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« 2007年12月 | メイン | 2008年02月 »

2008年01月31日

成長率では測れない経済実態――進む格差と地方7

ガソリン価格の高騰等で懸念される消費者マインド

内閣府の消費動向調査によると、10~12月期に国内旅行を予定している世帯の割合は前期比2.7ポイント低下しており、同調査データが公表されている01年4~6月期以降、最大の下げ幅だった。国内旅行需要の減退が予想され、好調が続く外国人観光客が下支えする展開が今後も続くとみられている。
 
向こう半年間の見通しを表す同調査によると、10月の消費者態度指数は42.9と前月よりも1.4ポイント悪化し、過去3年間のボトムであった05年9月をさらに下回った。原油価格の高騰などが消費者心理に影響していると九州経済調査協会ではみている。
 
物価の動きを示す10月の全国消費者物価指数が上昇率0.1%と前年同月比で10カ月ぶりにプラスに転じた。原油高を背景とした石油製品の大幅な値上がりが指数を押し上げ、エネルギー関連を除くと物価水準はマイナス圏内のままだった。今回の物価上昇は原油高という海外発のコスト上昇圧力でかさ上げされたもので、賃金の上昇による消費支出の増加など、国内の需給改善に起因したものではないため、「悪い物価上昇」と受け止められている。
 
08年春にかけ、全国消費者物価指数の上昇率は拡大する可能性がある一方で、賃金・ボーナスの低迷は続いている。家計の収入増をともなわないなかでの物価水準の押し上げは、可処分所得の減少や消費意欲の悪化を招きかねない。企業収益の圧迫による設備投資、雇用への悪影響も懸念される。

2008年01月30日

成長率では測れない経済実態――進む格差と地方6

改正建築基準法の影響が危惧される住宅投資

改正建築基準法による建築確認審査の長期化によって、施行後の8月の新設住宅着工戸数は前年同月に比べて43%、9月は44%も減少し、この37年間で最悪の数値を示した。九州の住宅着工戸数も7〜9月期は前年同期比39・8%減と大幅に減少した。最も影響を受けているのが、住宅投資を牽引してきた分譲と貸家で、持家の22・3%減に対し、分譲は53・3%減、貸家は45・1%減となった。
 
国土交通省は規則の部分改正の追加措置によって、大幅減は一時的な現象であることを強調しているが、この影響がデベロッパー、ゼネコンにとどまらず、建材、住宅設備、家具業界にまで及び、家電、自動車などの買い替え需要など個人消費にも波及しないのか。着工の遅れが資金繰りの悪化につながった倒産が既に現実のものとなっている。住宅着工が07年末まで4割減で推移すると、07年度の経済成長率はさらに下方修正が必要となりそうだ。
 
また、分譲マンションは供給過剰感が続いている状況にあり、貸家の新規着工戸数もバブル期の水準に近づいていることから、住宅投資は拡大局面から調整局面へ突入したと判断するだけの材料は多い、と九州経済調査協会では指摘している。分譲マンションはかなり供給過剰な状態にあり、在庫を抱えるだけの体力がないメーカーから投売りが出てもおかしくない状況にあるという厳しい見方もある。

2008年01月29日

成長率では測れない経済実態――進む格差と地方5

アジアを中心とする外需に支えられ高水準続く素材生産

07年7〜9月期の素材関連業種の生産は、粗鋼が7期連続のプラスとなり、化学、セメントとも2期ぶりにプラスに転じた。粗鋼は海運需要の高まりによる造船向けが堅調であるためだ。ただ、鉄鋼、化学ともに原材料価格や輸送運賃の上昇にともない、付加価値ベースの生産指数は伸び悩んでいる。セメントの9月の生産は改正建築基準法による建設需要の減退からマイナスに転じているが、他素材と同じように輸出比率の高い工場では前年を上回る生産が続いている。
 
九州内の自動車各社の工場は、輸出比率が高いことから国内販売低迷の影響が比較的に少なく、好調な輸出に支えられている。二輪車生産台数が前年比で大幅に減少した本田技研工業熊本製作所は、浜松工場からの中大型二輪車生産の全面移管を08年に控え、工場を増設している。造船所も、好調な船舶需要や中国・韓国等との競争激化を背景に設備増強の動きとなっている。
 
同期の九州におけるIC生産は、数量ベースでは7期連続プラスだったが、数量の伸び率は4期連続で低下し、金額ベースは7期ぶりのマイナスとなった。今後の見通しについて、九州経済調査協会では、北京五輪開催による薄型テレビ等のデジタル家電需要の高まり等から、08年半ばまで半導体需要は高いとみている。WSTS(世界半導体市場統計)の予測でも、日本を含む主要国の半導体市場は08年までは軒並み高い成長率が見込まれている。ただ、IC市況の悪化から数量単価の下落が見られるため、今後生産は調整局面に入る可能性もある。

2008年01月28日

成長率では測れない経済実態――進む格差と地方4

自動車や精密機械を中心に高水準続く民間設備投資

一方、民間企業による設備投資意欲は依然として高い。日本政策投資銀行九州支店が07年6月に実施したアンケート調査によると、07年度の九州地域設備投資計画は対前年度比20.3%増と5年連続で増加し、製造業が同26.5%増、非製造業が同13.5%増であった。
 
製造業は、福岡・大分県等で工場新設や能力増強の投資が続く自動車と関連部品メーカー、大分県の事務用民生機械、長崎・佐賀県の半導体関連の大型投資が牽引し、高水準となった。非製造業も、ウエートの高い電力が需要増加対策および幹線工事など送電関連の投資上積みにより01年度以来6年ぶりの増加に転じ、企業立地が進む地域を中心にビジネスホテルの新設などが計画されているサービス、大型商業施設の新設や増床がある不動産などが増え、11年ぶりの増加に転じた。
 
日本銀行福岡支店の07年9月調査による九州「企業短期経済観測調査(短観)」でも、07年度の九州設備投資額計画は高水準を維持しており、下期計画はむしろ上方修正されていた。九州の工場立地件数も経済産業省の調査によると、07
年上期は110件となり、1994年以来13年ぶりに100件を超え、対全国比でも12.2%を占めた。
 
民間の企業設備投資は自動車や精密機械などの製造業を中心として、08年も高い水準の投資意欲を維持している。

2008年01月23日

2008年新春東経賀詞交歓会

皆様、寒中お見舞い申し上げます。

去る平成20年1月17日、福岡市博多区のホテル日航におきまして、2008年新春東経賀詞交歓会が開催されました。当日は福岡を中心に活躍中のプロ野球解説者・コメンテーター、島田誠氏が講演。「苦難を克服」という内容で、自身が体験した野球人生を中心に若手育成のポイントや重要な心構えをご披露いただきました。様々な島田氏の体験されたエピソードに、会場の方々も時折笑いのなかにも熱心に聞いていただきました。

続いて賀詞交歓会にうつり、福岡銀行常務取締役・江藤信久氏、西日本シティ銀行審査統括部長・北崎道治氏、上村建設(株)代表取締役社長・上村秀敏氏、(株)松本組代表取締役社長・松本優三氏、そして講演いただいた島田誠氏と東京経済(株)取締役社長・越智英雄による鏡開きが行なわれ、続いて上村建設(株)代表取締役社長・上村秀敏氏の乾杯の音頭により会がスタート。北九州市小倉で活躍の沖縄民謡「島想い会」の奏でる三線(さんしん)と陽気な歌の中、約300名のご参加の方々と和やかな雰囲気にて今年一年のスタートを迎え、おかげさまで賀詞交歓会は盛況のまま閉幕しました。

当日、ご参加いただきました皆様に深く御礼を申し上げます。


今後とも東京経済(株)一同、今年一年どうぞよろしくお願い申し上げます。


成長率では測れない経済実態――進む格差と地方3

新幹線、東九州高速道を除いて、減少傾向の公共投資

07年7〜9月期の九州の公共工事請負額は4746億円で、前年同期比8.6%減となった。発注者別にみると、九州新幹線や東九州自動車道関連の工事で独立行政法人が同23.4%増となった一方で、国や都道府県、その他公共団体が同10%以上の減少を見せ、市町村も減少した。この傾向は04年第3四半期以降続いており、公共投資総額は減少している。
 
また、同期における九州の非住居用建築着工物床面積(226万平方メートル)は前年同期比4.2%減となったが、これは耐震偽装問題を受けて、07年6月20日に施行された改正建築基準法の影響であった。全国ベース(前年同期比13.7%減)よりは小幅な減少にとどまった。

2008年01月22日

成長率では測れない経済実態――進む格差と地方2

08年度政府経済見通しは実質経済成長率2%を想定

内閣府は2008年度の政府経済見通しを、物価変動の影響を除いた実質経済成長率を2.0%、名目成長率を2.1%程度としている。07年度は住宅着工の急減が響き、実質1・3%、名目は0.8%に下方修正した。07年8月に改定した試算では実質、名目ともに成長率を2.1%としていたが、年度ベースでデフレを脱却できないと正式に認めた格好だ。日本経済は03年度から4年連続で2%台の成長を続けてきたが、1%台に減速すると5年ぶりの低成長となる。
 
08年度の日本経済について、内閣府は建築基準法改正で建築確認を厳格化した要因による住宅投資の減少が沈静化し、住宅投資の反動増が成長率を押し上げ、設備投資も緩やかながら増加が続くとみている。輸出もアジアを中心とした新興国経済の成長を背景に増加基調を保つと想定。個人消費は賃金の伸び悩みで大幅な増加は期待できないものの、消費者物価は緩やかに上昇し、11年ぶりに名目成長率が実質を上回ると予想している。

2008年01月21日

成長率では測れない経済実態――進む格差と地方1

サブプライムローン(米国の低所得者向け高金利住宅ローン)問題、円高、原油高など日本経済を取り巻く環境が厳しさを増し、国内景気は足元で調整色が強まっている。2008年度は好調なアジア向け輸出などを背景に、2%程度の経済成長が続くとみられているが、中小企業経営者の多くは戦後最長の景気回復期間という実感がない。九州経済も堅調な民間設備投資とアジアを中心とした旺盛な外需を背景に生産は好調を維持するとみられるが、個人消費は低調に推移すると考えられる。そこに、改正建築基準法をはじめ改正貸金業法や金融商品取引法などの相次ぐ法改正が、影を落とさなければいいのだが――。