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想定範囲内 (2006/12/27)
『想定範囲内』が流行語となった。経営が想定範囲内だけで回れば良いが、そうはいかないから大変である。想定外の危機は、突然に起こったように見える。しかし、蟻の一穴の例えの通り、最初は小さな穴からちょろちょろと水が漏れ始め、穴はだんだんと大きくなり、巨大な堤まで破壊する。では、小さな穴を誰が発見するか?意外と一兵卒の社員が気付くことの方が多い。社員が報告に来た時には、じっくり話を聞いてやる。傲慢な管理職や経営者は、全て自分が正しいと思いがちになるから、話をまともに聞かない。それでは誰も報告しなくなる。 松下幸之助翁は、報告に来た社員の話を「そうですか、それからどうなりました?」と相槌を打ちながら聞いていたという。しかし、報告は大半が既に耳に入っていた情報だったと回想されていた。それでも親身になって耳を傾ける。想定範囲外の危機を減らすには、まず社員の話をじっくり聞くことから始める。
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『命』 (2006/12/20)
2006年の世相を象徴する漢字が『命』となった。非常に重たい言葉である。今年その言葉を想起させる出来事や事象が多く発生したが、その一方で既に忘れ去られたこともあるのではないだろうか?いずれにしても、改めて正面きって全ての人々が問われた言葉である。企業、とりわけ中小企業にとっての『命』は、おそらく「金融」であろう。その金融業界も、一段と再編による統合が進み、なお加速しそうである。そんな中で、より以上に厚遇される企業とむしろ冷遇される企業が鮮明になってくるのではないだろうか。二極化、格差など叫ばれて久しいが、ようやく一時の底から少しずつ脱出しつつある時に、非常に厳しい判定を受けることになる。優勝劣敗は世の習いではあるが、果たして、本当に『再チャレンジできる世の中』が到来するのか?そのためのセーフティネットはどうするのか?先行きを悲観して、廃業を選択する優秀な中小企業も既に出始めている。
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安易な原価削減のツケ (2006/12/13)
建設業界の中では受注単価見直しの交渉に厳しさが増している。良くて現状維持が精一杯であり、材料の高騰分は工賃のマイナスで補うケースが大半らしい。確かに、原価の中で人件費は、目に見えないために「調整材料」に使われやすい。何年か前に地元の経営者が「今後、日本の人件費は限りなく削減され、いつかは中国並みになるかもしれない」と語っていた。その時の中国がいくら元気であっても、まだ賃金は、日本の10分の1であり「まさか」と思ったが、このままいくと「まさか」になり兼ねない。もちろん中国の人件費もその間、上昇するとしてのことだが。ここで考えなくてはならないのは、経済の原動力の半分は「個人消費」だということである。だとしたら、人件費の削減が限りなく続くようであれば、個人の所得が減少し、購買力も低下する。「賃金が低下すれば、それに似合う生活をすればよいだけ」と言われるが、それも限界がある。現に授業料を払えない家庭も出てきている事を考えると、社会問題に行き着くことになる。国力を考えた時、この選択は、果たして正しいのだろうか?ツケがやってこないだろうか?
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煮詰まったら (2006/12/6)
仕事でも人間関係でも、煮詰まったら外を向こう。文字通り首を「ここではないどこか」の向きへくるりとひねり、足も「ここではないどこか」へ向けて動かすのだ。同じ椅子に同じ姿勢で同じ人の前に座ったままでいると、いつしかそこが全世界になってしまい、そこでの微細なことが重大ニュースのように思えてくる。いいことはない。外は晴れているし、みんな笑っているし、世の中では知らない間に面白いことがたくさん起きているのだ。仕事のヒントは公園の噴水の中に見えるかもしれないし、問題点はCDショップの棚の前で解決するかもしれない。とらわれているその価値観、限界、恐怖は、多分あなたの小さな枠の中だけの生産物だ。そこから一歩外に出た時、音を立てて鳴り響くと予想していた警報器は、ちっとも鳴りはしないのだ。だからその頭を抱えているものから、すっと目と身体を離してどこかに歩き出そう。新しい何かが見えてくるかもしれないし、見ていたものがいらなくなって消えるかもしれない。どっちにしても、今よりずっといいことだけは確かである。
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