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« 「これからの熊本」3 | メイン | 成長率では測れない経済実態――進む格差と地方1 »

「これからの熊本」4

これからの熊本

キーワード・九州新幹線
どうなる?観光地・熊本

築城400年を迎える熊本城。今年に入り、数々のイベントが開催されているが、築城400年を祝う一過性の行事ではなく、九州新幹線全線開業を見据え、継続的に熊本の魅力を発信する事業として位置づけられているようだ。
 
(財)地域流通経済研究所(熊本市)が今年7月に行った大阪府と広島県在住の生活者を対象にしたアンケート調査をみると、九州における熊本県の優位性は「温泉」と「自然環境」となっている。ただ九州新幹線全線開通後、観光で訪れたい九州の県は鹿児島県、宮崎県など南九州の人気が高く、熊本県は両地域で5位と低い。
 
ここで、昨年11月に熊本県商工観光労働部観光物産総室が公表した2005年熊本県観光統計表をみると、熊本県の観光客総数は6119万人(日帰り客数5477万人・宿泊客数642万人)で前年比64万人減と低調だった。また県内客と県外客の割合は6対4の構成比で県内客が多い。地区別でみると、「黒川温泉」などで知られる阿蘇地域が1835万人と3割を占めており、2位の菊池地域962万人、3位の玉名・荒尾地域769万人とは桁違いの人気度を誇っているが、いずれも県北地区が観光の牽引役となっている。参考までに外国人旅行者数については前年比約2万人増の55万人(日帰り客数37万人・宿泊客数18万人)と若干増えた。近隣国である韓国からの旅行者数が多いようだ。
 
すでに04年春に熊本ー鹿児島は開通したが、観光統計でみる観光客数は03年をピークに伸び悩んでいる。九州新幹線全通後はアクセス経路が一段と多様化することが予想され、いかに県外客を取り込んでいくか知恵の絞りどころのようだ。そして全通後は時間的に福岡中心街がグッと近くなることで、熊本市中心街も新幹線対策は必要となりそうだ。

キーワード・地銀再編
地場企業にとってのメリット?

昨年5月、熊本ファミリー銀行と福岡銀行が経営統合を発表し、今年4月、熊本ファミリー銀行は「ふくおかフィナンシャルグループ」傘下に入った。熊本ファミリー銀行は前期決算報告書で「当行グループ連結の2007年3月期の損益状況については、福岡銀行との経営統合後の一体的な財務運営を行うため、当行の自己査定基準および貸倒償却・引当基準等の財務基準を地銀の中でも極めて保守的とされる福岡銀行の基準に統一し、自己査定を実施した結果、本年度において592億円の不良債権処理を実施したことなどを主因に、経常利益は前年同期比654億円減少し599億円、当期純利益は前年同期比586億円減少し551億円の損失となりました」と業績に関して記述している。
 
 
これで熊本ファミリー銀行の財務内容は健全さを取り戻したことになるが、同時に取引停止の憂き目に遭う企業が続出する可能性も示唆したことになる。熊本ファミリー銀行をメインバンクとするA企業幹部は「以前の対応とは違ってきている。かなり厳しいことを言われている」と洩らす。また「熊本ファミリー銀行メインの取引先は心配だ」という声も聞かれるようになった。熊本の地場中小企業をささえてきた第二地銀・熊本ファミリー銀行の面影は失せ、「熊本には第一地銀が二つある」という皮肉がでても仕方ないようだ。「地銀再編は銀行側の都合にすぎない」や「晴れた日には傘を貸すが、雨が降ったら傘を貸さない」と冷ややかに言う人もある。
 
この地銀再編によって泣く企業が多いという見方が少なくない。熊本だけではなく、長崎をも巻き込んだ金融再編にともなう痛みは今後さらに強まるだろう。


くまもとアラカルト

【人口】
 
熊本県公表の人口(2007年8月1日現在推計)は総182万8906人。男85万9972人、女96万8934人、世帯数68万1087人。地域別の対前年比増加および減少率は左図のようになる。
 
富士フィルムや本田技研など大手メーカー工場がある菊池郡や合志市などで増加しているが、球磨郡や阿蘇郡町村合併した山都町、和水町で減少し、町村合併効果が得られていない地域もある。

対前年増加率(%)   対前年減少率(%)
1位 菊陽町 3.6   1位 五木村 △3.5
2位 嘉島町 1.6   2位 球磨村 △2.9
3位 西原村 1.5   3位 山都町 △2.3
4位 合志市 1.4   4位 小国町 △2.1
5位 大津町 1.3   5位 和水町 △2.0

【インターネット利用】
総務省統計局によると過去1年間(05年10月20日〜06年10月19日)にインターネットを利用した人(10歳以上)は83万人で51.6%となっている。01年調査と比べ、14.3ポイント高く、すべての年齢階級で上昇していることから、この5年間でインターネット利用は広く生活に浸透したといえそうだ。しかし全国比では熊本県は7.8ポイント低い。また47都道府県中第32位となっている。
 
なおインターネットの利用は電子メールが40%、情報検索等の情報入手が34%、動画・音楽データ・ソフトウェアの入手が22%などとなっている。


【労働賃金・時間及び雇用の動き】(2006年) 
一人平均月間現金給与総額は31万7193円で「電気・ガス・熱供給・水道業」が59万5970円で最も高く、「飲食店・宿泊業」の13万2663円が最も低い。なお全体では前年比1.9%増加している。  月間労働時間をみると一人平均総実労働時間は157.6時間で前年比0・5%増。「運輸業」の195時間が最も長く、「飲食店・宿泊業」の117時間が最も短い。
 
常用労働者数は26万6852人で前年比0.4%減。「卸売・小売業」で同4・5%、「情報通信業」で同3.0%、「建設業」で同2.7%減少した。パートタイム労働者数は4万9589人でパート比率は18.6%だった。
 
※熊本県の賃金・労働時間・及び雇用の動き(熊本県地域振興部統計調査課まとめ)からみた事業所規模30人以上の数値