは無し。その後、また2軍に戻され、すぐに多摩川に戻って、グランド整備をしておくようにいわれました。私も、さすがにもうここまでかという気持ちになりましたが、キャンプが終わって、3月からはオープン戦が始まります。すると、また大沢監督から声がかかりました。「1軍でケガをした選手がいるから、島田を合流させろ」と。しかし、私はこの間、1週間程、練習していません。ならばということで、「教育リーグで2試合に出場させて、結果が良ければ1軍昇格だ」ということになったのです。