大胆予測 博多阪急の戦略とは9
博多阪急の富裕層対策を考える

福岡市は“九州の首都”であり、アジアに開かれた都市である。これは福岡空港のアジア各都市への発着便数をはじめ、博多港からの韓国等の海外航路の利用客数を見ても明らかだ。
地の利を有する福岡市とその周辺都市には、多くの富裕層が存在する。このため、博多阪急は外商部を創設して、積極的な施策を採ってくる可能性も考えられる。
なぜなら三越福岡店が出店した時、外商部は作らずに西鉄大牟田線やバスセンター利用客と市内西鉄バス路線客を主なターゲットにターミナル百貨店としてオープンした。しかし、売上拡大面や三越の高級イメージからも外商部が必要となった。現在、お得意様営業部において外商部員が約30名で活動中である。
博多阪急はオープン後ではなく、それ以前に外商部隊を設けて動き出すであろう。なぜなら本年度から団塊の世代が定年退職となり福岡市内百貨店で外商経験をした豊富な人材が存在するからだ。外商の顧客はどちらかと言えば店につくのではなく係員、
つまり人について、その百貨店のファンになるからである。
特に福岡市内百貨店の外商部長クラスのOBで、顧客へ精通し、なおかつ外商の地域戦略、カード戦略にも詳しい人材は魅力的な存在だ。
この場合、博多阪急は岩田屋、博多大丸OBの外商経験者による異色部隊となる可能性が高い。なぜなら、容易に岩田屋、博多大丸の優良顧客を獲得できるからである。いずれにしても、博多阪急の富裕層戦略は注目に値する。
一方、富裕層を育成する組織を構築する可能性もある。三越福岡店が出店後の98年「スマイルレディ」(現スマイルスタッフ)をつくった。この組織では下位顧客を優良顧客へ育成して、外商係員へ担当を移管する顧客育成組織がある。
現在、15名弱が活動中である三越福岡店のスマイルレディは立ち上げに際して、博多大丸の外商開発部のお得意様係の業務内容を研究した。来店を促進する女性部隊やカード募集をするパート部隊、さらに在宅勤務で自分の自宅付近の顧客を来店させるアシスタントレディと呼ばれるパート部隊を参考にして、三越独自の組織を作り上げ、成果を上げてきていると言われている。
このため、博多阪急は福岡における知名度が低いだけに、新規顧客会員獲得とその育成のため三越福岡店の外商部や博多大丸外商部を研究して、これらとは活動内容が違う女性組織などの固定顧客づくりの仕組みを構築してくることが考えられる。












ランキング対象以外の企業で、気になる動きを少し紹介しておこう。戸建専業ではないが、ゼネコンやディベロッパーの中にも戸建建築に取り組む企業も多い。北洋建設(福岡市)は、官公庁やNTTグループなどを取引先とする地場有力ゼネコンであるが、住友林業の住宅を多く手がけていることでも知られている。また、総合ゼネコンである中野建設(佐賀市)も、佐賀市はもちろん鳥栖・唐津・福岡などで戸建建築の実積は豊富だ。分譲マンションのファミリー(福岡市)は、子会社エコシステムとして耐震性に優れた注文住宅を展開。同じく、分譲マンションの福岡地行もマンションで培ったノウハウを戸建住宅に応用した自由設計の住宅で戸建事業に進出。現在25区画の宅地分譲を開始している。
ランキングに戻ろう。10位には昨年11位から一つ順位を上げた辰巳グループ( 34戸増の208戸)、11位には2つ順位を下げたものの戸数を伸ばしているユニバーサルホーム( 11戸増の207戸)、同じく11位には3つ順位を下げた住友林業(2戸減の207戸)、13位には10位から3つ順位を下げたものの戸数を伸ばしている昭和建設( 23戸増の198戸)。昭和建設は坪単価20万円台の低価格戦略により、第二のタマホームともいわれており、今後の動向が注目される。昨年と同じ14位となったのは、一条工務店( 26戸増の168戸)、15位には17位から2つ順位を上げた東宝ホーム:旧トーホーコーエイ( 42戸増の160戸)と前出のアーネストワン(160戸/前年の実積無し)。17位以下で、大きく実積を伸ばしているのは、福岡地場のメーカー・アスト(三愛建物)が昨年22位から19位に( 39戸増の120戸)、同じく福岡地場のメーカー・健康住宅が昨年27位から24位(25戸増の87戸)などがある。
そして、昨年46位からいきなり9位に浮上した一建設(182戸増の211戸)と昨年圏外からいきなり15位にランク・インしたアーネストワンについて触れてみたい。2005年秋に首都圏上位のパワービルダーである一建設が九州に初上陸し、2006年1月にはアーネストワンが上陸。2社は、福岡都市圏で積極的に分譲用地を取得しており、猛烈なスピードで事業展開している。2社とも年商1000億円を超える事業規模を誇っており、九州地区の業者にとってはガリバー的な存在。現在は、2社とも福岡都市圏を中心に展開しているが、今後、福岡全域、さらには、九州各県に波及する可能性があり、地場メーカーの取り巻く環境は、ますます激化していくことが予想される。特に、一建設は、今後福岡都市圏に3営業所を開設し、年間600戸を目標に掲げる。フクニチ住宅新聞によると、2006年度下半期・福岡都市圏の分譲業者ランキングの1位に一建設、2位にアーネストワンがランクインしている。


