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2007年11月30日

九州地区ゼネコンの現状5

売上高400億円台の企業はゼロ
建築基準法改正の影響06年度100社の内、最も多い売上区分は50億円以上100億円未満で44社。前回から8社増加。次いで50億円未満が38社で前回から9社減少。また、500億円以上のゼネコンは前回に引き続き松尾建設㈱(佐賀市)のみと変わりはないが、一方、前回集計では500億円未満400億円以上の区分にランクインした㈱國場組(那覇市)、㈱さとうベネック(大分市)はともに売上高400億円台を下回り、400億円台のゼネコンはゼロとなった。
また、トップ100社の内、増収企業は63社(前回54社)、減収企業は37社(前回46社)と増収企業が9社増加した。なお、増収企業63社の内、50社が売上区分100億円未満のゼネコンで占められており、上位3社(松尾建設㈱、㈱國場組、㈱さとうベネック注釈参照)が軒並み減収となったのとは非常に対照的である。

『2007年度 九州・沖縄ゼネコン100社データブック』発刊

2007年11月29日

九州地区ゼネコンの現状4

100社総売高は実質マイナス
九州地区ゼネコン上位100社の総売上高は8,620億86,306千円(前年度比387億24,453千円増)となった。ただし、ランキングは年次ごとに変動があるため、今回ランクインした100社に限定した05年度売上高は8,217億15,308千円、06年度対比では403億70,998千円の増収となった。
3.業績動向布
※97年度から99年度までは7月~6月の決算による集計
※00年度からは4月~3月の決算による集計
※02年度の集計から土木中心の業者を調査対象から削除

『2007年度 九州・沖縄ゼネコン100社データブック』発刊

2007年11月28日

九州地区ゼネコンの現状3

2.売上高別分布

『2007年度 九州・沖縄ゼネコン100社データブック』発刊

2007年11月27日

九州地区ゼネコンの現状2

1.トップ100社の地区別分布

『2007年度 九州・沖縄ゼネコン100社データブック』発刊

2007年11月26日

九州地区ゼネコンの現状1

九州地区のゼネコン100社の決算分析より
倒産企業の約半数は建設業
九州地区ゼネコンの現状
経済産業省中小企業庁が全国の中小企業を対象に実施した中小企業景況調査(4-6月)によると「中小企業の業況は、やや弱い動きがみられる」としている。
2007年上半期(1-6月)九州・沖縄地区の企業倒産状況をみると、倒産件数は624件、前年同期比で44件(7.6%)増加となり、中小企業を取り巻く環境は依然として厳しい。中でも建設業の倒産は全体の41.7%(271件)を占め他業種を圧倒、しかも前年同期比で26件(1.2%)増加している。建設業の中でもとりわけ土木工事業者の倒産が目立ち、公共工事縮小の流れの中、九州・沖縄地区における公共工事依存の体質がより浮き彫りとなっている。前回集計対象となったゼネコン100社の内、06年度(18年4月-19年3月)の倒産は、前回集計で74位であった㈱春園組(鹿児島市・自己破産)の1社のみとなったが、今年に入りランキング対象以外でも㈱司建設(大分県)、三富建設㈱(大分県)、㈱野中建設(佐賀県)、西釜建設㈱(熊本県)など負債10億円を超える大口の倒産が相次いでいる。また、今年3月には九州屈指のゼネコン㈱さとうベネック(大分県)が整理回収機構を仲立とし再生ファンドが新設した新・㈱さとうベネックに営業権譲渡したことは記憶に新しいところである。九州地銀再編による影響も懸念される中、より多くのゼネコンがこの苦境を乗り越える事を期待したい。

『2007年度 九州・沖縄ゼネコン100社データブック』発刊

2007年11月21日

建築基準法改正の影響5

【住宅業界でも格差拡大か】
いずれにしろ、着工件数が回復するのは「11月に入ってから」「年明けにならないとわからない」と、さまざまな見方があるが、「中小のディベロッパーは大変だろうし、その下請けはもっと大変だろう」という認識では一致しているようだ。

2007年11月20日

建築基準法改正の影響4

【転売せざるを得ない状況に】
建築基準法改正の影響
しかし、中小及び下請け業者への影響は言葉でいうほど生易しいものではないようだ。バブル崩壊以降、景気回復の先導を担ってきた住宅業界だが、都市部を中心に地価は跳ね上がり、土地の仕入れが難しくなってきている。販売面でも売れ残り案件も散見されるようになり、同業他社に転売するケースや中には資金力のない下請け業者に転売するケースもある。仕事をもらっているという関係上、下請け業者は高利を利用してまで買わざるを得ないケースもあるという。また、ディベロッパーの受注先である大手ゼネコンによる下請け泣かせも大きな影響を及ぼしている。
特に談合事件で信用失墜し、指名停止処分を受けている大林組は関西地区から関東地区へ舞台を移して民間工事をかなりの安値で受注しており、そのしわ寄せが下請け業者にきているとの話も聞かれる。

2007年11月19日

建築基準法改正の影響3

【ディベロッパーにも格差】
建築基準法改正の影響
改正の影響はさまざまである。某大手ディベロッパーは「改正の影響についてはもともと織り込んでおり、業績への影響はない」と述べる一方、「取り扱い件数が少ない中小のディベロッパーはマンションの完成が期を跨いだりすると業績に大きな影響が出るかもしれない」と分析する。

2007年11月16日

建築基準法改正の影響2

【耐震偽装問題からの影響】
建築基準法改正の影響
建築基準法の改正は姉歯元一級建築士による耐震強度偽装問題の契機に改正されたもので、建築確認手続きの厳格化を目的としている。確認検査の期間は改正前は3週間以内で、短期間だと1、2週間で下りるということもあったようだが、改正後は70日に延びた。これが確認件数の激減につながっており、着工件数の減少をもたらしている。

2007年11月15日

建築基準法改正の影響1

建築基準法改正の影響
6月20日に改正された建築基準法改正が大きな影響を及ぼしている。
国土交通省の発表によると、6月の建築確認件数は5万7,313件で前年同月比10.7%減。これが7月になると3万6,355件で同39.3%減、8月は4万6,071件で同24.3%減と、激減している。一方、新設住宅着工件数も同様の傾向があり、6月は12万1,149戸で同6.0%増であったが、7月は8万1,714戸で23.4%減、8月は6万3,076戸で43.4%減と、前年を大きく割り込んでいる。

2007年11月14日

博多・天神地区の百貨店戦争!!8

博多阪急百貨店の開業が福岡にもたらす影響
 
これまで述べてきた内容を総括し、博多阪急百貨店の前途についてまとめてみたい。まず、天神3百貨店の中でも、大きな勢力となっている同じ系列の岩田屋と三越福岡店。地元・福岡で誕生し、長年親しまれてきた岩田屋と高級百貨店の代名詞ともいえる三越は、今後、棲み分けを行うと同時に、手を組んで博多駅の博多阪急百貨店と戦うことになるだろう。
 
三越は、富裕層やシニア層に強く、岩田屋はOLや30〜40代に強いといわれている。この2店がタッグを組めば、共同の催事や販売促進が可能となる。2008年開催の大丸、松坂屋の全国縦断バーゲンなどのような催事も積極的に開催することになるに相違ない。
 
また、三越が強い高額商品の美術・宝飾・呉服は、岩田屋外商部でも販売可能となる。さらに、50歳以上の富裕層の子ども(20〜30歳代)が岩田屋のファッション関連商品を買い求めるという図式が定着するに違いない。両店の相乗効果により、売上高は飛躍的に伸びる可能性を秘めている。
 
松坂屋と経営統合を果たした大丸も積極的なリニューアルを推進しており、強気の姿勢を示している。しかし、先に述べた通り、最近、その動きが加速している名門百貨店同士の経営統合は、かつて、メガバンク同士の経営統合を繰り広げてきた銀行業界の動きと酷似している。一段落ついたかのように見える百貨店業界の再編成だが、今後さらなる経営統合が起きる可能性が無いとは断言できない。
 
福岡市内は年商400億円以上の百貨店が4つも必要ない商圏だ。福岡三越が出店し、福岡玉屋が閉店したように、将来、淘汰される百貨店が出現するかも知れない。

2007年11月13日

博多・天神地区の百貨店戦争!!7

阪急進出を見据え動き出した三越福岡店&岩田屋
博多・天神地区の百貨店戦争
2008年、開店10周年を迎える三越福岡店。三越福岡店も2011年の博多阪急百貨店の開店を見据えながら、現在、売場のリニューアルに取り組み、8階にインテリア関連売場のリニューアルを進めている。8階にはすでに、2006年4月にオープンした和洋食器、キッチン用品の自主編集売場「リミックススタイル」があるが、今回新設するのは「リミックススタイル」の反対側になる予定。また、自主編集売場の全体に占める売上構成比を現在の15%から20%へ拡大し、より自由度の高い売場での売上向上を狙う考えだ。さらに、三越の最大の特長である美術工芸品や、宝飾、時計などは、地域ナンバーワンを目指す。
 
特に、三越の美術部が2008年で100周年を迎えるため、三越のギャラリーは、今後も大型企画を実現するなど、集客に大きく貢献するに違いない。
 
岩田屋は、2005年度から売上高で1065億円を目指す「自主再生3カ年計画」を実行中だ。初年度の2005年は増収増益で、当初予定していた売上高を上回ったため、1年前倒しでの計画達成を目指している。また、岩田屋は、2月と8月の年2回、「シーズンリモデル」を実施している。毎回、ブランド数や改装面積は明確に決まっているわけではないが、その時のトレンドを意識したブランドに、適度な売場面積を設定し、フレキシブルな改装を続けている。年間で6〜7億円の投資で、2006年8月の「シーズンリモデル」では、28ブランドを導入した。

2007年11月12日

博多・天神地区の百貨店戦争!!6

3年をかけて売場を5倍に増床する博多大丸
博多・天神地区の百貨店戦争
博多大丸は、「博多大丸3カ年マスタープラン」に基づき、2007年度から2009年度までの3年を費やして、現西館と東館を順次リニューアルする予定だ。投資額は約40億円。この改装ににより、各館の性格を明確化し、2009年度の売上高を780億円と見込んでいる。
 
マスタープランの第1弾として、2007年2月、西館地下1階の婦人靴・ハンドバッグフロアをリニューアルした。この改装は、2005年2月の食品フロア、2006年3月の西館1階婦人アクセサリーフロアに次ぐ大型改装で、投資額は4億円、改装売場面積は2300平方メートルとなっている。
 
マスタープランのコンセプトでは、現「西館」を「本館」、現「東館」を「東館エルガーラ」に名称変更し、新「本館」は上質な暮らしを提案する総合型、新「東館エルガーラ」を高感度ファッションを提案する専門型とする予定だ。「東館エルガーラ」は、20〜30代に照準を合わせた商品ラインナップを強化し、「本館」も現在の団塊世代及び団塊ジュニアを中心とした顧客にさらにアピールする商品展開を図ると共に、さらに、新たなラインナップも検討中だ。その理由は、現在のファッションがエイジレス感覚になっているため。これに対応する商品構成も拡大していく予定だ。
 
また、「東館エルガーラ」地下1階のメンズ売場を「本館」に移動し、現在の3フロアを2フロアに集約する。博多大丸の最大の特長といえるのが、独自に複数のブランドを集めた売場である自主編集売場の充実。現在の約660平方メートル弱の規模を4〜5倍の約3300平方メートル規模に拡大する計画である。その他、アクセサリー、婦人服などの雑貨を強化し、売場面積も約200平方メートル増床。さらに、週替わりのアンテナショップ(本館1階)、全館各階に「コンシェルジュ」(相談カウンター)などを設置し、福岡の消費傾向や時代のニーズに柔軟に応える百貨店づくりに全力を注いでいく。

2007年11月09日

博多・天神地区の百貨店戦争!!5

一大騒動後に実現した阪急百貨店と阪神百貨店の統合
博多・天神地区の百貨店戦争
2006年10月、阪急電鉄の持株会社・阪急ホールディングスが阪神電鉄との経営統合を果たし、阪急阪神ホールディングスとして再スタートした。周知の通り、村上ファンドによる阪神電鉄株の大量取得に端を発している。阪神タイガース・ファンを巻き込んだこの一大騒動の流れを受けて、2007年3月、阪急阪神ホールディングスは阪急百貨店と阪神百貨店が経営統合で基本合意。2007年10月、正式に経営統合を果たした。阪急百貨店を親会社とし、阪神百貨店を子会社とする株式交換を実施し、10月1日付で百貨店事業を新設分割することによって、阪急百貨店を持株会社とする。
 
 
阪急阪神ホールディングスは、2007年度からの6カ年の中期経営計画も発表している。それによると、旅行や国際運輸、不動産管理、クレジットカードの事業も再編・統合する。2012年度の売上高7700億円、営業利益1000億円、経常利益780億円、当期利益420億円を目指す。
 
さて、阪急百貨店は、東の「伊勢丹」、西の「阪急」といわれる程、日本の百貨店事業者の中では、有数の高い経営効率を誇る会社で、共に流行の先端情報を発信し続けている。また、阪急百貨店は、「文化」にも強く、宝塚歌劇などを含め、阪急東宝グループを形成している。上層階の催事場で、「宝塚」「東宝」の2枚看板を存分に活かしたイベントを開催し、「ファッション」「文化」を軸に集客力を高める戦略に出るだろう。阪神百貨店は、立地の良さに助けられて高収益を上げているが、ネットワーク力や商品構成力という点では充分とはいえない。今後、互いの長所を引き出しあい、短所を補完し合える関係を築くことができるか、また、他の事業の再編・統合との相乗効果があるのか、今後の動向に注目したい。

2007年11月08日

博多・天神地区の百貨店戦争!!4

交通アクセスから見ても博多駅地区は有利
 
さて、次に福岡市内で中心的購買者層となるOLの買物パターンについて検証してみよう。現在、博多駅で勤務するOLは、先に述べた事業所の多さから、天神地区よりも多いことは容易に類推できる。
 
博多駅周辺に勤めるOLは、土日祝に天神地区で買物する傾向が強い。従って、博多阪急百貨店は、平日のアフター5のOL層にターゲットを絞り、短時間で効率的に買物ができる仕組みを作ればいい。そうすれば、会社帰りのついでに博多阪急百貨店でショッピングを済ませ、土日祝は、デートや旅行など、他の時間に充てるという新たな行動パターンが生まれるかも知れない。実際、東京では、「ついで」の消費行動が約50%。福岡ではまだ25%程度だが、この「ついで」消費は今後徐々に拡大していくと見られている。

2007年11月07日

博多・天神地区の百貨店戦争!!3

再開発事業でにわかに脚光を浴びる博多駅周辺
博多・天神地区の百貨店戦争
ここ数年、天神地区から博多駅周辺にオフィスを移転する企業が多い。博多駅周辺のオフィスが全て天神からの移転組ではないが、オフィスの数が増加していることは数字の上でも顕著になっている。
 
例えば、この10年間で、博多駅中央街、博多駅前1・2・3・4丁目、駅東1・2丁目と駅南1・2丁目の博多駅周辺では261事業所が増えたのに対し、天神1・3・5丁目で構成されている天神エリアでは、50事業所と五分の一以下に過ぎない。
 
また、ホテルの客室数についても、2004年時点で福岡市内において、最大の客室数を保有しているのは博多駅中央街で、延べ客室数は2149室にのぼる。博多駅地区にホテルが集中している要因としては、福岡空港に近く、JR線をはじめとする九州内外への交通アクセスの良さが挙げられる。
 
2011年春の九州新幹線開通に合わせて、工事が進む博多駅ビルだが、博多駅周辺地域再開発における主要プロジェクトであることはいうまでもない。構想としては、九州新幹線全線の開業を契機に、乗り継ぎやすさや歩行者の動線を考慮した、利用者にやさしい街づくりを構想してる。また、広域業務の中心地区としての集積を活かした、商業・文化交流などの都市機能を充実させた街づくりを提案する。
 
新博多駅ビルは、現駅ビルを建て替えて、大型施設を建設する。約2万2000平方メートルの敷地に地下3階・地上10階建で、延床面積20万平方メートル。この20万平方メートルという広さは、ビジネス棟を除いたキャナルシティ博多の延床面積に匹敵する規模だ。

2007年11月06日

博多・天神地区の百貨店戦争!!2

全国でも稀な同系列である岩田屋&三越の接近遭遇
 
ここで、天神・博多駅地区の百貨店に話題を移そう。天神地区で三越福岡店と岩田屋の2つの百貨店は同じ系列となる。直線距離にして約200メートルという近接したエリアに同じ系列の百貨店が並び立っているケースは全国的に見ても珍しく、業界2位に躍進した大丸グループの博多大丸を加えた3大百貨店が集中する天神地区は、まさに、業界1位と2位で固めた一大ショッピング・ゾーンといえるだろう。
 
一方、博多駅地区はショッピングエリアとしては、天神地区に比べて後塵を拝している印象がある。しかし、意外なことに、博多駅地区の購買力は相当高く、博多地区の売り場面積一平方メートル当たりの小売額は2002年で1910万円と天神地区の1280万円を5割近く上回っている。

2007年11月05日

博多・天神地区の百貨店戦争!!1

2011年春の九州新幹線鹿児島ルートの全線開通に合わせて、新博多駅がオープンする。オープンとともに新駅ビルに開業する博多阪急百貨店が、岩田屋、三越福岡店、博多大丸と群雄割拠する天神地区を巻き込み、新たな百貨店の勢力地図を塗り替えそうな勢いだ。国内百貨店が強者同士の経営統合を進め、四大グループに集約されていく中、阪急百貨店も阪神百貨店と統合する。博多阪急百貨店の行く手には何が待ち構えているのか

大手銀行の再編を連想させる百貨店の経営統合

天神・博多駅地区の流通戦争を語る前に、その前提として、ここ数年続いている国内百貨店の再編の動きを押さえなければいけない。2008年春に三越(業界4位)と伊勢丹(業界5位)と経営統合して生まれる三越伊勢丹ホールディングスは売上高1兆5859億円となり、いきなり業界首位に躍り出る。2位には、2007年9月に大丸と松坂屋ホールディングスが経営統合し誕生したJ・フロントリテイリング(売上高1兆1737億円)。そして、単独路線を貫き長年トップに君臨してきた高島屋は売上高1兆494億円で3位に後退。4位には、ひと足早く2003年に再編を果たしたそごうと西武百貨店のミレニアムリテイリング(9665億円)。現在、この四百貨店がいわゆる四大グループを形成している。
 
さて、今回、クローズアップされている阪急百貨店も、村上ファンドの株の大量保有が引き金となり阪神百貨店と2007年10月に経営統合を果たし、エイチ・ツー・オーリテイリングとして新たな歴史を刻む。
 
こうした再編が進むにはいくつかの理由がある。少子高齢化の進行で市場が縮小したこと。スーパーやコンビニエンスストア、家電などの大型専門店が台頭してきたこと。そして、インターネット通販が一般化したことなどが挙げられる。この中でも特に、インターネット通販で、こだわりの商品を取り寄せることに、生きがいを見い出している消費者は少なくない。つまり、百貨店にとっては、市場が縮小していく中で、競合相手が増える一方で、逆風が吹きまくっている状況といえる。
 
この現象は数字にもはっきり表れており、全国の百貨店の売上高は、バブル絶頂期の1990年には10兆円近くあったものが、右肩下がりで減っていき、現在では7兆円台にまで落ち込んでいる。百貨店業界で進む経営統合には、商品の仕入れや開発を共同化したり、間接部門を圧縮してコストを削減できるメリットがあるのだ。

2007年11月02日

大胆予測 博多阪急の戦略とは11

博多阪急出店後の構図
大胆予測 博多阪急の戦略とは
三越と伊勢丹の統合が2008年春に決定した。
 
福岡地区も少子高齢化で市場が縮小傾向にあるものの、首都圏と同じように九州の中でも100万都市・福岡へストロー現象が起こっている。
 
このような状況下、伊勢丹資本の岩田屋と三越福岡店がすみ分けを行ないながら、両者が手を組んで博多阪急と共同戦線を戦うことになる。
 
特に三越は富裕層やシニア層に強く、一方岩田屋はOLや30・40歳代に強いと言われる。この2店が特色を生かして手を組めば催事面での共同販売促進が可能となる。本年9月に開催した大丸、松坂屋の全国縦断バーゲンなどのような催事が岩田屋・三越福岡店でも開催されるであろう。
 
また、広告媒体面の新聞折込みチラシひとつを取っても、一枚のチラシで両店を紹介でき、印刷経費減につながる。さらにチラシの部数は大幅に拡大できるだけに販売効果は大きいであろう。
 
また両店が持っている顧客の共有化による商品販促も可能となる。さらにカード戦略でも汎用性を図るために両店で共通利用もできるであろう。
 
さらには、三越が強い高額品の美術・宝飾・呉服は、岩田屋外商部も販売可能となる。三越の
50歳以上の外商富裕層顧客の子どもが20〜30歳代のためファッションに強い岩田屋の商品を買い求めることができ、両店の相乗効果で売上高は飛躍的に伸びることも考えられる。
 
いずれにしても両店のすみ分けを行ない、店舗がお互いに近いことをデメリットではなく、メリットとして生かし戦ってくるであろう。
 
仮に岩田屋、三越福岡店のジョイントが成功すれば、この両店と博多阪急に挟まれた形になる博多大丸の苦戦が予測される。福岡市内に年商400億円以上の百貨店が4つも存在する商圏でないかぎり、三越福岡店の出店で閉店した福岡玉屋の例を引くまでもなく、天神のいづれかの百貨店が、暖簾を畳む結果になるかもしれない。

《『九州経済倶楽部』は、地元のマスコミ、金融、流通、交通、エネルギー、製造業などの個人会員で構成されている研究会》

2007年11月01日

大胆予測 博多阪急の戦略とは10

カギを握る優秀な販売員の確保
 
百貨店の店頭販売員はほとんどがメーカー、取引先の派遣社員となっている。
 
売場面積4万平方メートルとなれば、2000人規模の人員が必要となる。おそらく博多阪急はローコスト経営を行うため、阪急の社員を200名程度に抑え、残りの人員は取引先派遣による人員構成となるであろう。
 
この場合約2000人の雇用が福岡に生まれることになるが、全てが博多阪急での勤務ではない。留意すべきは、博多阪急がオープンすると取引先派遣者は新人だけでなく経験者も含まれる。つまり、岩田屋、福岡三越、博多大丸で勤務している経験者が派遣先の異動で阪急へ勤務することとなるのだ。この結果、天神の百貨店では経験者が引き抜かれるため、その穴埋めとして新人が天神地区の百貨店勤務になるのである。
 
博多阪急にしてみれば、いかに優秀な取引先派遣者を確保するかが、売り上げに大きく影響する。このため、取引先との交渉は早めに行うかもしれない。
 
天神地区の百貨店では、優秀な取引先社員を引き抜かれることとなり、売上高のマイナスも予測される。この現象は百貨店だけでなく、福岡市内の専門店にも及ぶかもしれない。

このため、天神地区の百貨店では、対策として早期に店内の優秀販売員表彰制度などを導入し、取引先と早期に交渉して流出を防止することがキーポイントとなるであろう。