大胆予測 博多阪急の戦略とは7
福岡都市圏の交通体系に基づく商圏設定
一般的に博多駅に出店する博多阪急は、JR沿線客や九州新幹線客を狙ってくるだろうと考えがちだが、それだけではない。
福岡市内のバス路線、地下鉄の交通体系を見れば、多くの路線が博多駅に向かっている。このため、九州・山口を大きな商圏と捉えながら、核となるエリアを構築するであろう。これは博多井筒屋(2007年3月閉店)の商圏設定とは異なる点だ。
博多阪急が最重点として設定するエリアを予測すれば次のような可能性がある。
①博多駅から30分圏内にあるJR鹿児島本線沿線の東は宗像、西は鳥栖までとJR福北ゆたか線沿線の南は飯塚まで、香椎線の西戸崎まで
②博多駅地区の足元商圏である博多区およびバス路線が天神を通らず博多駅に向かう東区、粕屋郡
③都市高速経由で天神を通らないバス路線
・東部は東区香椎方面
・西部は早良区百道浜方面と四箇田団地方面
・南部は南区老司と那珂川町方面
④福岡市内中心部で博多駅に向かうバス路線
・中央区の城南線南区の野間と長住方面
⑤福岡市営地下鉄で博多駅へ向かう前原市および西区姪浜方面
以上のエリアは核となる商圏となるものの、天神地区3百貨店の重点エリアと重複するだけに脅威になることは間違いない。
特にこれらのエリアは2007年3月博多井筒屋が閉店セールを開催した時、天神地区百貨店顧客を大幅に動員したエリアと重複したと考えられる。それだけに博多阪急のオープン後は阪急ファンとなり得る地区と想定される。
「表2」は博多井筒屋が閉店セールを開催した3月の天神地区百貨店の売上高と対前年伸率の表である。
一番マイナス幅が多いのが、4・9%減の博多大丸だ。一方、岩田屋は0・8%減、三越福岡店は1・1%減と、閉店セールに対し健闘をしている。
この要因として、両店が顧客の支持を得ていることに加えて、博多駅へ向かわない西鉄大牟田線利用客が多いためだと考えられる。一方、その反対の立場にあるのが博多大丸と考えられる。
このようなことから博多阪急出店後は、博多大丸の商圏エリアと大きく重複する可能性がある。その結果、天神百貨店の中で一番苦戦するのは博多大丸と想定される。

