金融特集 どうなる?中小企業融資 “巨大地銀„ ふくおかFG出現の激震5
今回の統合について、福岡銀頭取でふくおかFG社長の谷正明頭取は一義的には親和銀の支援であり、規模拡大を狙った戦略的統合である熊本ファミリー銀とのケースとは違うと説明している。しかし、今回の統合の前に発表されているふくおかFGの経営計画では、「5年後に総資産12 兆円」と明記されており、これは現在の福岡銀の約8兆円、熊本ファミリー銀の1兆3000億円に、親和銀の2兆3000億円を上乗せすることで実現可能な数字であり、親和銀の統合は既定路線だったことがうかがえる。
ただし、熊本ファミリー銀との統合作業も進行中であるこの時期の統合は予定外だったのではないかとみられる。熊本ファミリー銀も07年3月期決算ではさらに不良債権の処理を進めて大幅な赤字となり、福岡銀は350億円の追加出資をしたばかり。これは財務基準を福岡銀に統一したことによるものだが、親和銀は熊本ファミリー銀の倍近い資産規模であり、今後の健全化に向けてさらに巨額の資金が必要となることは必至だ。また、3行の07年3月期決算の数字を単純合計すると(別表)、総資産や預金量の規模では横浜銀を抜いて地銀トップに躍り出るものの、損益では史上最高となった福岡銀単体の利益をあっさりと吐き出して、巨額の赤字を抱えることになる。一時的とはいうものの、さすがに抱え込み過ぎではないかという声も周囲からは聞かれる。
それでも谷頭取が異例の早さで統合を決断したのは、過去、福岡銀自身が巨額の不良債権を一気に償却し、一時的に赤字に陥ったものの、その後はV字回復を成し遂げた成功体験が背景にあるとみられる。
