金融特集 どうなる?中小企業融資 “巨大地銀„ ふくおかFG出現の激震1
総資産11兆6721億円、預金量10兆797億円という、„巨大地銀“が誕生する。ふくおかフィナンシャルグループ(ふくおかFG)は、傘下の福岡銀、熊本ファミリー銀、それに10月に経営統合する親和銀の3行を合計すると、貸出金こそ横浜銀に及ばないものの、総資産、預金量では堂々の地銀トップに躍り出る。4月2日にふくおかFGが発足してから2か月足らず、この速すぎるほどの福銀の広域展開は、同時に多大な痛みを伴うことは必至。地域の中小企業にとっては、さらに厳しい局面に入ることが予想される。
地元・佐世保に痛み残した
親和銀の„身売り“
最初に激震が走ったのは、親和銀の地元・佐世保の地元経済界だ。最悪の事態は免れたが、その痛みが大きすぎるし、将来も楽観できない、という声が大勢を占める。
「最悪の事態」とは、親和銀の破綻。親和銀がなくなったら、佐世保の経済界全体が破綻するといわれるほど、親和銀は佐世保地域の経済界全体と深いつながりがある。今回、ふくおかFG傘下に入ることによって、親和銀そのものは存続することになり、地域経済全体の破綻は免れた、という意味だ。しかし、地域とのつながりが深いというのは、融資や預金関係だけではない。
「この地域は、持ちつ持たれつ、ということで地元の商店主など、企業の多くが親和銀の株を持っている」(佐世保の商店街関係者)。つまり、親和銀は佐世保の商店主たちにとっては信金・信組ともいえる存在だったのだ。その株式が、今回の„身売り“によって、1株50円程度しか返ってこない見込みだ。株主の多くは600~700円で買っているというから、1000株なら60万円、1万株なら600万円の損失となる。破綻によってゼロになるよりはまし、とはいうものの、不況にあえぐ地元の商店主や企業経営者にとって、決して小さな数字ではない。
ふくおかFGと親和銀は、この痛みを超えるメリットを地元・佐世保に提供することが、まずは第一の使命となる。
しかし、親和銀が日本一保守的といわれる審査基準を持つ福銀のグループに入ることで、佐世保の地場企業の間では切り捨てられるのではないかという不安が沸き起こっている。
