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調査員の目

本物志向 (2010/1/27)

時代は、変化、混乱、混迷、偽装のはんらんなどを経過し、少しずつ落ち着き始めているようだが、まだ不確定な様相を醸し出している。

急速に進んだデフレはまだ止まるところを知らぬようで、その功罪が取りざたされている。

経済界もまた政界においても、この混乱期の中、例えば「すきま産業」とか「ニッチ産業」とか、地方では「地産地消」の気運が高まった。それらは、相応の効果と普及を生み出したし、人々の関心を呼んだ。

昨年、政権交代が行われ、期待と不安の船出だった。それが、徐々に不安が増幅しつつある。

特に経済情勢を予測することが、ますます困難になっている。産業構造が大きく変化している時に、何がキーワードになるのだろうか?

あらゆる分野で共通するものは『本物志向』ではないかと思う。そして、いつかわれわれが志向した『原点回帰』とも通じるようなものではないだろうか。どっしりと腰を落ち着けて、本物作りにまい進したいものだ。そして、必ずやそれが、広く評価されるし、雌雄を決すると思う。


この記事は「News ASNA(アスナ)」より抜粋したものです。
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製造業崩壊が始まる (2010/1/20)

米国の衰退を見れば日本の10年後が見えてくる。かつての大英帝国が衰退し、世界通貨ポンドが地に落ち、代わってドルがその覇権を握った。夢のような古き良き時代のアメリカだ。その当時のアメリカは農業と牧畜と鉄鋼業、繊維産業、自動車産業など多くの製造業が素晴らしい製品を世界に輸出した。メイドインUSAと書いてあると、お宝を見るように羨望(せんぼう)の的だった。

その米国製造業を、戦後たたきつぶしたのが日本だ。50年代60年代の米国の栄光は60年後半の日米繊維交渉から始まり、72年は第2次鉄鋼輸出自主規制の実施。77年には日米カラーテレビ市場秩序維持協定へと続く。80年代には自動車輸出規制。このように約30年間は日本の対米輸出問題が外交交渉の中心であったわけである。この30年でアメリカの製造業はことごとく崩壊した。それゆえ金融立国しか道はなかった。日本も同じ道をたどるだろう。世界の製造工場は日本から中国とインドに移る。日本の製造業の崩壊はすでに始まっている。中小企業経営者のみなさんは、大手製造業にぶら下がっていては必ず衰退する。これからの10年は大変動期に入る。

しかし、大いなるチャンスでもある。事業主体を大胆に変化させることが勝つ経営だ。


この記事は「News ASNA(アスナ)」より抜粋したものです。
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果実 (2010/1/13)

地場有力「サッシ専門メーカー」の会長は、長年コツコツと積み上げてきたさまざまな布石の集大成を前にしてこう語った。『我々は、大手と競争しても負けるに決まっています。しかし、我々だからできることがあるのです』そして『かなり以前から人材を含めて中国でのサッシ製作を試みていましたが、やっと本格的に開始する時がきたかなと思っています』と。

地元の大学に通う留学生を受け入れ、彼らがサッシの製作技術を学び、同時に生産の管理なども習得した後、当社の会長に同行(通訳など)してきたとか。一人や二人ではないようで、一般的には難しいといわれている「中国でのビジネス」の可能性を慎重に進めてきた。そして、試行錯誤の結果「良い製品」を製作できるまでになったという。生産コストは大幅に低い。また、製品自体がオリジナルであることから、競争力も十分である。

氏はポツリと漏らした。『この事業を軌道に乗せるまでは、引退できない』と。業を興して45年余。数々の辛酸をなめてきた会長が、好きなゴルフに興じる日も近い。次代への布石を打ち、その果実が実ろうとしている。


この記事は「News ASNA(アスナ)」より抜粋したものです。
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